目次
- 生:2.2g(水溶性食物繊維0.6g、不溶性食物繊維1.6g)※3
- 蒸し:2.3g(水溶性食物繊維0.6g、不溶性食物繊維1.7g)※4
- 焼き:3.5g(水溶性食物繊維1.1g、不溶性食物繊維2.4g)※5
- 生:2.8g(水溶性食物繊維0.9g、不溶性食物繊維1.9g)※6
- 蒸し:3.8g(水溶性食物繊維1.0g、不溶性食物繊維2.8g)※7
- 天ぷら:3.1g(水溶性食物繊維0.9g、不溶性食物繊維2.2g)※8
1. 食物繊維とは?

食物繊維とは、人の体内の消化酵素で分解・消化されない栄養素のことである。炭水化物に含まれ、糖質を除いたものが食物繊維量として計算される。食物繊維は吸収されないまま大腸まで届き、さまざまな働きをする。とくに便通を整えるうえで重要な役割をもち、便秘予防には欠かせない栄養素とされている。また、大腸内では善玉菌のエサとして利用されるため、整腸効果も期待できる。(※1,2)
2. 食物繊維の種類と効果

食物繊維には、大別して水溶性と不溶性の2種類が存在する。それぞれの特徴や働きについて見ていこう。
水溶性食物繊維
水に溶けやすい性質をもつ水溶性食物繊維には、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、アガロースなどがある。水に溶けるとゼリー状になる。栄養素が小腸で吸収される速度を緩やかにする働きがあり、食後の血糖値の上昇を抑制するのに役立つ。また、コレステロールの排出やナトリウムの排出を促す作用もある。(※1,2)
不溶性食物繊維
水に溶けにくい性質をもつ不溶性食物繊維には、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサンなどがある。主に便のかさを増やす働きにより排便を促す効果があるため、便秘予防に役立つ。便を作る際に有害物質を吸着し、排出を助けることで大腸の健康維持にもつながる。(※1,2)
3. さつまいもの食物繊維

さつまいもには、どのくらいの量の食物繊維が含まれているのだろうか。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より、皮なし、皮付きそれぞれのさつまいも100gあたりの食物繊維含有量を紹介する。
皮なしのさつまいもの食物繊維
皮をむいたさつまいもには、100gあたり2.2~3.5gの食物繊維が含まれている。生のさつまいもと蒸しいもでは含有量がほぼ変わらないが、焼きいもは水溶性、不溶性ともに生のさつまいもよりやや多い。
皮付きのさつまいもの食物繊維
皮なしと比較すると皮付きのさつまいものほうが、全体的に食物繊維量が多い。皮付きの焼きいもに関してはデータが公表されていないが、皮にも食物繊維が含まれていることがうかがえる。
加熱によりさつまいもの食物繊維量は変化する?
加熱調理によるさつまいもの食物繊維の性状変化を調査した研究(※9)によると、生と比較して食物繊維量に有意差は見られなかった。しかし、不溶性食物繊維に関しては加熱により増加する可能性が示唆されている。
また、蒸した場合と電子レンジで加熱した場合を比較すると、水溶性食物繊維の発酵性が電子レンジ調理では低くなることが示された。発酵性の高さは食物繊維の働きに影響するため、加熱する場合は調理法の選び方も重要といえる。
4. さつまいもの効果

さつまいもに含まれる食物繊維は便秘に効果的(※1,2)だが、ほかにもさまざまな栄養素や有効成分を含んでいる。期待できる効果をもたらす栄養成分について、紹介する。
便秘解消
さつまいもを切ったときにしみ出てくる白い液はヤラピンと呼ばれ、便通を促す作用があるといわれている。熱に強く加熱調理しても変質しないため、食物繊維との相乗効果による便秘の改善・解消が期待できる。(※1,10,11)
美肌効果・アンチエイジング
さつまいもには、ビタミンCやビタミンEが含まれている(※3~8)。ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせない栄養素だ。皮膚のメラニン色素の生成を抑制する働きもあり、美肌効果が期待できる。また、ビタミンEにはビタミンCとともに抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぐ働きをするためアンチエイジング(老化防止)にも役立つ。(※12,13)
むくみ防止
さつまいもには、ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれている(※3~8)。カリウムには細胞の浸透圧を調整する作用があり、ナトリウム量の調整にも役立つ。そのため、塩分の摂り過ぎにより起こりやすいむくみを解消する効果も期待できる。(※14,15)
5. さつまいもの摂り方

さつまいもを食べる際には、どのような調理法を選べば健康効果を得やすいのだろうか。生食はできないため加熱することになるが、加熱の仕方を工夫することが大切である。
蒸し料理がおすすめ
さつまいもは、低GI値食品としても知られている。GI(グリセミックインデックス)値とは、炭水化物が消化され糖に変化する速度を示した数値である。GI値が低いほど血糖値の上がり方が緩やかになる。さつまいものGI値は54で、ほかのいも類(じゃがいも90、やまいも75)と比較しても低い。(※16)
しかし、調理の仕方によりGI値は変わる。とくに、GI値を上げないためには加熱し過ぎないことが推奨されている(※17)。じっくりと時間をかけて加熱する焼き芋は、デンプンからマルトース(麦芽糖)が多く生成される(※18)。そのため、糖度とともにGI値も上がってしまうのだ。
電子レンジ加熱は短時間で火が通るため、マルトースの生成量が少なく(※18)、GI値を上げにくいと考えられる(※17)。しかし、水溶性食物繊維の発酵性が低下するというデメリットがある(※9)。そのため、さつまいもの健康効果を得るには、蒸し料理が最適といえるだろう。
結論
さつまいもには食物繊維のほか、ビタミン類やカリウムなど、さまざまな栄養素が含まれている。便秘改善効果には食物繊維とヤラピンの相乗効果が期待できるため、おやつに取り入れるとよいだろう。さらに低GI値食品というメリットを生かしながら食物繊維の効果を得るには、蒸しいもにする食べ方がおすすめである。
(参考文献)
※1、15出典:厚生労働省e-ヘルスネット
※1:「食物繊維」
※15:「ナトリウム」
※2、12~14出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
※2:「食物繊維の働きと1日の摂取量」
※12:「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
※13:「ビタミンEの働きと1日の摂取量」
※14:カリウムの働きと1日の摂取量
※3~8出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※3:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/生
※4:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/蒸し
※5:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/焼き
※6:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮つき/生
※7:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮つき/蒸し
※8:いも及びでん粉類/<いも類>/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮つき/天ぷら
※9出典:岐阜女子大学紀要 第35号 (2006.3)「加熱調理による食物繊維の性状変化」大場君枝、山中なつみ、小川宣子
※10出典:一般財団法人日本いも類研究会「Q さつまいもを切るとでてくる白い「お汁」はなんでしょうか。」
※11出典:一般社団法人さつまいもアンバサダー協会「さつまいもの機能性と腸内細菌について」
※16出典:全国健康保険協会 和歌山支部 保健グループ「食べ方で血糖値の上がり方が変わる!?」
※17出典:メディカルクリニック 柿の木坂「低GI食を実践するために知っておきたいポイント」
※18出典:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構「「焼き芋」の甘さの秘密」
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