1. 韓国の大晦日・正月の雰囲気は?

韓国の正月は1月1日じゃない
正月は1月1日。これは我々日本人にとっては当然だが、韓国では違う。韓国だけでなく、中国やベトナム、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどでも、正月は1月1日ではない。では、それらの国にとっての正月とはいつだろう?ここで挙げた国々では、旧暦の正月、いわゆる旧正月を祝う。旧暦の正月に当たる日は1月21日から2月20日頃の間で毎年変わり、例えば2017年は1月28日、2018年は2月16日である。韓国では新暦の1月1日は祝日だが、あくまでも年が変わったことを祝うのみ。「ソラソル」と呼ぶ旧正月の方を盛大に祝う。
新暦の大晦日と元日には何をする?
先に少し触れたが、旧正月を祝う韓国でも1月1日は祝日である。ただし、日本のように年末から年始にかけて連休となることはなく、あくまでも1日だけの休日だ。12月31日まで普通に働き、1月1日は休み、そして1月2日から通常業務というのが韓国では当たり前。しかし、旧正月ほどではないが、街中には正月の雰囲気が漂う。大晦日には普信閣(ボシンガク)では除夜の鐘が鳴り響き、街中ではカウントダウンイベントも見られる。元日は初日の出を見るイベントが各地で開催されるなど賑わいを見せる。
2. 旧正月"ソルラル"の過ごし方

家族が集まる
ソルラルは、正月当日と前後1日ずつが祝日となって基本的に3連休となる。週末が重なれば振替によって連休は伸び、月曜から水曜や水曜から金曜がソルラルなら週末と連結してやはり連休は伸びる。火曜から木曜の場合には3連休のままだが、平日を休日として大型連休とする企業も多い。ソルラルには家族が集まるため、至る所で大渋滞が起こり、駅や空港などは大変混雑する。欧米人がクリスマスを家族で過ごすために移動するのと同様で、ソウルやプサンで働く人たちが実家を目指して移動する。この大移動の始まりがソラソルの始まりなのだ。家族が集まる家では、大晦日は"チャレ"と呼ばれる正月の朝に行われる祭祀の準備や家族のための食事の準備に忙しく過ごす。
祭祀を行い、のんびりと過ごす
元旦の朝は先祖を祀っている家に集まって祭祀が行われ、朝食をとった後に墓参りに行く。そして、子供達は新年の挨拶をしてお金をもらう。これは日本のお年玉のようなものだ。集まった家族や親戚でのんびり過ごし、子供達はテレビゲームではなく伝統的な遊びを楽しむ。ショッピングセンターなども連休となるため、外出せずに過ごす家庭が多いが、近年では家族揃って旅行に行くケースも増えている。
3. ソルラルに食べる"トック"って?

"トッ"は韓国の餅
トッは、うるち米から作った餅である。よく伸びてモチモチっとした食感が特徴的な日本の餅とは異なり、歯切れの良い餅だ。ちなみに、よく知られている韓国料理"トッポギ"は、棒状のトッをコチュジャンなどで味付けした炒め料理である。作る料理や地域によって形状は異なり、トッポギのような長い棒状ものや斜めに薄く切ったものなどがあるが、長いものを食べることで長寿を祝う風習から正月にトッを食べるという説がある。日本では正月に餅をよく食べるが、韓国の正月にもこのトッが欠かせないのである。
"トック"は韓国の雑煮
トックッは、韓国の代表的な正月料理である。餅を表す"トッ"とスープを表す"クッ"を合わせた言葉で、スープに入った餅、すなわち雑煮のような料理の名称だ。いりこだしで出汁をとり、塩で味付けしたスープにトッ・ねぎ・溶き卵を入れて作る優しい味わい。家庭によってレシピが異なり、肉類を入れたり野菜を入れる家庭もある。トックの他、肉料理や甘く味付けをしたおこわなど、様々な料理を用意して正月を過ごす。
結論
韓国の正月の過ごし方について解説した。日本でもかつては旧暦が使われていた。しかし、現在では旧正月を祝うことはなく、正月と言えば1月1日である。日本から近く、馴染みの深い韓国では、新暦よりも旧暦の正月を盛大に祝っていることを子供に伝えてみよう。外国の文化に興味を持つ良いきっかけになるかもしれない。
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