1. 豆腐を水切りする理由

豆腐料理に、頻繁に登場する水切り。これは、料理を美味しく仕上げるために欠かすことのできない下ごしらえのひとつである。なぜ水切りをすべきなのか?その3つの理由を解説しよう。
水っぽさ回避
豆腐は、その内容量の90%が水分といわれている。このため、水切りを使用せずに料理に使うと時間とともに水分が出てきてしまう。結果、ベチャッとしたり、水っぽくなったり、味が薄まるなど、料理の美味しさが半減する危険性があるのだ。
型崩れ回避
そもそも豆腐は、崩れやすい食品である。水分が多く含まれた状態だと、なおさら崩れやすい。豆腐ステーキや煮豆腐など、形が崩れては台無しになってしまう料理においては、水切りは必須といえよう。
味わい向上
前述の通り、豆腐は水分が多い。このため、水分を抜くことで味わいがより濃厚になり、大豆の味を感じられるようになる。また、水分を抜くとその分、調味料が入る隙間が生まれることにもなるので、味がしみやすくもなるようだ。
2. 重しを使って豆腐を水切りする方法

豆腐の水切りのやり方でもっともスタンダードなものは、重しを使ったもので簡単2ステップで完了だ。しかも、重しの重さと放置時間で水切りの具合を調節できるので、どんな料理にも応用することができる。
【用意するもの】
豆腐
キッチンペーパー
バットや皿 2枚
豆腐と同じくらいの大きさの容器(水を入れておく)
豆腐
キッチンペーパー
バットや皿 2枚
豆腐と同じくらいの大きさの容器(水を入れておく)
豆腐をキッチンペーパーで包む
豆腐をパックから取り出し、キッチンペーパーで包み、平らな皿やバットにのせる。キッチンペーパーが出てきた水分を吸い込んでくれるので、二重にするといい。下に網を敷いておくとより効果的だ。
重しを置いて放置する
重しになるような皿、バットなどをのせる。目安は、豆腐の2倍くらいの重さになるものだが、いくつか重ねればいいので、1つでそのような重さにする必要はない。豆腐のすぐ上にのせるものは、なるべく平たいものがいい。その上に豆腐と水を入れた容器をのせよう。もしちょうどいい容器がなければ、普段使っている器などを重ねてもいいだろう。
重しを使った水切りのポイント
ポイントは、豆腐に均一に力が加わるように重しをのせること。白和えの衣など、しっとり感を残したい場合は30分、揚げ出し豆腐などは60分〜冷蔵庫に一晩置いてもいい。冬場をのぞいては、常温で行うと腐敗の心配があるので、冷蔵庫に入れて水切りをするといいだろう。
3. 茹でて水切りする方法

次に紹介するのは、茹でて水切りするやり方だ。こちらは、風味も一緒に抜けやすいので、しっかりと味付けをする料理に向いている。麻婆豆腐など、中華料理はこの方法を用いることが多い。ゴーヤーチャンプルーなどもいいだろう。ただ、冷やして食べる料理には向いていない。こちらも2ステップと簡単だ。
【用意するもの】
豆腐
キッチンペーパー
鍋
水
豆腐
キッチンペーパー
鍋
水
沸騰させた水に豆腐を入れ、茹でる
鍋にたっぷりとお湯を沸かす。豆腐がしっかりと浸かる湯量が目安なので、量や大きさにもよるが市販の豆腐なら1Lくらいあるといい。お湯が沸いたら、豆腐を入れ、弱火にする。
ざるにあげ、キッチンペーパーに包む
ぐらぐらしている状態で5分茹で、ザルにあげる。さらにキッチンペーパーで包み、20分ほど、平らな皿やバットにのせておく。
4. レンジで水切りする方法

電子レンジでの水切りは、洗い物が少なくて楽ちんだ。しかも、3つのやり方のなかでは、もっとも時短になるテクニックだ。電子レンジの機種によっても異なるので、はじめは様子を見ながら行うといい。また、この方法だと豆腐に穴が開くことがある。豆腐ハンバーグやそぼろなど、崩して食べるのに向いている方法といえそうだ。
【用意するもの】
豆腐
キッチンペーパー
電子レンジ
豆腐
キッチンペーパー
電子レンジ
豆腐をキッチンペーパーで包み、耐熱容器に入れる
このときもキッチンペーパーは、二重にすると安心。耐熱容器に入れて、ラップはなしで加熱していく。
電子レンジで加熱する
目安は、木綿豆腐1丁300~400gにつき、500Wで2〜3分。様子を見ながら、加熱していく。
冷まして水気をふき取る
キッチンペーパーの全面が濡れていることを確認し、電子レンジから出して、粗熱を取る。手で触れるようになったら、キッチンペーパーを外し、新しいキッチンペーパーで表面の水分を拭き取る。さらにしっかり水切りしたい場合は、電子レンジから出したところで、キッチンペーパーを取り替えて、重しをするといい。
5. 豆腐の水切りのコツ

豆腐は、大まかに木綿と絹に分けることができる。上記のやり方は、基本的に木綿豆腐。絹豆腐はさらに水分が多いので、上記の時間よりやや長めに行うといい。絹豆腐はより、崩れやすいのでその点にも注意しよう。
重し・茹でる・電子レンジの使い分け
使い分けのポイントは、優先順位がどこにあるのかということで決まってくる。形をしっかりと保持し、好みの具合に水切りがしたいという場合は、重し。とにかく、時短が優先という場合は、電子レンジ。温かい料理かつ、味をしっかりとしみ込ませたい場合は、茹でる。
これを基準に上手に使い分けを行おう。
時短する方法は?
重し・茹でる・電子レンジ、どの場合もより時短を意識するならば、カットしてから水切りするといい。こうすることで、断面が増えるので、水分が出やすいのだ。重しや電子レンジの場合は、半分、または厚みを薄くするくらいでOK。茹でる場合は、使う大きさに切ってから茹でると楽である。
キッチンペーパーがないときはどうすればいい?
水切りに欠かせないキッチンペーパーだが、ない場合は、清潔な布巾やさらしを使うのが正解だ。電子レンジで行う場合は、ペーパーを巻かずにレンジにかけて、ザルにあげればOKだ。
結論
豆腐は、水分がほとんど。ゆえに水切りをしないと味がぼやけてしまったり、型崩れの原因になる。冷奴や味噌汁に入れる際も、さっと表面を拭き取るだけで、味わいに違いが出るので試してみるといいだろう。基本の重しを使う方法、味をしみ込ませる茹でる方法、時短の電子レンジを使う方法とそれぞれのメリットを熟知して、上手に使い分けたい。
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