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ゼラチンの原料ってなに?寒天との違いや特徴を活かした使い方

ゼラチンの原料ってなに?寒天との違いや特徴を活かした使い方

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木 倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年3月26日

食材をゼリー状にするために使用するゼラチン。使い勝手のよい粉ゼラチンからプロ仕様の板ゼラチンなどさまざまなタイプがある。見た目からは推測できないゼラチンの原料とはなんであろうか。また、ゼラチンにはアレルギーがあるのだろうか。本記事では、ゼラチンの原料や寒天との相違について概略を紹介する。

  

1. ゼラチンの原料は何?

ゼラチンは外観からは想像もつかないが、動物性の原料を使って作られている。動物のどの部分が使用されているのか、形状や特徴とともに説明する。

ゼラチンの原料

ゼラチンの原料は、動物の骨や腱に含まれる不溶性たんぱく質である。これがコラーゲンである。この不溶性たんぱく質を長時間煮沸すると、コラーゲンは変性して水溶性となる。この誘導たんぱく質をゼラチンと呼ぶのである。市販のゼラチンは、粉タイプと板タイプに大別される。粉のタイプは淡黄色、板状のものは淡色で透明である。

原料となる動物によるゼラチンの違い

日本では1941年に、世界で初めてクジラからゼラチンを生産したという記録が残るが、現在はこのタイプは存在しない。われわれが購入するゼラチンの原料となっているのは、牛、豚、魚である。原材料の相違に加えて、製造過程においてアルカリを使用するか、酸を用いるかによって完成したゼラチンの性質は異なるとされている。
とくにさまざまな種類のゼラチンができるのが豚に由来するタイプである。豚に由来するゼラチンは、できあがりの色がよく映えるタイプが多い。魚を原料にするゼラチンは酸処理タイプのみである。くちどけがよいのがこのタイプの特徴である。牛由来のゼラチンは、ゼリーの強度が高くなる可能性がある。

ゼラチンの用途さまざま

ゼリーをはじめとする菓子類に使用されるイメージの強いゼラチン。じつは、止血剤、写真乳剤、薬用カプセルにも活用されている。純度が低いゼラチンはにかわと呼ばれていて、接着剤や墨汁にも含まれているのである。

2. ゼラチンの原料とコラーゲンの関係

ゼラチンの原料になるのが動物に含まれる不溶性のたんぱく質、すなわちコラーゲンであることは上述した。美容に敏感な女性たちがアンテナをたてるコラーゲンとはどのようなものだろうか。

ゼラチンの主成分はコラーゲン

ゼラチンとは、動物の骨や皮、腱などに含まれる硬たんぱく質のコラーゲンを水とともに加熱して分解し水溶性にした誘導たんぱく質である。このコラーゲンは、ゼラチンの成分のうち86%を占める。つまり、主成分なのである。

コラーゲンの働きとは

コラーゲンは動物の骨や皮から作られるが、人間の皮膚や血管もコラーゲンをはじめとするたんぱく質で構成されている。人体の場合は、全体のたんぱく質のうち30%がコラーゲンで占められるといわれている(※1)。つまりコラーゲンとは、健康や美容に有効であるにとどまらず必須の成分であることがわかる。コラーゲンはさらに、保湿力や肌の弾力性を保つなどの有効性がうたわれていることがあるが、こちらはまだ十分に証明されていない(※1)。

3. ゼラチンと寒天の原料の違い

ゼラチンと同じく凝固剤としての役目を果たすのが寒天である。それでは、ゼラチンと寒天にはどのような違いがあるのだろうか。

原材料や食感の違い

動物性のコラーゲンが原料となるゼラチンとは異なり、寒天の原料となるのはテングサなどの海藻である。つまり、寒天は植物性の食材なのである。また、ゼラチンよりも高温で溶ける性質がある寒天は、口中では溶けずに咀嚼する必要があることが多い。こうしたことからも、同じゼリー状の食品であっても寒天を使用するかゼラチンを使用するかで食感は異なる。

それぞれの特徴を生かした使い方

食感の違いを生かして、ゼラチンと寒天は使用用途も異なる。寒天はゼラチンよりも固いため口の中で溶けることがなく、和食に用いられることが多い。一方ゼラチンは20~30℃で溶けるため、口中でも滑らかな印象がある。この特徴を生かして、洋菓子に使用されることが多いのである。

4. ゼラチンの原料に対するアレルギーついて

ゼラチンは動物性の食材であり、消費者庁が定めるアレルギーを誘引する可能性のある27品目のひとつに挙げられている(※2)。

ゼラチンのアレルギーとは

ゼラチンにアレルギーがあることが判明したのは、1994年にゼラチンが含まれる予防接種が行われたときにさかのぼる。現在はワクチンにゼラチンは含まれていないが、ゼラチンは豚や牛に由来するものが多いためこれらにアレルギーがある人には発症の可能性がある。そのため、消費者庁は表示の義務化を定めているのである。

結論

淡白な色合いの外観からは想像もつかないが、ゼラチンは動物の骨や皮に含まれるたんぱく質を使用して作られる食材である。現在も豚や牛、魚からゼラチンが作られている。ゼラチンは高温で溶けやすいという特徴があり、同じく食材を凝固する寒天とは食感においても相違がある。動物由来であるため、アレルギーを発症する食品のひとつにも数えられていることも頭に入れておこう。
(参考文献)
(※1)運営元:厚生労働省
該当ページ名:コラーゲン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-011.html

(※2)運営元:消費者庁
該当ページ名:アレルゲンを含む食品に関する表示
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/food_labeling_act_190507_0005.pdf
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  • 更新日:

    2021年3月26日

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