1. ラム肉とは?

ラム肉という言葉はよく耳にするが、ラム肉とはなにを指すのだろうか。ラム肉は羊の肉であり、とくに生後1年未満の子羊の肉を表す言葉である。日本ではあまり一般的な肉ではないが、羊肉をよく食する西洋では各国でラム肉の定義が異なることもある。永久歯が生える前の羊を指したり、草は食まず母乳だけで育っている状態の子羊を指す場合もある。そのため肉質が柔らかく、ミルクを思わせる香りもある。西洋では復活祭などに食される高級な食材としても有名である。
マトンとの違い
羊肉を表す言葉には、ラム肉のほかにマトンが挙げられる。マトンはラム肉と対比をなすように、成羊の肉を指すのである。マトンはラム肉よりも肉質が引き締まり、よりコクがあるとされている。羊肉の特徴をより凝縮した風味を特徴としているのである。
2. ラム肉のカロリーや栄養

赤身の肉のひとつラム肉は、どのくらいのカロリーでどのような栄養が含まれているのだろうか。一見するとカロリーは高そうで、体重を気にする人は躊躇するイメージがあるが実際はどうか。生の状態と焼いた状態で、それぞれのカロリーや栄養がどうなるのか紹介する。
生のラム肉のカロリー
ラム肉のももの部分とロース肉のカロリーを見てみよう。生の状態であれば、以下のようになる。ももとロースのカロリーの相違は顕著である(※1)。
ラム肉100gあたりのカロリー(生)
もも 164 カロリー(kcal)
ロース 287 カロリー(kcal)
ロース 287 カロリー(kcal)
焼いたラム肉のカロリー
ラム肉を焼いた状態のカロリーはどうだろう。実際に食する際にはこちらの数値が気になるところである。こちらも、ももとロース双方のカロリーとなる(※2)。
ラム肉100gあたりのカロリー(焼いた状態)
もも 267 カロリー(kcal)
ロース 358 カロリー(kcal)
ロース 358 カロリー(kcal)
牛肉と比較すると、和牛のもも肉(脂身つき・生)が235kcal/100g、肩ロース(脂身つき・生)が380kcal/100gである(※3)。もも肉に関してはラム肉のほうが牛肉に比べてわずかにカロリーが高いが、ロース肉は牛肉のほうが高いということになる。
ラム肉の栄養
ラム肉にはどのような栄養が含まれているのだろうか。まず、たんぱく質をはじめ、亜鉛、鉄などのミネラル類が豊富である。また、ビタミンB群やビタミンKなどの量も特筆すべき栄養であり、バランスのとれた食材といえるだろう(※1)。高タンパクであるため、上手に活用すれば体重管理の一助ともなる。
3. ラム肉の美味しい焼き方

ラム肉は日常的に使い慣れた食材とはいいがたい人がほとんどだろう。牛肉と同じように赤肉ながら、ラム肉だからこそ注意する点はあるのだろうか。ラム肉を調理する場合の焼き加減など、基本を紹介する。
焼き加減はレアでも大丈夫?
ラム肉はほかの肉同様、部位によって食味が異なる。基本的にレアの焼き加減では問題ないものの、注意点はある。たとえば、外側は十分に焼き色を付けてカリッと仕上げるのがコツである。また、焼きすぎてしまうと肉が固くなってしまうこともある。とくに高級とされているヒレやロースは焼き加減に注意しよう。料理初心者は、オーブンを使うとより簡単である。
美味しい焼き加減は?
美味しいラム肉の特徴は、焼きあがり時の内部のローズ色である。ラム肉ならではのこのローズ色を出すためには、調理の30分ほど前に冷蔵庫から取り出しておくことからはじめよう。冷えすぎていると、調理時に焼きムラが出るためである。脂分が多い部位であれば、ラム肉から出る脂でじっくりと焼きあげるとよいだろう。指で押したときに弾力を感じる程度が、ほどよい焼き加減の目印のひとつである。また、固まりの肉の場合は焼いたあともアルミホイルなどで包み、余熱で再び火を通すイメージにするとより美味しくなる。
4. ラム肉の臭みの消し方

ラム肉の好き嫌いが分かれる理由のひとつに、その独特のにおいがある。ラム肉を調理する場合は、香草などを使ってそれに対処するケースが多い。そのにおいは、羊が草をはむことから生まれる化学反応のひとつとされている。一般的に、マトンよりもラム肉のほうがそのにおいは強くない。とくにラム肉の脂身にはそのにおいが強いため、気になる場合は脂の部分を除去するという手がある。また、ラム肉を調理する際にはローズマリーを使用することが多い。さらに、ローリエやサルビアなど身近にある香草を駆使すると、ラム肉の臭みを軽減してくれるだけではなく、料理全体が洗練された趣になる。
5. ラム肉の美味しい食べ方

ラム肉を料理する場合、どんな調理法ならばより美味しく食べることができるだろうか。ラム肉に苦手意識のある人や初心者にも向くレシピは存在するのだろうか。ラム肉の特徴を生かした美味しい料理法のアイデアを紹介する。
ラム肉カレー
ラム肉初心者や苦手意識のある人におすすめなのがカレーである。カレーのスパイスによってその臭みが軽減されて、ラム肉独特のジューシーな味わいを堪能できるからである。時間に余裕があるのならば、ラム肉にスパイスやヨーグルトをまぶして下味を付けておくとよりコクのあるカレーになる。白飯とだけではなくナンとともに食べても美味しい。
ラムチョップステーキ
ラム肉の王道の食べ方としては、あばら肉であるラムチョップのステーキであろう。ニンニクの香りを出したオリーブオイルで、常温に戻したラム肉をこんがり焼いてみよう。ラム肉から脂分が大量に出てきた場合は、キッチンペーパーなどでふき取るとよい。焼きあがった肉はアルミホイルなどをかぶせて余熱が行き渡るようにし、肉汁は料理用のワインを加えてソースにする。濃厚な赤ワインのおとももってこいの一皿となる。
結論
ラム肉は子羊の肉であり、日本の食卓には登場することが多くない。その独特の香りは好き嫌いが分かれるが、西洋では子羊の肉であるラム肉は大変愛されている。栄養学的に見てもミネラルやビタミンを含んでいる。香草などを使って食べ慣れると、やみつきになるかもしれない。美味しい調理法を会得して、自宅でレストラン級のラム肉を楽しんでみてほしい。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(肉類・畜肉類・めんよう・ラム・生)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11202_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11203_7
2.文部科学省「食品成分データベース(肉類・畜肉類・めんよう・ラム・焼き)」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11282_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11283_7
3.文部科学省「食品成分データベース」
肉類/<畜肉類>/うし/[和牛肉]/もも/脂身つき/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11019_7
肉類/<畜肉類>/うし/[和牛肉]/かたロース/脂身つき/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11008_7
1.文部科学省「食品成分データベース(肉類・畜肉類・めんよう・ラム・生)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11202_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11203_7
2.文部科学省「食品成分データベース(肉類・畜肉類・めんよう・ラム・焼き)」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11282_7
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11283_7
3.文部科学省「食品成分データベース」
肉類/<畜肉類>/うし/[和牛肉]/もも/脂身つき/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11019_7
肉類/<畜肉類>/うし/[和牛肉]/かたロース/脂身つき/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11008_7
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