1. 大晦日にはどんな料理を食べる?

1年の締めくくりの日である大晦日。大晦日は、家族が集まり1年をふり返り、新年にむけて気持ちを新たにする日だ。家族が集まって家で過ごすとなると、気になるのは料理だ。定番はやはり年越そばだが、北海道では変わった風習もあるようだ。
北海道では「おせち」を大晦日に食べる
家事を担う女性たちがお正月くらいのんびり過ごせるようにと、お正月におせちを用意する家が多い。しかし、北海道では大晦日の日におせちを食べる人が半数以上いるようだ。これは何も「あたたかいうちに食べよう」とか「美味しそうだから待てない」といった食いしん坊な理由ではない。実は暦の数え方が関係している。現代人の感覚では朝日がのぼって1日がはじまる。しかし旧暦はその境界が日没なのだ。つまり大晦日の太陽が沈んだタイミングで、「正月」がスタートする。そういった理由であればおせち料理を大晦日の夕方からに食べはじめるのもうなずける。北海道の人はその伝統を守っているといえるのだろう。
2. 大晦日に食べる料理にはどんな由来がある?

誰もが新年をいい気持ちでスタートしたい。だからこそ、大晦日や新年のはじまりには縁起のいいものを料理して食べたいと思うであろう。では昔から伝わる大晦日の伝統的な料理の由来をふり返ってみよう。
年越しそばの由来
大晦日に年越しそばを食べる由来は、諸説ある。まずよくいわれるのが、「厄を断ち切る」ということだ。そばは切れやすい性質であることに由来する。縁や苦労を断ち切りたいという思いからきているようだ。また、そばの形は長くて細い。その形状から健康長寿を願うという意味もある。引っ越しでそばを食べるのも同じ意味で、「末永くよろしくね」という意味がある。
縁起のいい豪華な魚介類
大晦日に食べる代表的な魚に「ブリ」がある。ブリしゃぶやブリの照り焼きなどだ。ブリは関東の呼ばれ方で、イナダ→ワラサ→ブリと名前を変える出世魚だ。そんなブリにあやかってどんどん成長していきたいという願いが込められている。また、「タイ」の刺身も大晦日に食べると縁起がよい。タイは何といっても「めでたい」。日本のさまざまな祝いの席で食される。普段は料理に気を使わない人でも、大晦日・お正月は縁起のいいものを食べてゲンを担ぎたいと思う人が多く、新年を迎える時の心構えはいまも昔も変わらないようだ。
3. 海外では大晦日にどんな料理を食べる?

大晦日・お正月は日本人にとって、とても大切な代々伝わる年中行事だ。では、海外の事情はどうだろうか。海外の国々の年末年始の過ごし方も伝統的な行事として位置づけられ、特別な料理を食べているのだろうか。
アメリカの大晦日
アメリカでは、日本のように大晦日・お正月を盛大にお祝いはしていない。アメリカ人にとって1年で最も大切な日は、キリスト降誕の日であるクリスマスだ。クリスマスには家族全員で集まり、ターキーやローストチキンといった料理を楽しむ。一方、大晦日は、家族で集まるというよりは、恋人や友人と過ごす人も多いようだ。カウントダウンをして新年が迎えられたことを愛する人と喜びあう。英語でニューイヤーズイヴという。日本のクリスマスイヴのような感覚なのかもしれない。
中国の旧正月
日本のお正月はもちろんその年の最初の日である1月1日だ。しかし、お隣の国中国では、お正月は1月1日ではない。中国では旧暦に基づき大晦日・お正月は「春節」とよばれ、1月21日~2月20日の間で年が変わる。その期間は長い連休となり、日本の年末年始休暇のように国中がお祝いモードとなる。大晦日の過ごし方は日本とよく似ていて、家族で過ごす。「団らん飯」といわれる1年でもっとも重要な料理を食べるのが一般的なのだそうだ。日本と過ごし方は同じでも、日程が違うのが中国だ。
結論
大晦日は1年の中でも重要な意味をもつ大切な日のひとつといえるだろう。家族で食卓を囲み「紅白歌合戦」や特番を見ながら年越しそばをすする。1年の締めくくりであってスタートの日。特別で縁起のよい料理でおなかを満たし、また1年頑張ろうと思えるような素敵な1日にしたい。
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