目次
- 葉ニラ 3500μg
- 黄ニラ 59μg
- 花ニラ 1100μg
- 葉ニラ 2.5mg
- 黄ニラ 0.3mg
- 花ニラ 1.0mg
- 葉ニラ 180μg
- 黄ニラ 29μg
- 花ニラ 100μg
- 葉ニラ 100μg
- 黄ニラ 76μg
- 花ニラ 120μg
- 葉ニラ 19mg
- 黄ニラ 15mg
- 花ニラ 23mg
- 葉ニラ 510mg
- 黄ニラ 180mg
- 花ニラ 250mg
- 葉ニラ 48mg
- 黄ニラ 15mg
- 花ニラ 22mg
- 水溶性 0.5g
- 不溶性 2.2g
- 総量 2.7g
- 水溶性 0.4g
- 不溶性 1.6g
- 総量 2.0g
- 水溶性 0.5g
- 不溶性 2.3g
- 総量 2.8g
1. ニラの種類

普段スーパーなどで目にするニラにはバリエーションがないことも多い。熱さにも寒さにも強く栽培がしやすいというニラ、実際には3種存在する。それぞれのニラの特徴を見てみよう。
葉ニラ
葉ニラは、普段スーパーなどで目にする一般的なタイプを指す。青ニラの別名もある。扁平で縦に長い形状を特徴とした葉ニラは、ニラ本来の香りが強いのが特徴である。レバニラなどの炒めもの、餃子やスープの具にと出番が多いのが葉ニラである。
黄ニラ
その名の通り、葉ニラの形状を踏襲しながら黄みがかった色をしたタイプを指す。黄ニラは光合成を避けるよう日光に当てないで育てたもので、葉ニラほどあくが強くないという特徴がある。まろやかな甘みもあり食べやすいニラではあるが、栽培に手間がかかるために出回る数は少ない。
花ニラ
ニラのつぼみと若茎を花ニラと呼ぶ。歯ごたえのよさが特徴であり、葉ニラほどの強いにおいはない。現在は花ニラ専用の品種が栽培されて出回っている。中華料理の炒めものなどによく使われるタイプである。
2. ニラの栄養素

ニラの香味や食感は、おかずとしてだけではなくおつまみとしても美味しく味わうことができる。ニラにはどのような栄養がどのくらい含まれているのか。ニラのそれぞれの種類とともに、栄養素の数値を見てみよう。
βカロテン
ニラ3種に含まれるβカロテンの量は下記のとおりである。(※1・2・3)βカロテンはプロビタミンAと呼ばれ、体内に入るとビタミンAとなる。(※4)ビタミンAは、成長の促進や上皮組織の保護の役割を果たす脂溶性のビタミンである。(※4)
生のニラ100gあたりのβカロテン量
ビタミンE
ビタミンEは水に不溶で、熱にも強い栄養素である。(※5)強い抗酸化力を誇り、細胞の過酸化を防止するとされている。(※5)血管を健康に保つ効能も有している。(※5)
生のニラ100gあたりのビタミンE量(※1・2・3)
ビタミンK
ビタミンKは血液凝固に必要な脂溶性ビタミンである。(※6)ビタミンKの欠乏は、出血した場合の止血を困難にする可能性がある。(※6)さらに、骨の形成にも不可欠の要素であり、動脈の石灰化を阻止する働きも持つ。(※6)
生のニラ100g中のビタミンK量
葉酸
葉酸はビタミンB群のひとつに数えられる水溶性ビタミンである。(※7)たんぱく質や核酸の合成及び分解の工程に関与し、細胞の再生に寄与する。(※7)とくに妊婦は葉酸の摂取が推奨されている。(※7)
生のニラ100g中の葉酸量
ビタミンC
水溶性のビタミンCは、抗酸化作用を持つ栄養素である。また、美容や健康に必要なコラーゲン生成のためには必須の成分であり、ビタミンCの不足は免疫力の低下や貧血、皮下出血などを引き起こす可能性がある。(※8)
生のニラ100g中のビタミンC量
カリウム
カリウムは細胞内液に存在することが多いミネラルであり、ナトリウムとともに体内の酸・塩基平衡の維持に関与している。塩分を摂り過ぎた場合には、カリウムが体外への排出を助けてくれる。心臓や筋肉の機能調整に対しても重要な役割を果たしている。(※9)
生のニラ100g中のカリウム量
カルシウム
人体内に最も多く存在するミネラル、それがカルシウムである。(※10)その大部分は骨や歯の形成のための要素となり、残りは血液及び筋肉に含まれる。人体において支柱的な役割を果たしているのがカルシウムといえるだろう。(※10)
生のニラ100g中のカルシウム量
食物繊維
腸内環境を整えるのに役立つ食物繊維は、近年とくに注目されている栄養素である。食物繊維には水溶性と不溶性の2種があり、ニラに含まれるものは後者が多い。不溶性食物繊維は水を吸収して膨張し、便を押し出してくれる。整腸と便通に効能がある。(※11)
生のニラ100g中の食物繊維量
【葉ニラ】
【黄ニラ】
【花ニラ】
アリシン
アリシンはにんにくから抽出される油状の液体であり、抗菌作用があることで知られている。(※12)コラーゲンの架橋形成にあずかるアリシンは(※13)、ニラにも含まれている。アリシンはまた、ビタミンB1の吸収を助ける働きもある。(※14)
3. ニラの栄養の効果・効能

ニラに含まれるさまざまな栄養を摂取することで、どのような効能や効果が得られるのだろうか。それぞれの栄養素が有する作用から期待できる、ニラの健康効果について紹介する。
活性酵素の働きを抑える
ニラに含まれる栄養のうち、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、アリシンには強い抗酸化作用があるとされている。抗酸化とは、肌をはじめとする体内の器官の老化を防ぐ効能を指す。(※15)その原因となる活性酸素は酸素を含む反応性の高い成分で、酸化することで細胞膜やDNAを傷つける。(※16)抗酸化作用を持つ栄養成分は、こうした活性酸素の働きを制御するのである。(※16)
目や皮膚の健康を保つ
ニラに含まれるβカロテンは、体内に入るとビタミンAへと変換される。ビタミンAは、成長を促すことに加え、目や皮膚の上皮組織を保護する働きを持っている。目や皮膚の健康に必須のビタミンなのである。(※4)
血管や血液の健康を保つ
ビタミンEは抗酸化作用が強い成分である。不飽和脂肪酸が過剰に酸化することを防ぎ、血管の健康に寄与する。コレステロール値を調節したり、赤血球を守る働きも保有している。(※5)
丈夫な骨を育てる
ニラには、カルシウムとビタミンKが含まれている。骨と歯の主要成分であるカルシウムは(※10)、ビタミンKによって骨に沈着することが可能となるのである。(※6)ふたつの成分の作用によって、より丈夫な骨が形成可能となる。
血圧を下げる
カリウムを摂取することによって体内の塩分を調整できる。(※9)適正な量のカリウムが体内で機能すれば、高血圧の予防につながるとされている。(※9)
便通をよくする
ニラに含まれる食物繊維は、不溶性のタイプが多い。不溶性食物繊維は、腸内で膨張して体積を増やし、便を押し出し腸をキレイにする働きがある。(※11)また、腸内環境を整える作用もある。(※11)
4. にらの効果的な食べ方

ニラが含むさまざまな栄養を効果的に食べる方法はあるのだろうか。それぞれの栄養の特徴を活用して、いくつかの効果的な食べ方を紹介する。
加熱しすぎない
ニラに含まれる栄養のうち、ビタミンCとアリシンは熱に弱いという性質がある。そのため、調理の際には加熱時間をできるだけ短くする工夫が必要である。
油と一緒に摂る
ニラに豊富に含まれるβカロテンは、生のままでは吸収しにくいとされている。油と一緒に摂取すると吸収が容易になるため、炒めものなどで食べるとよいだろう。
茹でるなら汁物に
ニラに含まれるビタミンCは水溶性である。水に溶けだした栄養分もともに摂取できるよう、スープや汁物で食べると効率的である。
ビタミンB1と併せて摂る
βカロテンは、ビタミンB1によって吸収率が上がる。ビタミンB1を豊富に含む豚肉や五穀米と食べると、効果的に栄養を取り入れることができるだろう。
結論
ニラレバやニラ玉といった庶民の味に欠かせないニラ。独特の風味は、さまざまな料理のアクセントとして活用されることが多い。ニラには3種が存在するが、最も一般的な葉ニラには豊富な栄養が含まれている。ビタミンやミネラルを十分に摂取すれば、抗酸化作用を実感できるかもしれない。栄養を上手にとる食べ方を模索して、ぜひ美味しく食べてみてほしい。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/(にら類)/にら/葉/生)」
2.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/(にら類)/花にら/花茎・花らい/生)」
3.文部科学省「食品成分データベース( 野菜類/(にら類)/黄にら/葉/生)」
4.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
5.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」
6.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンKの働きと1日の摂取量」
7.公益財団法人長寿科学振興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」
8.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
9.公益財団法人長寿科学振興財団「カリウムの働きと1日の摂取量」
10.公益財団法人長寿科学振興財団「カルシウムの働きと1日の摂取量」
11.公益財団法人長寿科学振興財団「食物繊維の働きと1日の摂取量」
12.小学館「ランダムハウス英和大辞典(allicine)」
13.研究社「医学英和辞典(allysine)」
14.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」
15.公益財団法人長寿科学振興財団「抗酸化による老化防止の効果」
16.集英社「情報・知識 imidas 2018(活性酸素)」
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