1. カンジャンケジャンとはどんな食べ物?

カンジャンとは醤油を、そしてケジャンはワタリガニを漬け込みダレに漬けて熟成させたものを指す言葉である。つまり、カンジャンケジャンとは、ワタリガニの醤油漬けを意味するのだ。
韓国西海岸にあるソサン近海がワタリガニの産地であり、韓国ではカンジャンケジャンの専門店もあるほどである。その味はワタリガニのもつ濃厚な味わいと、にんにくや生姜と一緒に漬けた醤油ダレが絶妙にマッチしており、ごはんがどんどん進むことから「ごはん泥棒」の異名をもつほどなのだ。
韓国料理というと辛いのではと心配になるかもしれないが、カンジャンケジャンは醤油ダレに漬けた料理であることから辛さは全くない。反対に辛いワタリガニの醤油漬けもある。こちらはヤンニョムケジャンといい、唐辛子の入った真っ赤なソースに漬け込まれている食べ物である。
2. カンジャンケジャンはあたる?食中毒の危険性

カンジャンケジャンは生のワタリガニを醤油ダレに漬け込む料理であることから、じつは食中毒になる危険性もあるのだ。
これは主にウエステルマン肺中虫という寄生虫によるものである。この寄生虫は食物を介し人間の体内に入ると肺や胸腔に寄生し、胸痛や血痰、咳などの呼吸症状を引き起こすほか、脳などの臓器にも寄生することがあるため、生のカニを使用している場合はリスクの高い料理といえるだろう。
しかし、この寄生虫は冷凍することで感染性がなくなることが知られていることから、冷凍したカンジャンケジャンであれば、この心配はない。
そのため、日本では基本的に冷凍されたワタリガニを使用しており、また、輸入されたワタリガニの場合も基本的には冷凍されているため感染の心配はないといえる。
3. カンジャンケジャンの作り方と食べ方

カンジャンケジャンを自宅で作ってみたい人のために、その作り方を紹介しよう。ワタリガニはできるだけ新鮮な物を選び、基本的にメスを使用する。ただし、夏の時期はメスの身はスカスカであり、逆にオスは旬であることからオスのワタリガニを使用するのがおすすめである。
ワタリガニはブラシなどを使用して擦り洗いし、甲羅の裏や足の付け根の汚れを落としておく。次に水、醤油、みりん、酒、昆布を鍋に入れてひと煮立ちさせ、冷めたら玉ねぎ、長ネギ、にんにく、しょうがを入れたタレにワタリガニを漬け込み、冷蔵庫で3日ほど熟成させるのだ。
食べるときは甲羅をはずしてエラを取り除き、本体を半分に割ると食べやすい。そしてカニみそは甲羅にごはんを入れ、醤油ダレと混ぜて食べると絶品である。
4. カンジャンケジャンのおすすめ通販

ワタリガニ自体の流通量が多くないため、カンジャンケジャンを自分で調理するのは難しいと感じる人には通販で購入することをおすすめしたい。いくつか紹介しておこう。
株式会社GREEN LIGHT コルモクケジャン日本
材料のワタリガニと醤油を韓国から輸入し、日本で手作りしている。さらにワタリガニは子持ちのメスだけを使用しているので、当たりはずれがない。
株式会社信濃
特製の醤油ソースを使用し、身がしっかり入ったオスだけを使っているのが特徴である。ただし、カニみそは入っていない。
TANBI株式会社
新大久保で20年以上韓国海鮮専門店として親しまれており、国産ワタリガニのメスのみを使用している商品である。
結論
カンジャンケジャンは生のワタリガニを醤油漬けにしたものであり、韓国ではごはん泥棒の異名をもつ食べ物だ。寄生虫による食中毒の情報もあるが、基本的に日本国内で食べる場合は過剰な心配は不要である。日本ではワタリガニの流通量は多くないため、まずは通販で購入して食べてみることをおすすめしたい。
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