1. ピスタチオの食べ過ぎはNG

古来よりピスタチオは、阿月渾子(あげつこんし)という漢方として用いられてきた食材だ。文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、ピスタチオ100gあたりの主な栄養価は以下のとおり(※1)。
- エネルギー615kcal
- タンパク質:17.4g
- 脂質:56.1g
- 食物繊維:9.2g
- 炭水化物:20.9g
- ビタミンB2:0.24mg
- ビタミンB6:1.22mg
- カリウム:970mg
ピスタチオはタンパク質や食物繊維が多く含まれているのが特徴。食物繊維のなかでもとくに不溶性食物繊維が豊富であるため、腸内環境を整えてくれるだろう(※2)。さらに脂質も豊富で、腹持ちがよく、体重制限中のおかしとしても最適だ。
これだけ高い栄養素を備えているなら、ピスタチオを食べ過ぎるくらいがちょうどいいのでは、と思うかもしれない。しかし、ピスタチオは食べ過ぎると逆に身体に悪影響を与える。ピスタチオは食べ過ぎに注意しながら、味わってほしい。
これだけ高い栄養素を備えているなら、ピスタチオを食べ過ぎるくらいがちょうどいいのでは、と思うかもしれない。しかし、ピスタチオは食べ過ぎると逆に身体に悪影響を与える。ピスタチオは食べ過ぎに注意しながら、味わってほしい。
2. ピスタチオを食べ過ぎると起こる3つの危険

たとえば、ナッツ類を食べると鼻血が出やすくなるという噂もあるが、ピスタチオを食べ過ぎたことで起こる身体の変化はあるのだろうか。
消化不良や下痢
ナッツを食べたあとに、「気持ち悪い」「おなかが張る」といった、消化不良を起こした経験はないだろうか。元々ピスタチオには腸内環境を整え、便秘を予防する働きがあるため、逆にピスタチオを食べ過ぎてしまうと下痢になりやすくなるだろう。
また、ピスタチオは、スイーツの材料としても非常に人気がある。ケーキやクッキーに混ぜると非常に美味しいため、うっかり食べる量が増えてしまうことも消化不良を起こしやすくなる原因のひとつだろう。
また、ピスタチオは、スイーツの材料としても非常に人気がある。ケーキやクッキーに混ぜると非常に美味しいため、うっかり食べる量が増えてしまうことも消化不良を起こしやすくなる原因のひとつだろう。
肌荒れ
ピスタチオには脂質が多く含まれることから、食べ過ぎると過剰な脂質の分泌を招き、肌荒れやニキビの原因になりやすいだろう(※3)。
太る
ピスタチオは、カロリーや脂質が高いため、摂取量が多ければ太る原因となる。「夜遅い時間には食べない」「食べる分だけを皿にとりわける」など、食べ過ぎない工夫をしよう。
3. ピスタチオの食べ過ぎは死亡につながる?

ピスタチオを食べ過ぎると死亡するという噂がある。たしかにピスタチオを食べ過ぎると消化不良や下痢になりやすいが、死につながるほどの危険があるのだろうか。じつは、ピスタチオに含まれるカリウムという栄養素が、腎臓に持病がある場合にリスクになることがわかっている。腎臓疾患により、血液中のカリウムをうまく排出できないと、高カリウム血症になる可能性があるためだ。重症化すると、不整脈や心停止につながることから、カリウムを多く含むピスタチオを食べ過ぎると死亡の危険があるといわれている(※4)。
持病のある人はもちろん注意が必要であるが、そうでない人であっても、ピスタチオの食べ過ぎは禁物だ。ピスタチオを食べるときは、1日あたり30粒以内にしておこう。食べ過ぎてしまうのが心配であれば、殻付きのものにするとよい。殻をむく手間により食べるまでに時間がかかるため、お腹が満たされやすく、うっかり食べ過ぎてしまうことを防げるだろう。また、ピスタチオだけでなく、チョコレートやドライフルーツなどでかさ増しをして食べるのもおすすめだ。
結論
ピスタチオはナッツのなかでもとくに栄養価が高く、健康によいため、積極的に食べてほしい食材だ。しかし、栄養価が高いがゆえに、身体への刺激も強く、ピスタチオを食べ過ぎると、体調不良を引き起こす原因になりかねない。「1日に食べる量を守る」「体調が悪いときには食べない」など、注意が必要だ。ピスタチオは食べ過ぎなければ、健康にも美容にもよい食べ物だろう。ぜひ摂取量を守って、ピスタチオを味わってほしい。
(参考文献)
※1 日本食品標準成分表
※2 e-ヘルスネット
※3 公益社団法人日本皮膚科学会
※4 公益財団法人長寿科学振興財団
この記事もCheck!