1. ビタミンとはどんな成分?

ビタミンとは、グリコ株式会社(※1)によるとエネルギー体や身体を作る成分ではないが、健康を維持するのに大切な役割をもっている。わかりやすくいうと、ビタミンはほかの栄養素を動かすための潤滑油のような働きをしているのだ。ビタミンのほとんどは、身体の中で作ることができないので、食べ物から摂取することが必要になる。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンとは、水に溶けるビタミンのことだ。水溶性ビタミンは、尿などから体外に排出されやすく、体内に蓄積されにくい。そのため、水溶性ビタミンは、少量を頻繁に摂取するのがおすすめだ。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、油脂に溶けやすいビタミンのことだ。脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンとは違い、体内に蓄積されやすい。また、体外に排出されやすい水溶性ビタミンも脂溶性ビタミンとともに摂取すると、吸収がよくなる。
2. 水溶性ビタミンの種類と効果

水溶性ビタミンにはさまざまな種類がある。それぞれの効果や不足した際の症状などを紹介していこう。
水溶性ビタミンの種類と効果
【ビタミンB群】
ビタミンB群には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12がある。ビタミンB1は、糖質の代謝をスムーズに行うのに必要な働きをもつ。不足してしまうと食欲不振やめまい、疲労などの原因になる。ビタミンB2は、脂質の代謝と深く関わっており、皮膚の分泌を調整することから皮膚のビタミンとも呼ばれている。不足すると口内炎や口角炎を発症することがあるのだ。さらにビタミンB6は、たんぱく質の利用効率を高めるので、不足してしまうと皮膚疾患や神経障害を起こす。ビタミンB12は、赤血球の生成を助ける働きがある。悪性貧血を予防することができる。
【ビタミンC】
ビタミンCは水溶性ビタミンの中でもよく聞く種類だ。抗酸化作用があり風邪予防やアレルギー反応の予防などに効果がある。ほかにもコラーゲンの生成を促進したり、歯のぐらつきや出血を予防する効果も期待できるのだ。
脂溶性ビタミンの種類と効果
油脂に溶けやすい脂溶性ビタミンにもさまざまな種類がある。それぞれの効果や不足した際の症状などを見てみよう。
【ビタミンA】
目、皮膚や粘膜の健康に関係するビタミンで、そのほか動脈硬化の予防、がんのリスクを軽減する効果などが期待される。不足すると夜盲症になる。
【ビタミンD】
腸管からカルシウムとリンを吸収して促進し、骨の再構築などを調整するので骨や歯の成長には欠かせないビタミンだ。不足すると骨軟化症やくる病などを発症する。
【ビタミンE】
強い抗酸化作用をもち、活性酸素をから身体を守る働きがある。普通の食生活で不足することはないが、不足すると溶血性貧血、皮膚の抵抗力の低下、神経症状、筋肉の萎縮などが見られる。
【ビタミンK】
血液の凝固を助け、血液凝固障害による出血を予防する働きがあり、骨の健康にも関わっている。不足すると鼻血が出やすくなったり血液の凝固に時間がかかることがある。また骨がもろくなってしまう。
3. ビタミンが多い食べ物一覧表

それぞれのビタミンのもつはたらきについて紹介したが、ここではどのような食品にそれぞれの栄養素が多く含まれているかを紹介しよう。
ビタミンAを多く含む食べ物(100gあたり(IU))
- 鶏レバー:47,000
- モロヘイヤ:5,600
- ウナギ:5,000
ビタミンB1を多く含む食べ物(100gあたり(㎎))
- 豚ヒレ肉:1.34
- モロヘイヤ:1.13
- ウナギ:0.86
ビタミンB2を多く含む食べ物(100gあたり(㎎))
- 豚レバー:3.60
- サバ:0.54
- モロヘイヤ:0.42
ビタミンB6を多く含む食べ物(100gあたり(㎎))
- ミナミマグロ:1.08
- 鶏むね肉:1.06
- かつお:0.87
ビタミンB12を多く含む食べ物(100gあたり(㎎))
- アサリ:59.6
- 牛レバー:52.8
- 牡蠣:38.9
ビタミンCを多く含む食べ物(100gあたり(㎎))
- 柿:280
- ネーブルオレンジ:240
- ブロッコリー:160
4. ビタミン欠乏症とは

ビタミン欠乏症とは、ビタミンが不足することで起こる病気だ。ビタミンが不足する原因について見てみよう。
ビタミンが不足する原因
ビタミンが不足する主な原因は、食生活の乱れによるビタミン不足だ。ビタミンは体内で作り出すことができないので、食べ物や飲み物から摂取する必要があるのだ。とくに極度の食事制限やダイエット、アルコール多飲などがあるとビタミン不足に陥りやすいので注意しよう。
サプリでの摂取は過剰摂取に注意しよう
ビタミンを補うサプリは多く販売されており、普段の食生活で不足しがちなビタミンを手軽に補えると人気がある。しかしその一方でサプリによるビタミンの過剰摂取には注意が必要だ。ビタミンは種類によっては、過剰摂取による中毒症状を起こすことがある。とくにビタミンAは過剰に摂取すると、頭痛や嘔吐、筋肉痛や疲労、骨障害などを起こす危険があるので注意したい。
結論
ビタミンには、大きく分けて水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがある。それぞれには特性があるので、食事で上手に摂取したい場合は正しい調理法を行うのがおすすめだ。ビタミンはそれぞれの種類によって働きが違い、サプリで補いたい場合は過剰摂取にならないように注意しよう。
(参考文献)
※1 グリコ株式会社
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