1. サヨリの透き通った身は寿司ネタにぴったり

サヨリは高級魚なので、市場に出回りにくい。そのため、寿司屋でもなかなか見ることがないネタだ。ここでは、寿司ネタにぴったりのサヨリがどのような魚なのかも併せて紹介する。
サヨリってどんな魚?
サヨリは春と秋冬に旬を迎える魚だ。しかし、3~5月の春のイメージが強いことから春告魚として知られている。北海道から九州までの広い地域で生息している魚だが、あまり獲れないため現在は高級魚となっている。しかし、東京湾でも獲ることができたため、昔は江戸前寿司のネタとして親しまれていた。サヨリは白身魚の1つで、身が透き通っているのが特徴だ。捌いた身は非常に美しいため、そのまま寿司ネタにしたり刺身にしたりするのがおすすめだ。ちなみに、サヨリは皮がきらきらと光る美しい魚だが、内臓は黒い。そのため、腹黒い人を指すときの比喩表現として使われることもある。
サヨリの寿司の味は?
サヨリは脂が少なく、味わいは淡白だ。現在は脂がのった魚が好まれるため、脂が少ないと聞くと美味しくなさそうと思うかもしれないが、クセがないため食べやすい。酢飯との相性もバツグンだ。江戸前寿司で食べられていたときは、コハダやサバといった魚と同じように酢じめにしていた。しかし、現代では酢じめにせず生のまま寿司ネタにすることが多い。
2. サヨリの寿司のカロリーと塩分

サヨリは脂が少なくヘルシーな魚だ。しかし、寿司となるとごはんのカロリーも含むため、食べ過ぎには注意が必要だ。ここでは、サヨリの寿司のカロリーと塩分をほかの寿司ネタと比較しながら紹介する。
サヨリの寿司は低カロリー
サヨリの寿司のカロリーを知るためには寿司飯、つまりごはんとサヨリのカロリーをそれぞれ知る必要がある。まずごはんのカロリーから見てみよう。寿司1貫に使うごはんの量を20gとすると、カロリーは約33kcal(※)となる。次にサヨリのカロリーだが、寿司ネタに使う量を10gとするとカロリーは約9kcal(※)だ。つまり、サヨリの寿司のカロリーは約42kcalとなる。ちなみに、1貫の寿司飯の量やネタの大きさなどは店によって異なるため、あくまでも参考としてみてほしい。サヨリ以外のおもな寿司ネタのカロリーは以下の通りとなる(※)。
マグロ(クロマグロ)10g 約12kcal
マグロ(ビンナガマグロ)10g 約11kcal
ハマチ(養殖)10g 約20kcal
マグロ(ビンナガマグロ)10g 約11kcal
ハマチ(養殖)10g 約20kcal
寿司ネタで使う魚の量は10g程度と少ないため、寿司ネタで比較するとカロリーの差は分かりにくい。しかし、1貫当たりの差が2~3kcalでも10貫食べれば、20~30kcalの差となる。カロリーを抑えたい場合は、サヨリなど低カロリーな魚も組み合わせるのがよさそうだ。
サヨリの寿司は塩分が多い?
サヨリは白身魚だが、皮が光っているため「光もの」のネタといわれる。光ものにはアジやサバ、コハダなどが含まれる。光もののネタを寿司にするときは、酢じめにして食べられることが多い。「酢じめ」といえど塩漬けと酢漬けの両方を行うため、食べる際に塩は水で洗い流すとはいえ生魚の寿司ネタよりも含まれる塩分は多くなる。しかし、最近ではサヨリも生のまま食べることが多いため、酢じめの寿司よりは塩分は控えめであるといえるだろう。
3. サヨリの寿司の作り方

サヨリの寿司は寿司屋でも見かけることがない。どうしてもサヨリの寿司を堪能したいならば、サヨリを購入して自分で寿司を握ってみよう。寿司を作るためにはサヨリを捌く、寿司ネタの大きさに切る、酢飯と一緒に握るといった手順が必要だ。少し大変だがやってみる価値はある。
サヨリの捌き方
まずはサヨリを3枚おろしにする。頭と腹びれを切り落としたら、腹に切り込みを入れる。切り込みから内臓を取り出し、水洗いする。再び腹側から中骨に沿って包丁を入れる。サヨリは細長い魚であるため、腹側から包丁を入れるだけで、おろすことができる。反対側も同様におろせば3枚におろせる。おろしたサヨリを食べやすい大きさに切れば、寿司ネタの完成だ。
サヨリは昆布締めにするのもおすすめ
そのままでも美味しいが、昆布じめにすると昆布の旨みが加わり、より美味しくなる。3枚におろしたサヨリを塩水で軽く洗い、水気をきる。昆布でサヨリを包んだら冷蔵庫に入れて寝かせる。30分寝かせるだけでも十分だが、半日寝かせるとよりしっかりと昆布の風味がしみ込む。昆布を取り除き、適当な大きさに切れば完成だ。
サヨリの寿司を握る
寿司を握るときにポイントとなるのが、寿司ネタとシャリのバランス、シャリの硬さだ。寿司ネタとシャリのバランスだが、先にサヨリを切り、その大きさに合わせてシャリの大きさを調整するのがおすすめだ。シャリの硬さだが、サヨリをのせてから再び握ると硬くなりすぎてしまう。サヨリをのせたあとはなるべく握らないようにしよう。
結論
高級魚として知られているサヨリは、東京湾でも多く獲れたことから江戸前寿司のネタとして昔から親しまれていた。最近では寿司ネタとして見かける機会も少なくなったが、クセのない上品な味わいを楽しめる。酢じめにして食べられるのが一般的だったサヨリだが、最近はそのまま食べることが多く、塩分控えめでも味わえる美味しい魚だ。
(参考文献)
※ 文部科学省「日本標準食品成分表2015年版(七訂)」
水稲めし/精白米/うるち米
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01088_7
さより/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10170_7
まぐろ/くろまぐろ/赤身、生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10253_7
まぐろ/びんなが/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10255_6&MODE=0
ぶり/はまち/養殖/皮なし、刺身
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10411_7
※ 文部科学省「日本標準食品成分表2015年版(七訂)」
水稲めし/精白米/うるち米
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01088_7
さより/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10170_7
まぐろ/くろまぐろ/赤身、生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10253_7
まぐろ/びんなが/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10255_6&MODE=0
ぶり/はまち/養殖/皮なし、刺身
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10411_7