1. 豚肉の部位や特徴

肩ロース
肩の部分の肉。赤身のなかに脂肪が入り豚肉の旨みやコクをしっかり味わえる。焼豚やソテー、煮込み料理に向いている。
バラ
あばら骨の周りの肉のこと。赤身肉と脂肪が交互に三層に重なっているため、別名三枚肉と呼ばれる。また、骨がついている豚バラ肉はスペアリブという。濃厚な脂身がありジューシーさが特徴だ。柔らかく歯切れもよいので食べやすい。
ロース
胸から腰にかけて背中の付近の肉のこと。赤身と脂肪のバランスもちょうどよく、柔らかさとしっとりさを兼ね備え、歯ごたえやボリューム感もある。ソテーやとんかつにして食べると美味しい。
もも
後ろ足の付け根の部分の肉。赤身肉が多く、脂肪が少ないので、いろいろな料理に合い、ロースト、ソテー、煮込み料理など使い方は多様だ。
ひき肉
食肉を細かく切ったり、すり潰した肉のこと。別名、ミンチとも呼ばれるが、ハンバーグやミートソースなどの加工品として使われたり、麻婆豆腐や餃子やキーマカレーなどの定番料理にも幅広く活用できる。
2. 豚肉の下処理方法その1.ドリップを抑える

ドリップとは、冷凍した豚肉を解凍するときに肉の内部から溶出する液体のこと。食肉を緩速凍結すると氷の結晶が大きくなり細胞組織を損傷する。それによって細胞内のタンパク質やビタミン、肉のエキスなどの成分が流出し、旨みが低下するため、冷凍方法には注意しよう。
かたまり
蒸し豚、茹で豚、焼豚などに使用する場合は、かたまり肉のまま冷凍する。解凍する場合は、煮込みや蒸したり茹でる場合は電子レンジで200Wで500gあたり4分前後加熱し、半解凍で調理する。焼豚やローストポークなどに使用する場合は、冷蔵庫で9時間前後自然解凍し、ドリップが出た部分は拭きとろう。
バラ
キッチンペーパーで表面の水分を拭き取り、ラップの上に肉が重ならないように並べて包む。冷凍用保存袋に入れると冷凍焼けを防げる。その後、ステンレスのトレーやアルミホイルの上に置くと急速冷凍が可能。解凍するときは電子レンジで200Wで50秒前後加熱し、様子を見ながら半解凍。凍ったまま調理しよう。脂肪が多く溶けやすいので注意。
薄切り
使用頻度の高い薄切り肉は食べやすい大きさにカットして小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する。ステンレスのトレーやアルミホイルの上に置くと急速冷凍できる。解凍するときは、電子レンジで200Wで80gあたり1分前後加熱して半解凍して調理しよう。
3. 豚肉の下処理方法その2.柔らかく仕上げよう

豚肉はたたいたり筋切り、漬け込みを行うことで口当たりもよくなる。柔らかく仕上げる方法を紹介しよう。
かたまり
筋が多い肉や硬い肉は柔らかくするために、包丁の背や肉たたきなどで叩いて繊維を潰すようにすると厚さも均一になり火の通りもよくなる。また、焼き時間も短くなり、ムラなく加熱できる。蒸す場合は水分を加えないため、栄養素の流出が少なく、もっちりした食感が生まれる。茹でる場合は焼いてから行うと旨みの流出を防げる。
バラ
豚バラ肉は脂が多いので、脂をしっかり落としてしまうと肉が固くなってしまう。そのため、調理をする前に塩こしょうをふって日本酒に20〜30分漬け込んでから焼くと旨みを閉じ込めながら柔らかく仕上げることができる。また、茹でると余分な脂が抜けるが、茹ですぎると栄養成分まで溶出してしまうので、煮汁まですべていただく煮込み料理はおすすめ。
薄切り
赤身肉と白い脂肪の間には半透明の筋が走っている。その筋の部分に包丁の刃先で数ヶ所切り込みを入れると肉の焼き縮みや反り返りを防げる。また、肉全体に切り込みを入れると柔らかくなる。茹でる場合は、酒や塩と一緒に茹でると臭みを抑えられる。蒸す場合は、生姜汁に漬け込んでから蒸すと柔らかく仕上がる。
結論
豚肉の下処理方法ではドリップを防いだり、柔らかくするポイントをおさえておくと、普段の豚肉をより美味しく食べることができるだろう。また、豚肉の部位によっても向いている料理や風味が引き立つメニューもあるので試してみよう。
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