目次
1. コンソメキューブとはどんなもの?

まずは、コンソメキューブの定義について見てみよう。コンソメという言葉はよく耳にするが、実際にはどのようなものを指すのだろうか。コンソメはフランス語で「consomme」と書く。その意味するところは「完璧な」という形容詞である。料理としてのコンソメは、脂身の少ない赤肉とセロリやにんじんを煮詰めて作る澄んだスープのことである。スープとして使用するだけではなく、煮込み料理の調味料としても使用することが多い。
コンソメキューブと粉末の違い
コンソメの素には、本記事のテーマとなっているキューブタイプと粉末タイプが存在する。キューブタイプのメリットは、使い切りであるためコンソメの劣化が起きにくい点にある。ただし、量の調節という点ではデメリットとなる。粉末のコンソメは、使いたい量だけ使用できるのが長所であるが、一度開封すると劣化が早いのが短所なのである。
コンソメキューブとブイヨンの違い
それでは、よく耳にするブイヨンとコンソメの違いはなんだろうか。ブイヨンは、フランス語で沸騰することを意味するbouillirに語源をもつ。肉や野菜を煮出したスープを指し、これはコンソメスープの素となるのである。コンソメスープはすでに味が調えられているのに対し、ブイヨンはコンソメを作るための一材料というわけである。ちなみに、市販のマギーブイヨンとは、即席スープを世に送り出したスイスの食料品工業家ジュリアス・マギーにちなんでいる。1947年にマギーの会社はネスレと合併したため、現在はマギーブイヨンはネスレ社の商品となっている。
2. コンソメキューブ一個の分量は?

コンソメキューブといえば定番の大きさがある。いずれのメーカーのものを購入しても、その大きさは変わらないに見える。それでは、実際のコンソメキューブの大きさを数値で表すとどのくらいになるのだろうか。粉末タイプで代用する場合の量とともに見てみよう。
粉末コンソメで代用なら小さじ2杯弱・大さじ1/2が目安
コンソメキューブ一個分は、計量スプーンの小さじであれば2杯に少々欠けるくらいといった計算になる。また大さじで計量するのならば、2分の1を目安にするとよいだろう。メーカーによって味わいや塩分量が異なることもあるため、味付けする際には味を確認しながら加えるとよい。
コンソメキューブ一個の重さは何グラム?
コンソメキューブは、大半が一個5g前後である。ちなみに、味の素が販売しているコンソメキューブは一個が5.3gである。それぞれのメーカーのコンソメキューブの大きさは、パッケージなどで確認するとよいかもしれない。
3. コンソメキューブ一個に対する水の量

コンソメキューブを使って料理をする場合、一個当たりどのくらいの水を使用すればほどよい味わいになるのだろうか。味の濃い薄いに対する好みはあるものの、基本となる数字を覚えておいて損はないだろう。コンソメキューブを使用する料理も例に挙げて説明する。
スープには300mlが目安
さまざまなメーカーから販売されているコンソメキューブは、一個の重さが約5gとなっている。これに対して適量とされている水の量は300mlである。これはあくまで基本であり、スープに加える具材によっては味が濃くなる場合もあるため、調整は必要である。
いろいろな料理に使う場合
コンソメキューブをスープとしてではなく、調味料として使う場合には当然上記のかぎりではない。たとえば炊き込みごはんの味付けに使用する場合には、水360mlに対してキューブは2個加えないと味がつかないのである。また、スープスパゲティなどにする場合にも濃い味付けが必要になるため、水200mlに対してキューブ一個を入れるとよい。
4. コンソメキューブの使い方やコツ

コンソメキューブは、文字通りコンソメスープに使用するだけではない。さまざまな料理の味付けとして、とても便利なのである。また、料理の過程でいくつかのコツを駆使するとコンソメキューブはより使いやすくなる。コンソメキューブの使い方とコツについていくつか紹介する。
コンソメキューブを使う料理
コンソメスープ以外にコンソメキューブを活用する料理にはどんなものがあるのだろうか。まずは、コンソメスープ以外のスープ類にはコクを出す秘訣としてコンソメキューブを使用することが多い。さらにスープパスタをはじめとするパスタの料理、カレーの下味、ピラフなどのごはんものなど応用範囲は広い。子どもが大好きなハンバーグやグラタンなどの料理にも、味付けの決め手としてコンソメキューブを活用できる。
コンソメキューブは砕くと便利
コンソメキューブは固形のため、粉末タイプと比べて溶けにくいという欠点がある。より調理しやすくするために、キューブをあらかじめ砕いておくと便利である。たとえば、コンソメキューブをラップに包んでレンジで15秒ほど加熱すると、キューブも粉状になる。これを料理に使えば、あっという間に溶けてなじみやすい。
コンソメキューブの保存方法
コンソメキューブの正しい保存方法は案外知らない人が多い。コンソメキューブは日光が当たらない涼しい場所で保存し、盛夏など室温も高くなる時期は冷蔵庫に収納するのが無難である。高温で溶けてしまうと、コンソメの質が落ちて料理の仕上がりの風味も低下してしまう可能性がある。そのため、キューブがなるべく溶けない状態で保存するのがベストである。
5. コンソメキューブは低カロリーだが塩分に注意

文部科学省の食品成分データベースを見ると、コンソメキューブの成分は100g単位で明記されている(※1)。これをキューブ一個分5gと考えて計算してみると、カロリーは11.7kcalとなる。つまり、カロリーそのものは高くない。注意すべきは塩分で、味の素のコンソメキューブの成分表を例に見ると一個当たり2.5gを含んでいる。糖質に関していえば、食品成分データベースから計算すると一個当たり2.1gとなる。コンソメキューブを使用する場合にはすでに塩分を多めに含んでいることを考慮し、よぶんな塩は加えない用心が必要である。
6. 市販のおすすめコンソメキューブ

市販のコンソメの素は少なくないものの、キューブタイプというのは種類が多いとはいえない。その中でおすすめのキューブコンソメにはどんなものがあるだろうか。値段とともに紹介する。なお、値段は2021年9月現在のものである。
創健社「チキンコンソメ」(税込¥260)
ヘルシーであることをモットーに、化学調味料を使わないコンソメキューブを販売しているのが創健社である。同社が生産するチキンコンソメは、自然の恩恵を受けたコクが優しく、子どもたちも安心して食べられるのが特徴である。
味の素「KKコンソメ」(税込¥214)
コンソメキューブの中でも定番といえば、味の素のKKコンソメである。肉と野菜の旨みを極限まで引き出したコンソメは、もはや各家庭においても常備品といっても過言ではないかもしれない。応用範囲が広い点も魅力のひとつで、人気のキューブコンソメとして不動の地位に君臨している。
クノール「ビーフコンソメ」(税込¥362)
あえてビーフの風味を強調することでより料理に深い味わいを与えるのが、クノールのビーフコンソメである。ビーフシチューをはじめ、ミートソースなどの肉をベースにしたボリューミーな料理にはもってこいのキューブコンソメである。手でもほぐれるソフトなキューブで、使いやすさでも利点がある。
結論
料理初心者にとって利便性という点で味方となってくれるコンソメキューブ。粉末タイプと異なり、使い切りのため品質の劣化が防止できる便利な調味料である。コンソメスープだけではなく、あらゆる料理に応用できるコンソメキューブであるが、塩分の摂りすぎにだけは注意が必要である。それぞれの特徴を有する各社のコンソメキューブを使って、料理のレパートリーを広げてみてほしい。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(調味料及び香辛料類・調味料類・だし類・固形ブイヨン)
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