1. 旬の時期にぜひ食べて!大阪の特産品水なすとは?

水なすは大阪府南部、泉州地方の特産品だ。水なす栽培の歴史は古く、江戸時代初期とされている。明治時代には泉州地域全体で盛んに生産されるようになり、現在では、大阪府を代表する特産品のひとつである。
水なすと普通のなすの違い
水なすは、みずみずしくほのかな甘みがあり、アクが少ないのが特徴だ。生で食べられるナスは全国的に見ても珍しい。皮が非常に薄いため傷付きやすく、育てるのに大量の水が必要なため、栽培の難しい品種である。
水なすの漬物は通販でも手に入る
ほかの品種に比べ傷みやすいため、元々は泉州地方のみで消費されていたが、流通の発達とともに浅漬けの状態で全国に流通するようになった。一般的には、出荷に適さないB級品が加工品になりがちだが、泉州水なすは見た目のよい高品質なものが漬物に加工される。漬物専門店「旬茄」の水なす漬は、選び抜かれた旬の水なすをこだわりの「天然天日塩」で塩もみし、熟成された糠床に漬け込んだものだ。素朴かつみずみずしい旬の水なすの美味しさを家庭でも存分に味わうことができる。「あかしや」では、水なす漬のほか、時期によっては生の水なすや水なすのアイスを販売している。
2. 泉州水なすの旬の時期はいつ頃?

泉州水なすは、露地栽培とハウス栽培がある。1年を通して味わうことができるが、旬はいつ頃なのだろうか。
水なすの時期は栽培方法で異なる
泉州水なすの旬は、栽培方法によって異なる。露地栽培の水なすは5~11月に出荷される。とくに6~8月は収穫量が多く旬の味が楽しめる。ビニールハウスを使わない屋外での栽培のため雨風の影響を受け、キズがつきやすい。太陽光を直接浴びるため種が多く、皮の紺色が濃いのも特徴だ。
暖房を使わない無加温式ハウス栽培の水なすの出荷時期は、3~8月頃だ。ハウス栽培の水なすは、露地栽培よりも少し早い4月頃から旬を迎える。加温式のハウス栽培の水なすは、10~6月に出荷の時期を迎えるが、暖房費用により生産コストがかかり需要も少ないため、全体の生産量の中では割合が少ない。ハウス栽培の水なすは露地栽培の水なすよりさらに皮が柔らかく、葉がすれただけで大きな傷がつくほど繊細だ。店頭に並ぶ水なすの栽培方法まで確認するのは難しいが、無加温式ハウス栽培の割合が最も多いことを考えると、5~6月頃のものが最も皮が柔らかく、旬のものといえるだろう。
3. 旬の水なすは鮮度が大事!選び方のポイントと保存方法

旬を迎えると店頭にはたくさんの生の水なすが並ぶ。旬の水なすの中から鮮度のよいものを選ぶためのポイントと、おすすめの保存方法を紹介しよう。
水なすを選ぶポイント
旬を迎えた水なすは、水分を多く含んでいるため皮にツヤがある。実は、はち切れんばかりのパンパンなものを選ぼう。新鮮な水なすは、ヘタの切り口が鮮やかな緑色だ。収穫から時間が経つほど切り口の色は黒ずんでいく。ヘタのとげは、できるだけ鋭いものを選びたい。
水なすの保存は温度と湿度がカギ
生の水なすを保存する適温は10~12℃だ。それ以下の温度になると、低温障害になり見た目が茶色く、食感がぶよぶよになってしまう。季節によって常温保存と冷蔵保管を使い分けよう。冷蔵庫に入れる際は野菜室での保存がおすすめだ。冷蔵庫に入れたなすの皮にシワが出ていたことはないだろうか。表面のシワは水分が蒸発してしまったのが原因だ。水なすは普通のなすに比べて水分量が多いうえに、皮が薄いので、保存の際は湿度の管理も重要だ。ラップで水なすを包み、さらに新聞紙で包むと、水分が抜けるのを防ぐことができる。1週間を目安に食べきるようにしよう。
冷凍保存すると、旬の水なすの魅力である食感が損なわれてしまうため、生食にはおすすめできない。煮る、炒めるなどの加熱調理用として活用しよう。使いやすい大きさにカットしたら、空気に触れないようジッパータイプのポリ袋に入れて保存しよう。アク抜きは必要ない。素揚げしてから冷凍保存すれば、味噌汁の具材に使いやすい。
結論
大阪府泉州地方の特産品水なすについて紹介した。水なすは漬物のイメージが強いが、サラダや刺身など生で食べられる貴重な品種だ。旬を迎える初夏以降は、店頭で生の水なすを目にすることも増えるだろう。水なすを家庭で味わう際の参考にしてほしい。
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