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アーモンド

アーモンドの栄養と効果とは?健康にいいけど食べ過ぎ注意!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年11月27日

健康志向が著しい近年、注目される食材のひとつナッツ類。その中でもアーモンドは、最も親しみやすいナッツ類のひとつとして人気がある。スーパーだけではなくコンビニでも小腹が空いたときのスナックの範疇として、アーモンドを目にすることが多くなった。本記事では、アーモンドの栄養と効能について説明する。

  

1. アーモンドの栄養素と効果効能

木製のボウルに入ったアーモンド
栄養面から見てメリットが非常に多いといわれるアーモンド。スナック感覚で気軽に食べることができるのも魅力である。アーモンドは具体的にどんな栄養を有し、その栄養からどのような効能を期待できるのか。詳しいところを見てみよう。

アーモンドの栄養成分表とカロリー

まずは、アーモンドが含む主要な栄養を栄養成分表示してみる。カロリーや糖質と含めて参考にしてほしい。
アーモンド(乾)100g当たりの主要な栄養(※1・19)
また、カロリーは100g当たり609kcalである。

アーモンドの栄養成分・ビタミンE

アーモンドに豊富に含まれているビタミンEは、脂溶性のビタミンである。ビタミンEには抗酸化作用があり、免疫機能を高める働きもする。つまり、ウイルスや細菌の撃退に効力を発するのである。さらに血管拡張を促す効果も認められている(※2)。

アーモンドの栄養成分・食物繊維

日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあるといわれている(※3)。食物繊維は、摂取後にいずれの器官でも消化されず大腸にまで到達する栄養素である。昨今話題の腸内環境を整える作用を有しているため(※3)、便秘の解消につながる。健全な腸内環境の構築によって、ダイエットにも有効とされている栄養素といえるだろう。

アーモンドの栄養成分・オレイン酸

オリーブオイルにも含まれていることで有名なオレイン酸は、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの数値を抑える働きが認められている(※4)。いっぽうで善玉コレステロールであるHDLコレステロールの数値を維持する働きもあり、冠状動脈性心疾患を予防する可能性が高いとされている(※4)。

アーモンドの栄養成分・ミネラル

アーモンドの栄養面における最大の特徴のひとつが、豊富なミネラルにある。カルシウム、マグネシウム、亜鉛などがとくに特筆すべきミネラル成分である。カルシウムは、人体中に最も多く含まれるミネラルとして知られ、骨や歯の形成に不可欠である(※5)。マグネシウムも同様に、骨や歯に必須のミネラルであるだけではなく、筋肉や脳、神経にも大きな影響を与えるとされている(※6)。亜鉛は、体内の酵素作用と関連しているミネラルである。亜鉛不足は、味覚障害や免疫機能低下を誘発する可能性がある(※7)。アーモンドにはまた、妊婦に必須の葉酸も含まれている。葉酸の不足は貧血を起こすケースも多いため、積極的な摂取が望ましい(※8)。

アーモンドのそのほかの栄養成分

アーモンドには、そのほかにも栄養分が多い。例えばリノール酸は、必須脂肪酸のひとつであり動脈硬化などの病気を防ぐ働きがある(※10)。また、リノール酸の不足は皮膚炎の原因となることもある(※9)。アーモンドは植物性のたんぱく質も含有しており(※1)、筋肉や臓器全般に有効な影響をもたらすのである。

2. アーモンドの形状別の栄養

アーモンドとアーモンドミルク
アーモンドは、さまざまな形状で楽しむことができる食材である。ドリンクにしたりローストにしたり、その香ばしさやほのかな甘さは形が変わっても好ましい。そのうちのいくつかを例に挙げて、それぞれの栄養の特徴を紹介する。

アーモンドミルクの栄養

牛乳以外のミルクが注目を浴びている近年、アーモンドミルクは植物性のミルクとして人気がある。日本でもいくつかのアーモンドミルクが販売されているが、大手グリコの場合は200mlの商品のカロリーが80kcalに抑えられている。アーモンドオイルによって香りがよいうえ、甘さははちみつが使用されている。はちみつに含まれるミネラルの摂取も期待できる一品である(※18)。

素焼きアーモンドの栄養

購入したアーモンドをローストすると、えもいわれぬ香ばしい香りを発する。この素焼きアーモンドの栄養やカロリーに特徴はあるのだろうか。カロリーに関しては、通常のアーモンドとほぼ同じで100g当たり608kcalである。ミネラルに関しては、素焼きアーモンドのほうが数値がわずかに上昇する傾向にある。ビタミンEの量はほぼ変わらず、葉酸はローストすると17μgほど減少する。食物繊維量は0.9g増加するなど、わずかな相違は認められる(※12)。

アーモンドフィッシュの栄養

いくつかの企業から販売され、給食などにも供されるアーモンドフィッシュ。カタクチイワシの煮干しとアーモンドの組み合わせは、スナック感覚で楽しめるヘルシーなおやつとなる。カタクチイワシの煮干しは、アーモンド同様に豊富なミネラルを有している。カタクチイワシの煮干し100g中には、カルシウム2200mgのほかマグネシウム230mg、鉄18mgなどが含まれているのである。またビタミンD(18μg)やビタミンB12(41μg)など、アーモンドにはないビタミン類が含まれていてまさに鬼に金棒のコンビといえるだろう(※13)。

3. アーモンドとそのほかの種実類との栄養比較

いろいろなナッツ類
アーモンドと同じようにヘルシーといわれる種実類には、ピーナッツやクルミが挙げられる。こうしたほかのナッツ類とアーモンドの栄養面の相違を見てみよう。

アーモンドとピーナッツの栄養比較

ナッツ類の代表といえば、アーモンドとピーナッツが一般的である。植物学的にみると2つのナッツには大きな相違があり、アーモンドはバラ科に属すのに対しピーナッツはマメ科である。そのふたつのナッツ類のカロリーや栄養を比較してみよう(※14)。
100g当たりの数値(※14)
カロリーはアーモンドのほうが37kcalほど多い。ビタミンEとカルシウム、食物繊維に関してはアーモンドのほうが含有量が多く、葉酸はピーナッツが勝る。

アーモンドとごまの栄養比較

ゴマ科に属するごまは、ナッツ類というより日常的に食べる調味料のような位置づけにある。摂取の仕方が異なるため、100g当たりの栄養の比較は難しいかもしれない。同じ種実類であるアーモンドとは、どのような栄養の相違があるのか見てみよう。
100g当たりの数値(※14)
アーモンドとごまの栄養を比べると、とくに目立つのはカルシウムの量である。アーモンドのおよそ5倍ものカルシウムがごまには含まれている。ビタミンEの量はアーモンドが凌駕するものの、葉酸や食物繊維もごまのほうが数値が高い。ただしごまは、摂取できる量に限りがあるのも確かである。

アーモンドとクルミの栄養比較

お菓子などにもよく使うクルミもまた、ナッツ類を語る上で外せない食材である。クルミ科に属するクルミの栄養も、アーモンドと比較してみよう。なお、クルミは食品成分表にローストしたものの値のみが収載されているため、アーモンドもローストの値で比較する。
100g当たりの数値
クルミはカロリーと糖質が高いのが特徴である。カルシウムと食物繊維の量はアーモンドより少ない。クルミの最大の特徴は脂質にある。リノール酸やオレイン酸の量が多く(※14)、古来人類にとって重要なエネルギー供給源であったことが数値でも明らかなのである(※15)。

4. アーモンドは栄養豊富だが食べ過ぎに注意

アーモンド
突出したビタミンEの量をはじめ、アーモンドには現代人が必要とする栄養が豊富に含まれている。だからといって、アーモンドの食べ過ぎによる健康への害はゼロではないのである。その理由を見てみよう。

脂質が多く高カロリー

アーモンドにかぎらずナッツ類全般の特徴であるが、脂質の量が多くカロリーが高めであることは数値が証明している。アーモンドの脂質は良質なうえ、高めのカロリーも上手にコントロールして摂取すればダイエットに活用できる食材であることはまちがいない。しかしあくまでも、適量を守ることが健康維持のコツであることは自明の理である。

ビタミンEの過剰摂取になる

成人男性が1日に摂取すべきビタミンEの量は6.0?7.0mgとされている。(※16)ビタミンEを過剰に摂取すると、血液が凝固しにくくなるほか骨量が減るという報告もされている(※16)。大量のアーモンド摂取は控えるのが無難である。

一日の摂取量の目安

成人男性が1日に摂取すべきビタミンEの量は6.0~7.0mgである。いっぽう、文部科学省の食品成分データベース(※1)を参考にアーモンド1粒(約1g)のビタミンEの量を計算すると、0.31mgである。そのため30粒を食せばビタミンEに関しては1日の摂取量をカバーできるということになる。カロリーやビタミンEの量を調節しつつ過剰摂取には注意を払うのが無難である。

結論

ナッツ類の代表として親しまれているアーモンドには、ビタミンEをはじめとするさまざまな栄養が含まれている。カルシウムや食物繊維など、現代人に不足しがちな栄養も多いため、アーモンドは率先して摂取したい食材といえるだろう。ほかのナッツ類との組み合わせも楽しみつつ、適量を美味しく食べてほしい。
(参考文献)
1、12、13、14.文部科学省「食品成分データベース」
 1.種実類・アーモンド・乾
 12.種実類・アーモンド・いり・無縁)」
 13.魚介類/<魚類>/(いわし類)/かたくちいわし/煮干し
 14.種実類/くるみ/いり
2.厚生労働省「eJIM ビタミンE」
3、5、6、10、11.厚生労働省 e-ヘルスネット
 3.食物繊維の必要性と健康
 5.カルシウム
 6.マグネシウム
 10.不飽和脂肪酸
 11.たんぱく質
4.一般社団法人日本植物油協会「植物油と栄養」
7、8、9.小学館「日本大百科全書
 7.亜鉛
 8.葉酸
 9.リノール酸
 15.クルミ
16.公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」
17.株式会社ロッテ「アーモンドが健康・美容にいいってホント?食べ過ぎても大丈夫?」
18.江崎グリコ株式会社「アーモンド効果」
19.江崎グリコ株式会社「アーモンドの効果」
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  • 更新日:

    2021年11月27日

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