1. きびなごとは?名前の由来や別名

きびなごとは年間を通じて水揚げされている魚だ。その名前の由来とは?
きびなごの名前の由来
名前の由来は諸説あるが、吉備地方でよく獲れていたからという説がある。また鹿児島では帯を「きび」と呼ぶため、身体に帯をもつ小魚、すなわち「きびなご」と名付けたという説がある。
きびなごの別名
九州では「きびな」、沖縄では「するる」、西日本では「こおなご」と呼ばれることがある。
きびなごは出世魚なのか
出世魚とは成長に伴い、名前が変わる魚のことだ。成長に伴い姿と味が変わるため、名前も変化する。ではきびなごは出世魚なのだろうか。先述したようにきびなごは大きいものでも全長10cmくらいで、それ以上は成長しないため、出世魚ではないようだ。
2. 魚のきびなごとは?味や特徴

きびなごとは、生でも焼いても揚げても美味しい魚だ。では見ための特徴や味は?
きびなごの特徴
きびなごは身体が銀色で、中央に色あざやかな青色の帯をもつ魚だ。産卵期である春から夏にかけての時期に、沿岸に近づいて入江や内湾のような波の静かな場所で産卵する。産卵後は1週間ほどでふ化し、幼魚になると沿岸の浅瀬で動物性プランクトンを食べながら成長する。
きびなごの味
きびなごの味の特徴は淡白で上品である。
きびなごに含まれる栄養
きびなごに含まれる栄養のひとつである脂質には多価不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが含まれる。100gあたりに含まれるカルシウムの量は鮮魚で100mg、干物で1,400mgと多くなり、カルシウムの供給源となる(※)。
3. 魚のきびなごとは?旬や産地

きびなごとは小魚だが、輝いていて美しいところが特徴のひとつだ。では旬の時期やおもな産地とは?
きびなごの旬
先述したようにきびなごは年間を通して獲れる魚だ。春先は産卵の時期で、子持ちのきびなごが水揚げされる。逆に秋は産卵期ではなく、身に脂がのって身がしまる。そのため、時期により違う味を楽しめるのが、きびなごの特徴のひとつだ。
きびなごの産地
きびなごのおもな産地は高知県や鹿児島県、長崎県の五島地方だ。
きびなごの選び方
きびなごは鮮度の落ちが早いことで知られている魚だ。さわってみて張りのあるもの、銀色があざやかなものを選ぶとよい。
4. きびなごとは?いかなごと何が違う?

きびなごとは、お土産品としても人気を集めている魚だ。最後にきびなごと見ためが似ている、いかなごとの違いや見分け方を解説しよう。
きびなごといかなごの違い
きびなごと姿が似ているいかなご。どちらも同じような見ためだが、先述したようにきびなごの体長は10cmくらいで、いかなごは20cm程度だ。きびなごの体表には青色の帯が伸びているが、いかなごにはそのように目立った特徴はない。また流通している姿や味にも違いがあり、いかなごは鮮魚として流通することが少なく、しらす干しやくぎ煮のような加工品として販売されることが多い。魚としての味わいはあまりよくない、いかなごに対しきびなごはいわしの一種であり、傷むのは早いが、水揚げされる産地では人気の高い魚だ。食用としていろいろな活用法があり、いかなごを影の存在とたとえるなら、きびなごは表の存在といえるだろう。きびなごもいかなごも小魚という枠組みでは共通しているが、消費の仕方は全くといっていいくらい違いがある。
結論
きびなごとは小魚ながらも旨みが詰まった魚だ。先述したように鹿児島県や高知県の郷土料理として知られており、鹿児島では刺身として高知では米の代わりにおからを使い「ほおかぶり」として食べられている。機会があれば銀色に輝いて美しいきびなごを味わってみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※ 文部科学省 食品成分データベース
きびなご(生)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10111_7
きびなご(調味干し)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10112_7
※ 文部科学省 食品成分データベース
きびなご(生)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10111_7
きびなご(調味干し)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10112_7