目次
- カロリー/46kcal
- 酢酸/4.4g
- ※1、5:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17016_7&MODE=0 - ※2:国立研究開発法人科学復興機構「食酢の食後血糖上昇抑制効果」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/54/3/54_3_192/_article/-char/ja/ - ※3:厚生労働省「血糖値」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-085.html - ※4:国立研究開発法人科学復興機構「酢酸の生理機能性」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/67/4/67_171/_pdf/-char/ja
1. 酢の物は体にいい?栄養や健康への効果効能とは

お酢は体にいいといわれることが多い。これはお酢が発酵食品のひとつで、体に効果的な成分を多く含んでいることが大きな理由だ。お酢は米や穀物など、糖質を含む食材をアルコール発酵させ、その上で酢酸発酵を促した調味料である。さまざまな種類があるが、無駄なものが入っていないきちんとしたお酢を選ぶのがおすすめだ。ここではまず、酢の物の鍵となるお酢の効果を詳しく解説しよう。
お酢の主な栄養素
酢は、米、穀物、りんご、ぶどうなど、さまざまなものを原料に世界中で作られている。お酢にはカルシウムの吸収をアシストする酢酸が多く含まれている。肉や魚などタンパク質を柔らかくする効果もある。
米酢100gあたり(※1)
カロリーは低く、酢酸が多く含まれているのが特徴だ。
血糖値上昇の抑制効果
お酢には、血糖値の上昇を緩やかにする効果があるという研究結果が発表されている。血糖値は、一般的に空腹時に低く、食後に上昇するもので血中のグルコース濃度を指す言葉である。グルコースとはブドウ糖のことだ。(※2)
血糖値は健康な人であっても、上記の通り空腹時と食後で一定の幅で変化する。しかし、糖尿病など、疾患のある人はその振れ幅が大きくなる。血糖値が急激に上がると体への負担が大きい。この問題を解決する手助けをしてくれるのがお酢というわけだ。(※3)
疲労回復効果
運動後の疲れに効くとされているのがアミノ酸とクエン酸である。疲労の根源とされる乳酸の代謝に効果的で、酢にはこれらが含まれていることから、疲労回復効果があるとされている。
抗菌効果
お酢はその高い抗菌作用があることでも知られている。この作用を生かして保存食にも活用されてきた。酢飯やらっきょう、ピクルスなどがそれに挙げられる。お弁当にもお酢を上手に使うといい。
食欲増進効果
梅干しをみると唾液が出てくる、そんな現象を経験したことがある人も多いことであろう。酸味の香りと味わいには、唾液の分泌を促す効果がある。さっぱりとしていることもあり、夏バテのときなどでも喉をするりと通りやすい。食欲増進効果があるとされるのはこのためだ。
高血圧の抑制効果
高血圧の抑制に効果があるとされてきた黒酢、近年の研究結果では多くの食酢が抗高血圧作用、すなわち高血圧を抑制する効果があるとされている。これはお酢に含まれる酢酸が作用しているものと考えられる。また酢を使うとメリハリが生まれるため、塩味が少なくても味わいのバランスが取りやすい。高血圧に関係しうる減塩にも効果を発揮してくれそうだ。
2. 具材別:酢の物の栄養価とカロリー

お酢は、古くから愛されている調味料であり、その効果は多岐に渡っていることがわかった。近年、研究が進み、よりその効果が詳しく解明されつつある。そんなお酢を使った酢の物は、体にいいといえるだろう。酢の物の基本は三杯酢など、甘みのある甘酢で素材を和えたものだ。ここでは合わせる素材によってカロリーや効能に違いがあるのかを確認していこう。
タコの酢の物の栄養成分
酢の物と相性がいいとされる魚介類の代表がタコである。酢ダコなる食品があることからもその相性のよさがうかがえる。きゅうりと合わせて酢の物にされることが多い。
100gあたり44kcal
およそ1食分59.3gあたり26kcal
タコのタンパク質が多くを占め、脂質は少なめ。炭水化物に占める割合は、糖質がほとんどで、食物繊維は少なめだ。タコに含まれるタウリンを摂取することができる。きゅうりが入っているので、ビタミンKもやや多めだ。
春雨の酢の物の栄養成分
給食の思い出が蘇る人も多いかもしれない、春雨の酢の物。きゅうりとハム、ごま、にんじんなどが入っているのが定番で、ゴマがアクセントになっている。
小鉢1杯分およそ77kcal
春雨が入る分、炭水化物量がぐっと増える。逆にタコの酢の物に比べるとタンパク質量は減る。
きゅうりとわかめの酢の物の栄養成分
酢の物の王道といえば、きゅうりとわかめの組み合わせであろう。
100gあたり61kcal
およそ1食分37.5gあたり23kcal
きゅうりに多く含まれるビタミンKとわかめに多く含まれるヨウ素を摂取することができる。脂質もほぼないので、ヘルシーな副菜としても重宝する。
野菜の酢の物の栄養成分
酢の物は、どんな野菜でも作ることができる。もやしやにんじん、大根、玉ねぎなども美味しい。
100gあたり
甘酢/116kcal
三杯酢/85kcal
寿司酢/150kcal(※5)
酢の物に使える酢のカロリーからすると三杯酢で和えるのが最もヘルシーといえるだろう。それぞれ野菜によって栄養価が異なるので、緑黄色野菜が摂取したい場合は人参や青菜、よりヘルシーに仕上げたい場合はもやし、食物繊維を摂りたい場合は切り干し大根など、アレンジするといい。
もずく酢の栄養成分
カップ入りで販売されているなど、より食べやすいもずく酢。1人前あたり(60g)でおよそ37kcalだ。もずくにはミネラルが豊富に含まれており、食物繊維も多い。もずく自体のカロリーが非常に低いため、前述のような酢の物に適した酢を投入したとしても、低カロリーといえるだろう。
3. 酢の物の栄養摂取ポイント

酢の物に使われる酢は、健康効果が高い。さらに酢の物にするとほかの栄養素も併せて摂取することが可能だ。また総じて、カロリーが低めなので、体型が気になる人の食事にも重宝してくれそうである。そんな酢の物をより、効果的に摂取するポイントをチェックしていこう。
醸造酢を選ぶ
調味料のなかでも非常に歴史の古いお酢。前述の通り、アルコール発酵ののち酢酸発酵させたものが基本である。一般的に販売されているもののなかでも、その基本に則り作られているのが醸造酢である。対して、より安価に作るためにさまざまなものを合わせて作られているのが合成酢だ。ただ、一口に醸造酢といっても原材料も製法もさまざまなので醸造酢だから、栄養価が高い、安心などと決めるのは危険。せっかくの栄養素をきちんと摂取するためにも、製法と原材料をしっかりチェックして選びたい。
摂りすぎないようにする
酢の物が体にいいといっても毎日、毎食食べる人は、あまりいないだろう。どんな食品にせよ、食べ過ぎは禁物である。お酢は、歯のエナメル質を溶かす、胃腸に刺激を与えすぎるなどのデメリットもあるので、摂りすぎには注意したい。
結論
お酢は体にいい調味料である。そのお酢を使った酢の物は、健康効果はもとよりヘルシーなので、毎日の食事に上手に取り入れたい料理といえそうだ。ただし、何事もやりすぎは禁物である。また酢の物は甘みが強いと食べやすいがその分、カロリーも増えてしまうので、その点も注意して取り入れたい。
(参考文献)
この記事もCheck!