目次
1. 2種類の桜餅、カロリーが高いのはどっち?

一口に桜餅といっても、桜餅には関東風と関西風がありその風貌は大きく異なる。写真手前が関東風の桜餅で、写真奥が関西風。関東風の桜餅は、小麦粉で作られた生地に餡を包み桜葉の塩漬けを巻いたもので、別名「長命寺(餅)」とも呼ばれる。それに対し関西風は、もち米を原料とする道明寺粉を蒸したもので餡を包み、桜葉の塩漬けで巻いたものだ。関西風は別名「道明寺(餅)」とも呼ばれる。どちらの桜餅のほうが、カロリーが高いのだろうか。
写真を見てもわかるように、関東風のほうが餡を包む生地が薄く作られており、餡の分量が多い。そのため、同じ大きさの関東風・関西風桜餅を比較すると、関東風のほうがカロリーが高くなる。次に、それぞれの桜餅のカロリーを見ていこう。
2. 桜餅一個あたりのカロリーはどのくらい?

2020年改訂の日本栄養成分表を参考に、関東風・関西風それぞれのカロリーを紹介する。桜餅の重量は、ひとつ当たり40~80gとまちまちなため、ひとつが50gの桜餅(こし餡)として比較していく。
関東風の桜餅・長命寺のカロリー
一個(50g)当たり:117.5kcal
100g当たり:235kcal
100g当たり:235kcal
関西風の桜餅・道明寺のカロリー
一個(50g)当たり:98kcal
100g当たり:196kcal
100g当たり:196kcal
桜餅のカロリーは、関東風・関西風の差はあれど、一個あたりが100kcal前後と考えたらよさそうだ。ここではこし餡の桜餅のカロリーを紹介したが、つぶ餡でも差はほとんどない。次に、糖質量について比較していこう。
3. 桜餅のカロリー・糖質はどのくらい?

カロリーの違いが分かったところで、次に桜餅の糖質量を見ていこう。カロリー制限をしながらダイエットをしている人も、桜餅の糖質量を確認してほしい。
関東風の桜餅・長命寺の糖質量
一個(50g)当たり:25.8g
100g当たり:51.6g
100g当たり:51.6g
関西風の桜餅・道明寺の糖質量
一個(50g)当たり:22.2g
100g当たり:44.3g
100g当たり:44.3g
糖質量で見ても、カロリー同様に関東風桜餅のほうが糖質量は多い。ちなみに、角砂糖1個分の糖質は3gだと考えると、桜餅ひとつは7~8個分の角砂糖に換算される。
4. 桜餅のカロリー・脂質はどのくらい?

桜餅はカロリー・糖質ともに、低くはないことがわかった。カロリーも気になるところだが、脂質はどの程度含まれるのだろうか。こちらも、関東風・関西風別に見ていこう。
関東風の桜餅・長命寺の脂質量
一個(50g)当たり:0.15g
100g当たり:0.3g
100g当たり:0.3g
関西風の桜餅・道明寺の脂質量
一個(50g)当たり:0.2g
100g当たり:0.4g
100g当たり:0.4g
カロリーは低くない桜餅だが、脂質量はほとんどゼロに近い数値。脂質量に関しては、気に留める必要はなさそうだ。
5. 桜餅のカロリーは高い!でも減量中におすすめ?

一個あたりのカロリーが100kcal前後の桜餅は、低カロリーとは言い難い。しかし、ダイエット中の甘味としては桜餅はおすすめだ。高カロリーかつ高脂質なケーキを食べるよりも、健康によい成分を含む桜餅を食べるほうがヘルシーなのである。また、桜餅と相性のよい緑茶にも、脂肪の吸収を抑える作用や抗酸化作用のあるカテキンが含まれており、健康効果が期待できそうだ(※2)。
桜餅の餡には健康によい成分が
桜餅の餡には、サポニンという小豆の皮のアク成分が含まれており、コレステロール値を下げたり、過酸化脂質を減らしたりする。また、餡の原料・小豆に由来するポリフェノールは、抗酸化作用をもつ(※3)。また、餡に含まれるカリウムには、ナトリウムを体外に排出する働きをする。カリウムは、こし餡よりもつぶ餡に多く含まれている(※4)。
桜の葉は一緒に食べる?
桜の葉にはクマリンという芳香成分が含まれている。クマリンには血液凝固を抑える効果もあるため、医薬品に活用されている。しかしクマリンを過剰摂取すると肝臓に悪影響を与えるおそれもあるため、桜の葉を食べるのは少量にしておこう(※5)。
結論
関東風と関西風別に桜餅のカロリーや糖質、脂質を見てきた。桜餅のカロリーや糖質は少ないとはいえないが、脂質はほぼゼロ。また、さまざまな健康によい成分を含む桜餅は、減量中の甘味にもぴったりだ。ぜひ、桜の時期ならではの季節の味として、旬を味わってみてもらいたい。
(参考文献)
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
※2:公益財団法人長寿科学振興財団「緑茶の効能と美味しい入れ方」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/tea.html
「カテキンの種類と効果と摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/catechin.html
※3:公益財団法人日本豆類協会「豆の主な機能性成分」
https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html
※4:公益財団法人長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
※5:内閣府「食品安全総合情報システム」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu01610030314
公益財団法人日本薬学会「クマリン」
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3
※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
※2:公益財団法人長寿科学振興財団「緑茶の効能と美味しい入れ方」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/tea.html
「カテキンの種類と効果と摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/catechin.html
※3:公益財団法人日本豆類協会「豆の主な機能性成分」
https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html
※4:公益財団法人長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html
※5:内閣府「食品安全総合情報システム」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu01610030314
公益財団法人日本薬学会「クマリン」
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3
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