1. イタリアのドルチェ・ティラミスの意味とは

ティラミスはイタリア発祥であることから、ティラミスという言葉は、もちろんイタリア語である。ドルチェは甘い、やさしい、やわらかいなどを意味しており、料理用語としては、甘い食べ物やデザートをドルチェと呼ぶのだ。ほかには、音楽用語でもあり、「やさしくやわらかに」という意味がある。さらに、イタリアでは女性へのほめ言葉としても使われるのである。
ティラミスはイタリア語で「Tiramisù」と書く。ヴェネツィアなどの地域では「Tiramesù」と書くこともある。英語でもTiramisuと書くため、ほぼ同様なのである。
そして、このTiramisùという言葉は、「Tira」・「mi」・「sù」と3つの言葉にわかれるのだ。「Tira」は引っ張って、「mi」には私を、そして「sù」は上へという言葉であることから、「私を上に引っ張って」となる。つまり「私を励まして」や「私を元気づけて」という意味をもつデザートなのである。
2. ティラミスと天国の関係は?下ネタといわれる意味

ティラミスには、単に元気づけてという意味だけでなく、実は隠された意味がある。引っ張り上げてや元気づけてだと、何か重いものでも運びたくて困っていたり、落ち込んで元気がないなどの様子を思い浮かべるが、そうではない。
1800年代、売春宿の女性オーナーが夜の終わりに、男性客にサービスでティラミスを提供していたのがはじまりといわれている。客人の気力を回復させたり、夫婦間の問題を少しでも軽減させるためにこの甘いデザートが考えられた。女性オーナーは客人が帰る際に、「これであなたを引きあげてあげるわ」といってティラミスを渡していたのが、この名前の由来になったといわれている。
また、男性自身を元気にするという意味も含まれていることから、精力増強剤としても食べられていたのだという。ちなみに、日本で夜のお菓子といえば静岡県、浜名湖を代表する銘菓のうなぎパイがある。こちらはうなぎが高たんぱく、高ビタミン、高ミネラルであることから滋養強壮、精力アップのイメージがありそのように誤解されているが、元々は夜に家族団らんで食べてほしいという製造元の思いから命名されたもので、本来はティラミスのような意味ではないのである。
3. ティラミスの材料の意味

ティラミスの発祥は近代であるが、古くより卵や砂糖が滋養強壮剤として食べられていたことから夜のデザートを意味するようになったといわれている。そして、現在でもイタリアには、子どもたちが生卵に砂糖や牛乳、ココアなどを混ぜて食べる習慣があるのだ。
卵は、古代エジプトでは紀元前1500年頃から食べられてきた歴史がある。生卵といえば、映画「ロッキー」で生卵を飲むシーンが有名であるが、良質なたんぱく質や脂質、ビタミン、カルシウムやリンなどのミネラルを多く含むことから、卵は完全栄養食品といわれ、精がつく食べ物とされてきたのだ。
日本へは紀元前100年頃に朝鮮半島から伝わったといわれているが、一般に食べられるようになったのは江戸時代に入ってからである。また、砂糖についても中世ヨーロッパでは、病気による衰弱に効果があるといわれ、薬として用いられていた歴史がある。同様に日本でも奈良時代に中国から伝わり、とても貴重な物で薬として扱われてきたのである。
結論
イタリア発祥であるティラミスは、元々は精力増強剤としての意味合いをもつ、夜のデザートであった。普段何気なく食べているデザートであるが、このような意味をもつことから、気になる男性と食事をする際のデザートとしてティラミスを頼むと、距離を縮めるきっかけによいかもしれない。
この記事もCheck!