目次
1. たけのこの旬の時期はいつ?

タケノコは通常は水煮の状態で販売されており、旬の時期のみ生のタイプが出回る。新筍と呼ばれる新鮮なタケノコが出回る季節は春である。3月ごろから収穫と出荷が始まるタケノコは、4~5月が最盛期となる。つまりこの時期がタケノコの旬なのである。タケノコの種類によっても異なるが、早ければ2月ごろに登場するものもある一方で、5~6月に旬を迎える品種もある。タケノコが収穫される産地や種類によって時期が多少ずれるものの、いずれにしても旬が春であることでは共通しているといえるだろう。
2. たけのこの種類と旬

タケノコの生産量が最も多いのが福岡県で、そのほか鹿児島や熊本など西日本で収穫量が多いほか、茨城のタケノコも有名である。普段はあまり意識することがないタケノコの主な種類とその旬について説明する。
孟宗竹(モウソウチク)
孟宗竹は日本の竹のなかでも最大級とされ、そのタケノコは日本の市場の大部分を占めるとされている。香り高く柔らかいという特徴がある。早掘りの孟宗竹は、鹿児島県においては12月ごろに出回ることもある。主要産地である九州では3月に旬を迎え、その時期は北上するにつれ5月ごろにまでずれ込む。
真竹(マダケ)
真竹は非常に用途が広い竹である。真竹のタケノコは苦味があるため、苦竹の別名もある。真竹は孟宗竹の旬と入れ替わるように、5~6月にかけて旬を迎える。九州地方と近畿地方が主要な産地で、歯ごたえのよさを特徴としている。
四方竹(シホウチク)
四方竹は中国や台湾を原産とする竹で、鑑賞用として愛される一面を持つ。四角竹の別名通り、稈が四角形で黄緑色をしている。そのタケノコは、非常に珍しく10月から11月の上旬に旬を迎える。高知県が主要な産地である。
根曲がり竹
根曲がり竹は山菜としても愛されてきた植物であり、標高700m以上の高地で自生する。太さは2cmほど、淡白な風味と歯ごたえのよさが特徴である。採りたての根曲がり竹であれば生食も可能である。旬は5~6月、北陸から北海道にかけて日本の北部で収穫されている。
3. 美味しい筍の見分け方

1年のうちで限られた期間にしか出回らない生のタケノコだけに、鮮度や品質を見分けるコツは案外知られていないかもしれない。旬のみずみずしさを味わうために、美味しいタケノコを選ぶにはどこに着目すべきか。要点をまとめる。
穂先が黄色い
まず注目すべきは、タケノコの穂先である。タケノコの頭頂部は、黄色い色をしていることが望ましい。穂先の黄色は、タケノコの全体が土に埋もれていた証拠である。穂先が太陽光に当たると緑色に変色し、えぐみが出ることが多いためである。
根元が白い
タケノコの根元の部分は、白っぽい色をしていれば収穫後時間が経っていない証拠となる。時間が経ったタケノコの根元部分は、水気がなくなり茶色に変色していくのである。茶色になったものは、味にえぐみが出ることが多くなる。
皮が薄茶色
タケノコの皮は、薄茶色をしているのが理想的である。緑色を呈していたり茶色がかったものは、日光が当たりえぐみを増していることが多くなる。皮の部分は少し湿っぽさを有しているほうが鮮度が高い可能性がある。
4. たけのこの下処理方法

生のタケノコの美味しさは特別であるが、下処理の手間を厭う人は多いかもしれない。鮮度が落ちると風味にも影響するため、タケノコは素早い下処理の有無が美味しさを保てるかどうかを決めるのである。その下処理の方法を紹介する。
外側の皮を数枚剥く
皮つきのタケノコが手に入ったら、まずは土を軽く洗い落とし外皮を2~3枚除去する。それ以外の皮を残す理由は、タケノコの旨みを閉じ込めるためである。また、皮つきで茹でたほうがアクがしっかり抜けるといわれている。
根本と穂先を切り落とし、切込みを入れる
タケノコの穂先にはアクが集中しているため、その部分を3cmほど切り落とす。タケノコが湾曲になっているほうを上にし、根元から上部まで縦の切り込みを入れる。こうすることで火が通りやすくなるうえ、皮も剥きやすくなる。
米ぬかと唐辛子、水を鍋に入れる
鮮度が落ちるとえぐみが出るタケノコは、茹でるときに米ぬかや米のとぎ汁、また唐辛子を加えることでより美味しくなるというのが通説である。1つの鍋でタケノコを茹でる際には、米ぬかをひと握り、唐辛子を1本用意して鍋に投入する。これはあくまで目安であるため、臨機応変に対応しよう。茹でる際には水から火にかけるのが基本である。
落しぶたをし、茹でた後に湯止めする
タケノコを鍋に入れる際には、切り込みを入れた面を下にする。また茹でる際には、落しぶたを忘れないようにする。ふたがない場合には、アルミホイルで代用も可能である。タケノコは茹でている最中に浮き上がってくることがある。これを防ぐための落しぶたである。タケノコは空気に触れると変色してしまうため、色目をきれいに保つためのコツなのである。茹で時間は中火で30分を基本とし、状況に応じて対応する。
5. 筍で作る美味しいレシピ

タケノコは混ぜごはんや天ぷら、味噌汁など、さまざまな調理に応用できる。マンネリ化を防ぐため、おかずとしてだけではなくおつまみとしても楽しめるレシピを紹介する。常備している食材で簡単にできる一皿、ぜひトライしてみてほしい。
筍のペペロンチーノ
にんにくと唐辛子でアクセントを利かせたタケノコの料理、それがペペロンチーノである。にんにくと唐辛子を細かく切って、フライパンに入れたオリーブオイルでよく風味を出す。一口大に切ったタケノコをフライパンに加えて、塩で軽く味付けをするだけである。にんにくの風味でお酒が進むほか、白いごはんとの相性も抜群である。時短かつシンプルなレシピで、旬のタケノコの美味しさを心ゆくまで堪能できる。
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結論
かすかに土が香る掘りたてのタケノコは、まさに春の風物詩の趣である。しかし品種によっては、その旬の時期がずれたりあるいは秋に収穫するタケノコも存在する。生のタケノコを購入する際には、鮮度や品質を見極めるコツも覚えてくとよいだろう。鮮度が命のタケノコは、入手後に間をおかず下処理をするのが基本である。鮮度を保ったタケノコで、さまざまなレシピに挑戦してほしい。
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