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調理

中国や日本の中華料理の歴史とは?中国料理との違いも解説

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 岩切千晃(いわきりちあき)

鉛筆アイコン 2021年12月29日

中華料理は、日本で古くから親しまれている料理の一つだ。中国が発祥であることは知られているが、本記事では中華料理の歴史について深掘りしていく。本場中国での歴史のほか、日本やアメリカでの歴史についても触れる。中華料理についての学びを深めよう。

  

1. 本場中国の中華料理の歴史

中国料理
日本では、中華料理と中国料理という2つの言葉が混在している。その違いや使い分け方には諸説あるが、一般的には中国大陸発祥のものを中国料理、日本人向けにアレンジされたものを中華料理と呼ぶことが多い。本記事では、本場の中国料理も含めたものを、中華料理として紹介していく。中国ではどのように中華料理が誕生し、発展していったのか見ていこう。

中国の中華料理の発祥

中国における料理の歴史は古く、昔からすでにさまざまな技術が生まれていたという。古代人が火が使用するようになり、しばらくは焼く調理法のみだった。しかし、後に石の包丁で肉を細かく切る、土器で食材を煮るなどの技術をもつようになる。スッポンをさばいて煮る料理も作られていたという。遺跡から発掘されたかめに細かい穴が開いていたことから、6000年ほど前には蒸す調理法も普及していたと考えられる。

周王朝の時代:会席料理の誕生

紀元前1050年頃には、すでに宴会でふるまわれる会席料理が存在したといわれる。「周の八珍(はっちん)」と呼ばれるもので、料理8品で構成されていた。焼く、煮る、漬けるなどの調理法が用いられ、生ものの酒漬けや野菜の塩漬け、魚の照り焼きなどが食されていた。

三国時代~北宋、南宋の時代:中国料理の基本の確立と調理法、食の幅の発展

調理法は焼く、蒸す、煮る、干す、漬けるなど多岐にわたるようになる。隋や唐の時代には、餃子や菓子などが食べられるようになり、食の幅も広がったという。中国料理で重視される5大要素(品質、色彩、味、形、器)も整えられた。また、調理に関しては技術だけでなく学問として扱われるようになり、著書も多く出版されている。
北宋の時代には、現在の中華料理に多く用いられる、炒める、揚げるなどの油を使用した調理法も誕生した。南宋の時代には料理のメニューもかなり増えていったそうだ。

元の時代~清朝の時代:より豊富多彩な料理とこだわり

モンゴル帝国による支配から、少数民族の料理が加わりさらに多様化する。明の時代になると、宮廷料理が民間にも伝わり、会席料理が料理店で食べられるようになっていく。清朝時代には、「満漢全席」という100~200品ほどの豪華な会席料理が生まれる。数日間かけて食べるほどの内容で、中国全土の名料理を集めたものともいわれていた。また、食材や調理法へのこだわりも強まり、クオリティの高さを求めるようになったのもこの時代の特徴である。

封建王朝時代の終わり~現在

封建王朝から民国に代わる時代は、戦乱により料理の発展は見られなかった。満漢全席は廃れ、会席料理は8品で構成されるのが一般的となった。また、燕の巣やフカヒレ、アヒルなどの料理も増える。1980年代に入ると市場経済への転換から、中華料理業も再発展するようになっていく。一般庶民が多様な中華料理を食べる機会も増え、宮廷の高級料理という位置付けから、より広く親しまれる料理へと変化していった。

2. 中国の3大中華料理の歴史

料理
地域により異なる食文化があるため、中華料理(中国料理)にはさまざまな種類がある。とくに日本でも親しまれている3種類の料理について、歴史的背景とともに紹介しよう。

四川料理の歴史

唐辛子や山椒など、香辛料をふんだんに使用するため、辛みの強さが特徴である。盆地である四川は、夏と冬の寒暖差が激しく厳しい気候の地域である。発汗を促し病気を防ぐために、唐辛子などの香辛料を使うようになったそうだ。日本では知名度が低かったが、料理番組で中華料理としてアレンジしたものが紹介されたのをきっかけに広まっていった。麻婆豆腐や酸辣湯などが有名である。

広東料理の歴史

多種な食材を使用することと、辛みや香りをおさえたマイルドな味付けが特徴である。明や清の時代に、外交経済の発達により西洋料理の手法が取り入れられて発達した料理だ。飲茶も広東料理の一つである。日本人好みの味付けで食べやすく、日本でも広く親しまれている。燕の巣やフカヒレなどの高級食材を使った料理、酢豚、シュウマイ、海鮮チャーハンなど幅広い。

北京料理の歴史

油を使った濃厚な味の料理や、小麦粉を使った料理が多い。濃厚な味が好まれたのは、厳しい冬の寒さをしのぐためだったといわれている。小麦料理は、麦や雑穀が主食だったことが由来である。明や清の時代に宮廷料理として発達してきたという一面もある。そのため、華やかな料理も多い。北京ダックのほか、刀削麺、ジャージャー?、肉まん、水餃子、杏仁豆腐などが有名だ。

3. 日本の中華料理の歴史

ラーメンと餃子
中国料理の歴史は非常に長い。では、日本に伝わり中華料理として発展していった背景には、どのような歴史があるのだろうか。

日本の中華料理は長崎が発祥

江戸時代初期、鎖国政策により唯一中国との貿易が許可されていた長崎において、はじめて中国料理が伝えられた。長崎に伝わり広まった当時の料理は、中国料理と西欧料理を融合した卓袱料理や、中国式精進料理の普茶料理が主流だった。
鎖国政策が終わる明治時代以降には、華僑により長崎、神戸、横浜を中心に中国料理店が開かれるようになった。日本でも中国料理が一般的に食べられるようになり、少しずつ日本人向けにアレンジされた中華料理が普及していったのである。

日本発祥の中華料理

中国料理から変化した中華料理には、中国では食べられていないようなものもある。中華料理といえば思い付くような料理でも、意外と日本発祥のものかもしれない。代表的なメニューは下記の通りだ。
  • 焼き餃子:中国では水餃子が主流で、焼き餃子は余った水餃子のアレンジ
  • 天津飯:中国にはごはんにおかずをのせる習慣があまりない
  • 中華丼:天津飯と同様に、丼物は日本特有の文化
  • 酸辣湯麺:日本の中華料理屋で、まかないとして作られたもの
  • エビマヨ:広東料理人の周富徳氏が日本人向けに開発したもの

4. アメリカの中華料理の歴史

サンフランシスコのチャイナタウン
アメリカでも、日本と同様に中華料理が親しまれている。発祥のきっかけは、1848年にカリフォルニアで金鉱が発見されたことによるゴールドラッシュに伴い、労働力として中国系移民が増加したことといわれる。
現在、アメリカには半数以上の州にチャイナタウンが作られるほど中華料理が普及している。アメリカでの中華料理はバラエティ豊かで、アメリカ風にアレンジされた料理もある。オレンジチキンなどが、代表的なメニューだ。

5. 中華料理の調理法の歴史

炎の鍋パン
中華料理は調理法にもこだわりがある。代表的な中国特有の調理の仕方である、油通しと刺身についての歴史を紹介しよう。

中華料理の油通しの歴史

食材を炒める前に、一度油にくぐらせる作業を油通しという。手間がかかるため、中~上級の中国料理店で行われる調理法だ。油通しには、短時間で素材全体に均一に熱が入り、それぞれの食感や風味を維持できる、野菜の色が鮮やかになるなどのメリットがある。中国で油を使用して炒める、揚げるという調理方法が普及したのは北宋の時代といわれる。油通しもその時代以降に発達した技術と考えられる。

中華料理の刺身の歴史

広東料理の一つである順徳料理は、淡水魚などを主な食材とする。その代表的な料理が、「魚生」と呼ばれる刺身だ。順徳では3500~4000年ほど前から魚生が食べられてきたといわれる。淡水魚を用いる魚生の特徴は、活造りであることと、多種な薬味を添えることである。日本の刺身と中国の刺身はそれぞれタイプが異なり、発祥もそれぞれ自国によるものとされている。

6. 中華料理の歴史に詳しくなれる本

古い本のコレクション
中国料理、中華料理の歴史は深く興味深い。より学びを追求したい場合におすすめの書籍を紹介する。
・文春新書「中華料理四千年」譚 ?美 著
さまざまな中華料理の発祥や歴史、作り方などが学べる。2004年初版の192ページの新書版
・筑摩書房 ちくま文庫「中華料理の文化史」張 競 著
中国における中華料理の歴史がわかりやすく解説されている。2013年初版の288ページの文庫版
・慶應義塾大学出版会「中国料理の世界史~美食のナショナリズムをこえて~」岩間 一弘 著
世界に広がった中国料理と中国系料理の歴史が解説された新しい書籍だ。2021年9月初版の656ページ、四六版

結論

中華料理は中国料理が日本に伝わって変化したものだが、元々の歴史はかなり長い。時代によっても地域によっても異なる特色があり、興味深い料理である。親しみやすい中華料理も美味しいが、クラシックな中国料理も改めて味わいたいものだ。
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  • 更新日:

    2021年12月29日

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