1. こごみの下処理
油で揚げて天ぷらにしたり、マヨネーズで和えたり豚肉と炒めたり、いろいろな食べ方で楽しめる山菜のこごみ。乾燥させたものや瓶詰めで水煮にしたものも販売されているが、画像を見てはじめて知ったという人もいるのでは?美味しく味わう食べ方の前に、まずこごみの下処理について解説する。
こごみの特徴のひとつがアクが少ないことだ。水で洗ったら塩茹でするだけで下処理はOK。茎はおひたしなどにして食べるとよい。別名をクサソテツというこごみ。クサソテツという名前の由来は常緑の木のソテツの葉とこごみの羽状に開く葉の形が、同じように見えるためといわれる。こごみという名前は芽がうずくまり、こごんで見えるため名付けられたという。
東京のような首都圏で流通しているこごみはハウスなどで栽培したものがほとんどで、自然の山で採れる天然のものは、ほとんど流通していないのが現状だ。山菜の中でもにおいやクセはあまりなく、調理しやすいところも特徴のひとつ。次に具体的な食べ方について解説しよう。
2. こごみの美味しい食べ方:天ぷらや和え物も
こごみ・ふきのとう・ぜんまい・わらび・たらの芽のような山菜の食べ方のひとつが天ぷらで味わう方法だ。天ぷらで調理するときは、下茹でする必要はない。作り方はこごみの根のかたい部分を切り落として水洗いし、水気をきり小麦粉をまぶす。ボウルに割りほぐした卵と冷水を入れてよく混ぜ、小麦粉を加えて衣を作る。
フライパンに油を入れて170℃に熱し、衣をくぐらせたこごみを揚げる。フライパンで塩を煎り、粗熱がとれたら抹茶と混ぜ合わせる。器に盛り付けて抹茶塩を添えれば完成だ。定番の天つゆで味わうのもいいが、塩で食べるとアルコールとの相性がグッとよくなる。抹茶の代わりにカレー粉を混ぜるカレー塩で食べても美味しい。好みで出汁・みりん・水・しょうゆ・葛粉で作る葛あんで食べるのもおすすめ。
次に紹介するこごみの食べ方はマヨネーズで和えるレシピだ。こごみの歯ごたえを楽しめる食べ方で、おかずはもちろんつまみとして味わうのもあり。こごみは水洗いして穂先から茎部分まで、5cm幅になるよう切る。鍋に水を入れて湯を沸かし、塩を加えてこごみを茹でる。
茹で時間の目安は3~5分ほどだ。茹であがったら冷水にとり水気をきる。最後に器に盛り付け、七味をかけたマヨネーズを添えれば完成だ。茹で加減は好みで構わないが、少し芯が残る程度を目安にすると、ほどよい歯ごたえとほのかな苦みを楽しめるだろう。
3. 水煮や乾燥こごみの美味しい食べ方
次にこごみの水煮や乾燥こごみの美味しい食べ方を紹介しよう。食べ方の前に、まず乾燥こごみの戻し方を解説する。天日で十分に乾燥させた乾燥こごみは、長期間保存できるのが特徴のひとつだ。戻し方は半日から一晩ほど水につけておき、鍋に入れて水から茹でる。湯が沸騰する直前に火を止めて水で冷やすが、このときに軽くもむこと。こごみをもむと調理するときに、ふっくらとやわらかく仕上がる。
再び水から茹でて湯が沸騰する直前に火を止め、かたければ再度水で冷やして水から茹でる作業を2~3回ほど繰り返す。こごみがやわらかくなったら、水で冷やさず湯に入れたまま冷ますこと。もうひとつの戻し方は先述したように半日から一晩ほど水につけておき、鍋に入れて70~80℃の湯をたっぷりと注ぎ入れ、ふたをして冷めるまでおく。こごみのかたさをみながら、同じ作業を2~3回ほど繰り返せばよい。
水煮や乾燥こごみの美味しい食べ方のひとつが、炒め煮だ。作り方は油揚げを熱湯にくぐらせて油抜きし、こごみに合わせて食べやすい大きさにカット。にんじんも食べやすい大きさに切る。鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、にんじんを加えて少ししんなりするまで炒めたら、出汁を加え、ふたをして弱火で5分ほど煮る。こごみと油揚げ、みりん、しょうゆを加えてふたをし、こごみがやわらかくなるまで3分ほど煮る。あとは器に盛り付ければ完成だ。
結論
春を代表する山菜のひとつである、こごみの食べ方を紹介した。天ぷらで食べたりマヨネーズで和えたり、炒め煮にしたり、バラエティー豊かな調理方法で味わえるこごみ。山菜になじみがない人も、紹介した方法でこごみを調理して味わってみてはいかがだろうか。
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