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【必須アミノ酸】とは何のこと?種類や何故必要なのかを解説!

【必須アミノ酸】とは何のこと?種類や何故必要なのかを解説!

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年10月 9日

健康食品など栄養に関する話題にあがりやすい「必須アミノ酸」とは、どのような成分なのだろうか。本記事では、必須アミノ酸の内容や効果について詳しく解説していく。必須アミノ酸に関する知識を深め、健康維持に役立てよう。

  

1. 必須アミノ酸の基本

必須アミノ酸はアミノ酸の一種で、ほかは非必須アミノ酸とされる。まずは、アミノ酸、必須アミノ酸、また非必須アミノ酸とは何なのか、それぞれの特徴を見ていこう。

アミノ酸とは?

アミノ酸とは、タンパク質を構成する有機化合物のことである。人体のタンパク質を構成しているアミノ酸は20種類存在し、結合(配列)の仕方を変えてさまざまな種類のタンパク質を作り出している。アミノ酸が一つでも欠けるとタンパク質を合成できなくなるため、非常に重要な成分だ。人体を構成する成分のなかでは、水を除く約半分(20%)を占めている。(※1)

必須アミノ酸とは?

必須アミノ酸とは、アミノ酸のうち体内で十分に合成することのできないものを指す。食物から継続して補給する必要があるため、必須と名付けられている。バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニン、スレオニン、ヒスチジンの9種類がある。(※1)

非必須アミノ酸とは?

非必須アミノ酸とは、摂取した糖質や脂質から体内で合成できるアミノ酸である。アミノ酸のうち、必須アミノ酸を除く11種類が該当する。食物から補給する必要のある必須アミノ酸とは区別されているが、同様に食物から摂取することが望ましい。ちなみに、非必須アミノ酸の一つであるアルギニンは、体内での合成が難しい小児のみ必須アミノ酸とされている。
本記事では、アルギニンを除く一般的な9種類の必須アミノ酸について紹介していく。(※1、2)

2. 必須アミノ酸【バリン】

まずは、必須アミノ酸の一つであるバリンの特徴や働き、含有量の多い食品について紹介する。

バリンとは?

バリンは、ロイシン、イソロイシンとともにBCAA(Branched Chain Amino Acid、分岐鎖アミノ酸)と呼ばれ、枝分かれするような分子構造が特徴だ。これらは筋肉の保持や増量に欠かせない、とくに重要な必須アミノ酸である。(※2、3)

バリンの効果

筋肉の構成が主な働きのため、成長に関与する。また、血中窒素バランスの調整、肝機能の向上などの効果があるとされる。不足すると食欲の低下により、栄養不良につながることがある。(※2)

バリンを多く含む食品

クロマグロ(赤身)、カツオ、鶏肉、アジ、牛・豚レバー、鶏卵、チーズ、豆腐など(※2、3)

3. 必須アミノ酸【ロイシン】

ロイシンも、バリンと同様にBCAAの一つとされる重要な必須アミノ酸だ。(※2、3)

ロイシンとは?

タンパク質の生成と分解を調整し、筋肉を維持するロイシンは、子どもの成長、大人の筋肉維持に欠かせないBCAAとして働く。(※2)

ロイシンの効果

タンパク質生合成の促進、筋タンパク質の維持、筋肉グリコーゲンの合成と酵素活性の促進に役立つ。また、肝細胞の増殖と分化を正常化させる働きがあり、肝機能向上に効果があるとされる。さらに血糖コントロールにも関与する。(※2)

ロイシンを多く含む食品

クロマグロ(赤身)、カツオ、サンマ、鶏肉、鶏卵、牛肉、チーズ、豆腐など(※2、3)

4. 必須アミノ酸【イソロイシン】

バリン、ロイシンとともにBCAAとして働くイソロイシン(※2)には、どのような特徴があるのだろうか。

イソロイシンとは?

イソロイシンは筋肉を構成する必須アミノ酸で、ヘモグロビンの形成にも欠かせない。(※2)

イソロイシンの効果

成長促進に役立つほか、神経機能を補助する働きもある。また、血管を拡張させる作用や、肝機能を向上させる効果もあるといわれる。(※2)

イソロイシンを多く含む食品

カツオ、クロマグロ(赤身)、アジ、豚ロース肉(赤身)、鶏肉、鶏卵、豆腐など(※2、3)

5. 必須アミノ酸【メチオニン】

ここからは、BCAA以外の必須アミノ酸を紹介していく。まずはメチオニンについて見ていこう。

メチオニンとは?

体内でタンパク質を作り出す際に、最初に必要となるのがメチオニンである。全体のタンパク質合成に影響を与える重要な必須アミノ酸だ。また、別の必須アミノ酸であるリジンとともに、脂質代謝に必要なカルニチンという物質を作り出す。(※2)

メチオニンの効果

開始アミノ酸としてタンパク質合成に欠かせないほか、薬物中毒の解毒や肝機能の改善にも効果があるといわれる。(※2)

メチオニンを多く含む食品

クロマグロ、鶏むね肉、豚ロース赤身、無調整豆乳など

6. 必須アミノ酸【リジン】

メチオニンとともに脂質代謝に必要なカルチニンの材料となるリジンとは、どのような必須アミノ酸なのだろうか。

リジンとは?

リジンはほかの必須アミノ酸と比較して、小麦や精白米などの穀類の含有量が少ない。アミノ酸はバランスよく摂取することが重要なため、リジンが不足すると全体の働きに影響が出てしまう。そのため、穀類とともにリジンが豊富な食品を摂取することが推奨されている。(※2、4)

リジンの効果

タンパク質合成による成長への関与、カルチニン合成による脂質代謝への関与のほか、身体組織の修復、肝機能の向上にも効果があるとされている。(※2)

リジンを多く含む食品

カツオ、アジ、凍り豆腐など

7. 必須アミノ酸【トリプトファン】

トリプトファンは身体の健康維持だけでなく、精神安定にも関わる必須アミノ酸である(※2、5)。詳しく紹介しよう。

トリプトファンとは?

体内でビタミンB群の一つであるナイアシンに変わるほか、脳内神経伝達物質であるセロトニンの材料にもなる。トウモロコシはトリプトファン含有量が少ないため、アミノ酸バランスを整えるためにほかの食品から摂取する必要がある。(※2)

トリプトファンの効果

トリプトファンにより作られたセロトニンには精神を落ち着かせる効果があり、夜間には睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促す。そのため、トリプトファンの摂取は精神安定や良質な睡眠への効果も期待できる。(※5)また、コレステロールや血圧のコントロールにも関わる。(※2)

トリプトファンを多く含む食品

カツオ、牛・豚レバー、鶏卵、チーズ、そばなど(※2、5)

8. 必須アミノ酸【フェニルアラニン】

フェニルアラニンも、脳内神経伝達物質の材料となる必須アミノ酸だ(※2)。詳しく見ていこう。

フェニルアラニンとは?

合成甘味料のアスパルテームの原料としても使用される。フェニルアラニンを摂取すると、体内でチロシンに変換され、脳内神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンを作り出す。また、黒色色素であるメラニンの材料でもある。(※2)

フェニルアラニンの効果

ドーパミンやノルアドレナリンの材料となる役割をはじめ、鎮痛作用などがある。また、血圧を上昇させる働きがあるため、低血圧には効果が期待できる。ただし、高血圧の場合は注意が必要だ。(※2)

フェニルアラニンを多く含む食品

牛レバー、クロマグロ、鶏むね肉など(※2)

9. 必須アミノ酸【スレオニン】

スレオニンは、トレオニンとも呼ばれる必須アミノ酸だ。詳しく紹介しよう。

スレオニンとは?

スレオニンは体内でまったく合成することができない(※2)。代謝を促す役割をもち、天然保湿因子であるNMFを構成する成分でもある(※6)。

スレオニンの効果

新陳代謝を促す働きがあるため、成長促進に効果的だ。また、NMFの材料となることから美肌効果も期待できる。代謝促進により肝臓への脂肪蓄積を防ぎ、脂肪肝を抑制する効果もある。また、胃酸分泌のバランスを整える役割ももつ。(※2、6)

スレオニンを多く含む食品

クロマグロ、豚ロース肉(赤身)、鶏むね肉、凍り豆腐、チーズなど(※2)

10. 必須アミノ酸【ヒスチジン】

9種類目の必須アミノ酸であるヒスチジンとは、どのような物質なのだろうか。

ヒスチジンとは?

ヒスチジンは、体内で合成できるためかつては非必須アミノ酸とされていた。しかし、合成の速度が遅く十分な量を作り出すことが難しいため、現在は必須アミノ酸となっている(※7)。
ヒスチジンが不足すると貧血につながるおそれがあり、幼児では湿疹が出ることもある(※2)。一方、魚などに付着したヒスタミン産生菌が増殖し酵素が作用すると、ヒスチジンがヒスタミンに変換され食中毒の原因となる。菌の増殖を防ぐことが唯一の対処法とされるため、ヒスチジンを多く含む魚などを扱う際には、常温放置せず速やかに調理する必要がある。(※8)

ヒスチジンの効果

成長に関与するほか、ヘモグロビンに含まれるため貧血を予防する効果がある。また、白血球の産生にも関与している。(※2)

ヒスチジンを多く含む食品

カツオ、クロマグロ、マイワシなどの赤身魚

結論

9種類の必須アミノ酸にはそれぞれ異なる特徴があり、働きや効果もさまざまだ。いずれも体内で十分な量を合成することができないため、食品から継続的に摂取する必要がある。タンパク質の合成をはじめ、健康を保つための働きを十分に引き出すには、量だけでなくバランスよく摂取することが重要である。9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれる食品を日常的に利用し、足りないものは補うよう心がけるとよいだろう。
(参考文献)
※1出典:厚生労働省e-ヘルスネット「アミノ酸」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html
※2出典:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所「必須アミノ酸と非必須アミノ酸」
https://www.orthomolecular.jp/nutrition/amino2/
※3出典:独立行政法人環境再生保全機構「【参考資料】食品の選び方」
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/nutrition/04.html
※4出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
※5出典:大河内記念病院 栄養科「栄養だより4月号」
http://www.f-sakurahosp.com/wp-content/uploads/2019/04/eiyo201904.pdf
※6出典:一般社団法人日本ヘルスケアサプリメント協会「スレオニン」
https://www.jhcsa.jp/seibun-search/sa/threonine/
※7出典:国立健康・栄養研究所「ヒスチジンが必須アミノ酸と考えられる理由」
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/question/FMPro%3F-db=question-bbs.fp5&-lay=main&-Format=detail.htm&hatugenID=97&-Find.html
※8出典:厚生労働省「ヒスタミンによる食中毒について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130677.html
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  • 更新日:

    2021年10月 9日

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