1. まずはコーヒーのファーストウェーブとセカンドウェーブについて知ろう

サードウェーブコーヒーがあるということは、当然、ファーストウェーブコーヒーやセカンドウェーブコーヒーもあったということになる。
まずは、ファーストウェーブコーヒー、すなわちコーヒーブームの最初の波は、世界的には19世紀後半から始まり、1960年代まで続いた。その当時に、インスタントコーヒーと真空パックが発明されたことが、最初の波が起きた大きな要因になる。この二大発明により、長期保存が可能になったことで、それまで生産地周辺の一部の地域でしか流通させることができなかったコーヒーを、広範囲に渡って流通させることができるようになった。
一般の家庭にも普及し、とくにインスタントコーヒーは、爆発的にヒットした。その結果、コーヒーは、大量生産大量消費されることになった。
セカンドウェーブコーヒーは、1960年代に始まり1990年代頃まで続いた。それまでに比べ、コーヒーの質が重視されるようになった時代といえる。深煎りの高品質の豆を使ったコーヒーを提供するコーヒーチェーン店が続々とオープンし、とくに、スターバックスは、セカンドウェーブコーヒーを象徴する存在といわれている。カフェラテをはじめ、さまざまなフレーバーを加えたアレンジコーヒーが人気となり、コーヒーチェーン店でコーヒーを飲むことは当時のトレンドでもあった。
そして、2000年頃からサードウェブコーヒー、すなわちコーヒーの第3の波が到来する。
2. サードウェーブコーヒーについて

サードウェーブコーヒーは、2000年頃から始まり、いまも続いている。より高品質でより美味しいコーヒーが求められる時代に入ったといえる。コーヒー豆とコーヒーの淹れ方に対しては並々ならぬこだわりが反映されている点が、サードウェーブコーヒーの特徴ともいえる。
セカンドウェーブコーヒーは、ブレンドコーヒーが主流だった。しかし、サードウェーブコーヒーでは、シングルオリジンと呼ばれる豆を使ったコーヒーが主流になった。シングルオリジンとは、ブレンドされない同じ産地、同じ品種のコーヒー豆のことで、生産地や生産者が明確になっている。
さらにシングルオリジンのコーヒー豆の美味しさを最大限に引き出すために、豆は浅煎りを使用し、1杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れるというスタイルが主流となっている。
3. サードウェーブコーヒーの店

すでに日本でもサードウェーブコーヒーを提供する店が続々とオープンしている。いくつか紹介しよう。
ブルーボトルコーヒー
サードウェーブコーヒーの代表格といわれている、アメリカカリフォルニア州に本社があるコーヒーの生産販売を手がける企業。2015年に東京・清澄白河に日本初店舗がオープンし、その美味しさが革命的と話題を呼んだ。コーヒー豆の選び方や淹れ方などに徹底的にこだわった本場の味を堪能できる店だ。
猿田彦珈琲
「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」というフレーズが有名。 とくに選りすぐりの高品質のシングルオリジンを使って作られるスペシャリティコーヒーを提供している。缶コーヒーでおなじみのジョージアとコラボしていて、猿田彦珈琲監修のコーヒーベースなどが販売されている。
フグレントウキョウ
フグレンは、コーヒー王国として有名なノルウェーのコーヒー専門店。そのフグレンの海外初店舗として、2012年に東京・代々木公園近くにオープンしたのが、フグレントウキョウだ。世界最高峰と賞賛されるコーヒーを味わうことができる。
結論
サードウェーブコーヒーについてお伝えした。いったいどんなものなのかについてご理解いただけただろうか?日本の喫茶店では、かねてから、店のマスターが、1杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れる光景が当たり前のように存在していた。実は、サードウェーブコーヒーは、日本の喫茶店のスタイルの影響を受けているといわれている。その点は非常に興味深い。
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