1. ゼラチンの溶かし方

昨今はふやかす必要がない顆粒タイプも人気であるが、ゼラチンには大別して2種類がある。粉ゼラチンと板ゼラチンである。それぞれの溶かし方について説明していく。
粉ゼラチンの場合
粉ゼラチンを溶かすときには、固める生地の2~3%の量が適宜である。ふやかすために使う水の量は、ゼラチンの4~5倍である。1Lの液体であればゼラチンの量は20g、溶かすための水は100ccが基本となる。5分ほどふやかして使うのが一般的である。
板ゼラチンの場合
板ゼラチンを溶かす場合の注意点は、冷水を使用する点にある。この場合の水の量は、板ゼラチンがしっかりと浸かる程度である。15分ほど水に浸けたあとに水気を切り、これを改めてゼリー状にする液体に溶かす。これが基本である。
2. ゼラチンの溶かし方の注意点

粉や板のゼラチンを溶かす場合には、水の量だけではなく温度も成功のための重要な要素になってくる。鍋を使ってそれぞれのゼラチンを溶かす場合の注意点を見てみよう。
粉ゼラチンの場合
水に5分ほど入れてふやかした粉ゼラチンは、50℃ほどの温度に温めた液体に入れてよく混ぜていく。この場合に注意するのは、液体を沸騰させないことである。動物性のコラーゲンが原料であるゼラチンは、温度が高くなるとたんぱく質が変化して固まりにくくなることがある。鍋に入れた液体は、ごく弱火でゆっくりと温めてゼラチンと溶け合わせるのがコツである。
板ゼラチンの場合
冷水につけて水気を除去した板ゼラチンを、鍋で60℃ほどに温めた液体の中に沈めて溶かす。緩やかにゼラチンが溶けたら、鍋はすぐに火からおろす。板ゼラチンの場合も、液体を沸騰させないよう注意が必要である。また、ゼラチンは酸にも弱いので、柑橘類やキウイなど酸味があるフルーツは生で使わないのが無難である。
3. レンジでのゼラチンの溶かし方

粉ゼラチンや顆粒タイプのゼラチンは、鍋を使わずに電子レンジで溶かすことも可能である。その方法を見てみよう。
水とゼラチンをレンジで
電子レンジでゼラチンを溶かす場合は、ゼラチン10gに対して水100gほどを使用する。これを耐熱容器に入れて、まずは40秒ほど加熱して様子を見よう。ゼラチンがしっかり溶けていないようであれば、さらに20秒加熱する。ゼラチンが溶けた液体をゼリーにしたいジュースなどに混ぜて使用する。
4. ゼラチンのふやかし方・溶かし方のコツ

ゼラチンを溶かす際にできてしまったダマは、調理後も残ってしまう。これでは滑らかなゼリー状にならないため、ダマはとにかく作らない用心が肝心である。そのコツを見てみよう。
ダマを作らないコツ
ゼラチンを溶かすうえでダマを作らないためには、ゼラチンを水に浸けるという手順が重要である。ゼラチンに水をかけるのではなく、あらかじめ水が入った容器にゼラチンを浸す。粉ゼラチンの場合は、水に入れる場合も一度に入れるのではなく容器全体にまんべんなく入れるようにしよう。溶かしている課程でダマができてしまった場合は、60℃前後の湯で湯煎をする。
ゼラチンの使用を成功に導くためのそのほかのコツ
ダマを作らないことのほかに、ゼラチンを溶かすときの温度には重々注意が必要である。温度が高くなりすぎると、ゼリー状に固まらなくなる。60℃前後が目安と心得ておこう。
5. ゼラチンと寒天の溶かし方の違い

洋菓子に使われることが多いゼラチンに対して、和菓子には寒天が使用される。同じ凝固の役割を果たす2つの食材、溶かす場合にはどんな違いがあるのであろうか。
溶かす温度の違い
動物性由来のゼラチンに対し、寒天はテングサなどの植物を由来とする。食感も前者は柔らかく、後者は硬めという相違がある。ゼラチンと寒天は、溶かす場合の温度も異なる。ゼラチンは溶かす時の温度が高くなると凝固しにくくなるが、寒天はしっかりと沸騰させてから溶かす必要がある。食感だけではなく使い方も異なる2つの食材、しっかりと使い分けて楽しもう。
結論
ゼラチンを使いこなせるようになると、スイーツや料理のレパートリーも広がる。とくに、ゼラチンによって生まれる独特の食感はなにものにも代えがたい美味である。いくつかのコツさえ頭に入れておけば、それほど失敗することもなくぷるんとした食感を楽しむことが可能である。ぜひ経験を積んで、ゼラチンをものにしてみてほしい。
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