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ピザ

イタリア料理の発祥や歴史|トマトやパスタはいつから食べてるの?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2021年12月21日

今回紹介するのは、日本におけるイタリア料理の歴史だ。イタリア料理というとトマトやオリーブオイルを使う料理や、パスタやピザを思い浮かべる人もいるだろう。近代的な食べ物というイメージを持ちがちだが、意外と歴史のある料理ばかりだ。

  

1. 起源は古い?イタリア料理の歴史とは

スパゲッティ・アリ・アマトリシアーナ
起源は古いといわれているイタリア料理の歴史だが、具体的な発祥はどの時代なのだろうか。

イタリア料理の発祥は古代ローマ帝国

イタリア料理の歴史を見てみると、その起源は実に古いことがわかった。イタリア料理が発祥したのは、紀元前の古代ローマ帝国だ。古代ローマの人々は食事にかける時間を大切にしており、1日3食が基本でコース料理の場合は1食で2~3時間もかけていたという。

パスタが生まれた12世紀

手打ちのパスタが作られるようになったのは12世紀以降で、これはイタリア料理の歴史を語るうえでは外せない。ではなぜパスタが広がっていったのだろうか。それはイタリアで実施した豊穣政策の影響が大きいようだ。豊穣政策を行った結果、資源が豊かになって食料自給率が約7割まで確保できる土壌が築かれた。それに伴って多くの小麦粉がスムーズに入手できるようになり、パスタやピザのような料理が市民に広がっていったのだ。

トマトの伝来は18世紀

トマトがイタリアに伝来したのは18世紀で、イタリア料理に必要な食材としていろいろな料理に使用されるようになった。この頃、パスタの押し出し機と乾燥機が発明され、乾燥パスタ料理が広く知れ渡るようになったのだ。

現在のイタリア料理や食文化

イタリアは日本のように四季があり、南北に長くて山と海のある国だ。地中海の気候の影響か食材が豊富で、地方によって伝統的な料理が異なる。朝食には、甘いパンにエスプレッソコーヒーやカプチーノを添えるのが伝統的だ。

2. 地方のイタリア料理の特徴と歴史

カプレーゼサラダ
先述したようにイタリアは地中海の温暖な気候で知られている。また、地方ごとにそれぞれの郷土料理があるのも特徴のひとつ。イタリア料理とは、ナポリ料理・ローマ料理・トスカーナ料理・シチリア料理のように、それぞれの地域の料理が集まったものだ。

北イタリア料理の特徴と歴史

北イタリアはアルプス山脈が近いので気候は涼しく、肉料理や煮込み料理が多いのが特徴だ。ミラノの郷土料理であるコトレッタは、日本でミラノ風カツレツとして知られている。フランスでも多く食べられており、フランスではコートレットと呼ぶ。

南イタリア料理の特徴と歴史

南イタリアは暖かな気候が特徴だ。とくに、トマトやオリーブオイルを使ってサッパリと仕上げた料理が多い。なかでも、魚介類がふんだんに入ったペスカトーレやアクアパッツアなどがナポリの郷土料理として有名だ。

3. 日本におけるイタリア料理の歴史

ピザ
ここでは日本におけるイタリア料理の歴史について紹介しよう。

パスタは幕末・明治初期に登場

パスタが日本に登場したのは、幕末の横浜に定めた外国人居留地だった。当時は誰も見たことがないパスタに対して、うどんのよう......と記した書物もあったという。
国内で初めてパスタが作られたのは1883年(明治16年)頃だ。フランス人宣教師のマリク・マリ・ド・ロ氏が、長崎市の外海町にレンガ造りで平屋建てのマカロニ工場を建設し、製造したのが始まりだという。初の国産パスタを日本人が作ったのは大正時代のことだ。現在の新潟県の加茂市で製麺業を営む石附氏に、マカロニの製造を横浜の貿易商が依頼したのが始まりだ。

日本初のイタリア料理店は明治時代に登場

日本初のイタリア料理店である新潟の「イタリア軒」が誕生したのは、1881年(明治14年)のことだ。イタリア軒はイタリア人であるピエトロ・ミリオーレ氏が調理する料理を提供していた。現在では老舗ホテルの「ホテルイタリア軒」内のレストランとして営業している。

アメリカンなイタリアンから本場のイタリアンへの変化

1954年(昭和29年)、東京都の六本木に「シシリア」というイタリアンレストランがオープンし、そこで提供されていたピザは飛ぶように売れた。このピザはイタリア人の料理人から教わったものだったが、タバスコや粉チーズがのっていて、イタリアのピザとは異なるアメリカンな様相だった。
その後、1960年頃に入って、ヨーロッパの食材や雰囲気を取り入れたイタリアンレストランが登場する。東京都の麻布に生まれた、ヨーロッパ的なコンセプトの「キャンティ」だ。

本格的なイタリアンレストラン「キャンティ」

日本人による初の本格派イタリア料理店とも称される「キャンティ」。世間ではミートソースやナポリタンしかない時代に、スパゲッティバジリコを定番メニューにすえていたのだ。当時バジリコは流通しておらず、オーナー夫人が自宅で栽培していたという。メイン料理はオックステールの煮込みやオッソブーコやのように夫人のこだわりを感じられるものばかり。日本人による初の本格的なイタリアンレストランは、華やかな社交場になった。
このように、日本における本格的なイタリアンレストランは1960年代頃に芽を出し、1970年代以降に広まっていったのだ。

4. フランス料理の歴史へのイタリア料理の強い影響

ペペロンチーノ
ここでは、フランス料理に対するイタリア料理の影響を紹介しよう。皆さんはイタリア料理とフランス料理に、かなり共通点があることをご存知だろうか。フランス料理が現代のように発展したのは、イタリア料理の影響といわれている。イタリアからフランス王家に嫁いだ王女が、嫁ぐ際にイタリア料理人を引き連れており、彼らによって高度な調理法やテーブルマナーが伝えられたとされているようだ。
ただし、フランス料理がイタリア料理の影響を受けているとはいえ、同じような歩みを進めてきたわけではない。歴史の中でイタリア料理とフランス料理は、はっきりとした違いがうまれている。イタリア料理は素材重視だが、フランス料理はソース重視の奥深い味わいが特徴だ。

5. イタリアの食事に欠かせないワインの歴史

赤ワイン
ここではイタリアワインの発祥や歴史について紹介しよう。

イタリアワインの発祥は紀元前800年頃

イタリアは北緯37~47度に位置しており、地理的にも気候的にも、ぶどう栽培に適した国だ。ワイン造りが始まったのは、紀元前800年頃といわれている。エトルリア人によってイタリア南部とシチリアで、ぶどうが栽培されてワインに加工されたという。そこから徐々にに全土へと広がり、中世からルネサンス期にかけての頃は、すぐれた美術文化や文学の発展にともない、多くの人に愛飲されるようになった。その後16世紀まではイタリアがワインの生産で世界をリードした。

イタリアワインの歴史

世界をリードした後は、ヨーロッパ経済の中心がイギリスやフランスに移り、戦争の影響もあって名声と生産量を落とすことになる。しかし1963年(昭和38年)に伝統的なワイン造りを基準としたワイン法が制定され、新たに歩み出したという。その後は無秩序かつ自由なワイン造りは整理され、個性豊かなワイン造りを守る改革が行われた。近年は高級で個性の強いワインが生み出されている。

6. イタリア料理の歴史が詳しくわかる本

本の上に置かれたメガネ
最後に、イタリア料理の歴史に関するおすすめの本を紹介する。

「食のイタリア文化史」岩波書店

1冊目に紹介するのが、「食のイタリア文化史」だ。長い歴史を誇るイタリアならではの食文化の変遷を考察している。

「パスタでたどるイタリア史」岩波ジュニア新書

イタリア料理の歴史に関するおすすめの1冊が「パスタでたどるイタリア史」だ。イタリア料理のなかでもパスタに特化した内容が特徴である。

「ねじ曲げられた『イタリア料理』」光文社

「ねじ曲げられた『イタリア料理』」もイタリア料理の歴史を知るうえでおすすめの1冊だ。イタリアの本当の食文化について学べるだろう。

結論

イタリア料理の歴史について紹介した。イタリア料理は、いまではパスタやピザのように私たち日本人にとって身近な食べ物だが、発祥したのは紀元前の古代ローマ帝国だ。なかでもパスタが日本に登場したのは幕末と、なかなかの歴史を誇る食べ物である。
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  • 更新日:

    2021年12月21日

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