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しいたけの栄養は栽培方法や調理方法で変わる?成分や効能を紹介

しいたけの栄養は栽培方法や調理方法で変わる?成分や効能を紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 佐々木 倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年10月30日

今回紹介するのはしいたけの栽培方法や加工方法、どのような栄養素が含まれているかだ。また栄養素を摂取することで期待できる健康効果についても解説しよう。なんとなく身体によさそうな食材と思っていても、実際どういった栄養素が含まれているのか知らないという人もいるのでは?

  

1. しいたけの栽培方法と加工方法

しいたけ
しいたけを購入するときに乾燥した干ししいたけを好んで購入する人と、生を選んで調理に使う人もいるだろう。しいたけの栽培は大きく分類すると、施設内で育てる菌床栽培と、自然に近い条件で栽培する原木栽培の2つだ。それぞれの栽培方法の特徴とは?

原木栽培

原木栽培は原木に穴をあけ、種菌を打ち込んで1年ほど、林間地のような自然環境下におき、菌を蔓延させてしいたけを発生させる栽培方法だ。

菌床栽培

菌床栽培は、おがくず・ふすま・ぬか類・水などを混ぜてブロック状にし、培地を円筒状にかため、種菌を植え付けて菌床で栽培する方法だ。しいたけの畑といえる菌床が製造された場所と、しいたけを収穫する原産地が異なるケースがある。近年は海外生産されたものを輸?し、菌床から栽培したしいたけを国内で収穫して国産として出荷する例もあるという。

干ししいたけ

干ししいたけの作り方は、しいたけを重ならないようにザルに並べて風通しのよいところにおく。十分に乾燥したら、干ししいたけの完成だ。しいたけを並べるときは傘を上におき、柄を下にして端からぎっしりと並べていく。傘を下に向けておくと縁のほうが早く乾燥して形がくずれやすくなる。大量に乾燥させるときは通風乾燥機や加熱乾燥を行うこともあるが、急激に温度が変化すると形が波打つことや、シワがよることがあるため、裂けめに注意すること。またしいたけは乾燥すると軽くなるため、並べて干す場合は風に飛ばされないよう注意が必要だ。

2. しいたけは栄養が豊富

かごに入ったしいたけ
しいたけを加工した「したしいたけチップス」というスナックがあるが、しいたけにはどんな栄養素が含まれているのだろうか。一般的に栄養素が豊富だといわれているが、具体的にどのような成分が含まれているのだろう。

含まれる栄養素

しいたけに含まれるおもな栄養素はたんぱく質・カリウム・パントテン酸・葉酸・マグネシウム・食物繊維など(※1)。では栽培方法ごとに含有量は異なるのだろうか。

栽培方法で栄養が変わる?

しいたけ100gあたりに含まれる、それぞれの栄養素の量を栽培方法ごとに紹介しよう。

【原木栽培(※2)】

たんぱく質:3.1g
カリウム:270mg
パントテン酸:0.95mg
葉酸:75μg
マグネシウム:16mg
食物繊維:5.5g

【菌床栽培(※3)】

たんぱく質:3.1g
カリウム:290mg
葉酸:49μg
マグネシウム:14mg
食物繊維:4.9g

【乾燥しいたけ(※1)】

たんぱく質:62.5g
カリウム:2200mg
パントテン酸:8.77mg
葉酸:270μg
マグネシウム:100mg
食物繊維:46.7g
比べてみると圧倒的に乾燥しいたけが栄養素の含有量が多いことがわかるだろう。

調理方法でも変化する栄養

次に茹でたり、炒めたりしたときの栄養素の違いを紹介しよう。

【原木栽培(茹で)(※4)】

たんぱく質:2.4g
カリウム:170mg
パントテン酸:0.56mg
葉酸:25μg
マグネシウム:10mg
食物繊維:4.8g

【原木栽培(油炒め)(※5)】

たんぱく質:3.8g
カリウム:330mg
パントテン酸:1.15mg
葉酸:51μg
マグネシウム:18mg
食物繊維:6.4g

【菌床栽培(茹で)】(※6)

たんぱく質:2.5g
カリウム:200mg
パントテン酸:0.71mg
葉酸:14μg
マグネシウム:11mg
食物繊維:4.4g

【菌床栽培(油炒め)】(※7)

たんぱく質:3.3g
カリウム:300mg
パントテン酸:1.28mg
葉酸:20μg
マグネシウム:16mg
食物繊維:4.7g

【乾燥しいたけ(茹で)(※8)】

たんぱく質:3.1g
カリウム:200mg
パントテン酸:0.86mg
葉酸:35μg
マグネシウム:9mg
食物繊維:6.7g
乾燥しいたけは茹でるとぐっと栄養が溶け出すことがわかるだろう。菌床栽培や原木栽培は茹でたり炒めたりすると、増える成分もあれば減る成分もある。

3. しいたけの成分による効能

かごに入った干ししいたけ
しいたけに含まれる栄養成分を摂取すると、どういった効能、効果が期待できるのだろうか。

整腸作用

しいたけに含まれる食物繊維(※1)のうち水に溶けやすい水溶性食物繊維は、小腸で栄養素の吸収の速度をゆるやかする。期待できる健康効果は食後の血糖値の上昇を抑える働きがある。一方の水に溶けにくい不溶性食物繊維は水分を吸収し、便の容積を増やすため、大腸が刺激されて排便がスムーズになる(※9)。

歯や骨を丈夫にする

しいたけに含まれるビタミンD(※1)はD2~D7と6種類ある。しかしD4~D7は食品にわずかしか含まれておらず、活性が低いため一般的にビタミンD2とビタミンD3の2つに大別される。期待できる働きは、正常な骨格と歯の発育促進だ(※10)。

免疫力を高める

しいたけに含まれるβグルカンの効果は免疫力を高める働きがある(※11)。

高血圧を予防する

しいたけの機能性成分であるエリタデニンは血中コレステロール値と血圧の低下作用のような、健康効果が期待される(※11)。

結論

しいたけの栽培方法やどんな栄養素が含まれているのか、摂取するとどういった健康効果が期待できるのかを紹介した。先述したように栽培方法ごとに含まれる栄養素の量は異なり、調理方法によって増えたり減ったりする。効率よく栄養素を摂取したい人は、今回の記事を参考にしてもらいたい。
(参考文献)
※出典1:文部科学省「きのこ類/しいたけ/乾しいたけ/乾」
※出典2:文部科学省「きのこ類/しいたけ/生しいたけ/原木栽培/生」
※出典3:文部科学省「きのこ類/しいたけ/生しいたけ/菌床栽培/生」
※出典4:文部科学省「きのこ類/しいたけ/生しいたけ/原木栽培/ゆで」
※出典5:※出典6:文部科学省「きのこ類/しいたけ/生しいたけ/原木栽培/油いため」
※出典6:文部科学省「きのこ類/しいたけ/生しいたけ/菌床栽培/ゆで」
※出典7:文部科学省「きのこ類/しいたけ/生しいたけ/菌床栽培/油いため」
※出典8:文部科学省「きのこ類/しいたけ/乾しいたけ/ゆで」
※出典9:公益財団法人 長寿科学振興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」
※出典10:公益財団法人 長寿科学振興財団「ビタミンDの働きと1日の摂取量」
※出典11:農林水産省「[きのこ図鑑] 身近なきのこ編」
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  • 更新日:

    2021年10月30日

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