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【レバー】は低温調理が可能!美味しく安全に食べるコツとは?

【レバー】は低温調理が可能!美味しく安全に食べるコツとは?

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 鈴木亜子(すずきあこ)

鉛筆アイコン 2021年5月10日

レバーを加熱調理したら、パサパサの食感になってしまったという経験はないだろうか。肉や魚を柔らかく仕上げる方法として、低温調理が注目されているが、レバーにも適用できる。ただし、気を付けないと食中毒を起こしてしまう危険性もある。そこで本記事では、レバーを美味しくかつ安全に食べるための低温調理の方法を紹介していく。

  

1. レバーを美味しく低温調理する方法

一般的な加熱調理の仕方では、高温になることで素材が凝縮し水分が流出するため、肉質が硬くなってしまいやすい。しかし、低温でじっくり加熱することにより、柔らかい食感をキープできるということが低温調理の最大のメリットだ。レバーのパサつきを防ぎ、しっとりふわふわとした食感に仕上げることができるのである。

レバーを上手に低温調理するコツ

低温調理を行う場合は温度を一定に保つ必要があるため、専用の調理器具を使用する方法が最も簡単だ。または、炊飯器で調理することも可能である。調理前にレバーの筋や脂肪を取り除き水洗いしよう。新鮮な鶏レバーは血を洗い流す程度でもよいが、牛や豚のレバーは臭みが強いため、さらに牛乳に漬け込むなどの下処理が必要だ。ポリ袋に下処理済みのレバーと調味料を入れて空気を抜いてから密閉し、温度設定した低温調理器に入れよう。

設定温度により仕上がりが変わる

低温調理の際に重要なのが設定温度だ。とくに牛レバーや豚肉(レバー含む)は、中心部を63℃で30分以上、もしくは75℃で1分以上加熱することが義務付けられている(※1)。また、鶏レバーに関しても同様の注意喚起が出ている(※2)。より温度を高く設定すれば安全性も高まるが、高温になるほど食感が損なわれやすくなる。合法な加熱時間を守りつつ加熱し過ぎにならないようにすることが、美味しく仕上げるコツだ。

2. 低温調理レバーの食中毒の危険性

低温調理を行う場合に、気を付けなければならないのが食中毒のリスクである。63℃で30分以上、または75℃で1分以上の加熱を守っているつもりでも、実際には中心部まで加熱されていないケースがあり、低温調理レバーによる食中毒が多発しているのだ。

カンピロバクター食中毒

レバーの低温調理による食中毒でとくに多いのが、カンピロバクター食中毒だ。下痢や腹痛、嘔吐、頭痛などが主な症状だが、乳幼児や高齢者など免疫力の弱い人は重症化する危険性もある(※2)。とくに鶏肉や鶏レバーの加熱不足で起こりやすいが、牛レバーや豚レバーでもリスクがあるため注意が必要だ。

原因と対処法

加熱不足になりやすい原因としては、レバーに厚みがあり中心部まで火が通っていない、水位が低くレバーが湯から出てしまっている、袋や低温調理器にレバーを入れ過ぎているなどが挙げられる。
熱を十分に行き渡らせるためには、袋にレバーを入れる際に厚みがある場合はカットすること、重ねて入れないことを心がけよう。また、レバーが水面から出てしまわないよう水量に気を付け、袋が浮かないよう重しをして加熱をするなどの工夫も大切だ。

3. 低温調理レバーが赤い血の色なのは失敗?

加熱不足にならないよう配慮して低温調理を行ったが、袋に残った液が血のような赤い色をしていることがある。一見生焼けのようだが、必ずしもそうとは限らない。

赤はミオグロビンという色素の色

食肉には「ミオグロビン」という色素タンパク成分が含まれており(※3)、血のように見える色はこの色素である可能性が高い。低温調理を行うと、ミオグロビンが褐色化しにくく赤い色素が残りやすいためである。

レバーの中心部が赤い場合

ただし、レバー自体の中心部が赤い場合は生焼けの可能性がある(※4)。低温調理の場合、食材の表面と中心部の色が同じであることが、十分に加熱されているか見分ける目安となる。そのため、レバーの中心部が血のような色の場合は再加熱してから食べよう。

4. 低温調理レバーの日持ちや保存方法

低温調理したレバーをすぐに食べない場合は、そのまま放置するのは傷みやすくなるためNGだ。レバー全体の温度がしっかり下がるよう、急冷することが日持ちさせるコツである。急冷しない場合は90分以内に食べきろう。

氷水で袋ごと急冷

低温調理レバーをしばらく保存したい場合は、そのまま冷蔵庫に入れるのではなく、ボウルなどに張った氷水に袋ごと漬けて温度を下げる。袋が浮いて氷水から出ないよう、しっかり沈めるのがポイントだ。

保存期間の目安

急冷したレバーは、冷蔵庫で3日ほど保存できるができるだけ早めに食べきろう。冷凍保存なら1ヶ月ほどが目安となる。フリーザーバッグで低温調理した場合は、急冷後そのまま冷凍できる。ポリ袋にレバーを入れて低温調理した場合は、ポリ袋ごとフリーザーバッグに入れ空気を抜いて密閉し、冷凍しよう。できるだけ早く温度を下げられるよう、金属製のバットにのせて冷凍するとよい。

結論

低温調理したレバーは食感がよく美味しい反面、加熱不足による食中毒の危険性には十分に注意を払う必要がある。定められた加熱温度や加熱時間を守るのは当然のこと、レバーの厚みや一度に加熱する量、低温調理器の水位などにも気を付けよう。
(参考文献)
※1出典:厚生労働省「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について」
※2出典:厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について」
※3出典:農林水産省「しっかり加熱調理したはずなのに、家で作ったハンバーグの肉が赤いのはなぜですか。肉に食品添加物が使われているのではないかと心配です。」
※4出典:農林水産省「お肉はしっかり火を通してから食べましょう」
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  • 更新日:

    2021年5月10日

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