目次
- 炭水化物 23.5g
- たんぱく質 1.7g
- ビタミンC 6mg
- リン 70mg
- カルシウム 39mg
- (※1,5,11,15)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - (※2,10,14)公益財団法人長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/ - (※3,4,12)厚生労働省【e-ヘルスネット】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - (※6)一般財団法人 脳神経疾患研究所 総合南東北病院
https://www.minamitohoku.or.jp/information/minamitouhoku/201404/memo.html - (※7)江崎グリコ株式会社【栄養成分百科】
https://jp.glico.com/navi/dic/dic_11.html - (※8)一般財団法人 脳神経疾患研究所 総合南東北病院
https://www.minamitohoku.or.jp/information/minamitouhoku/201606/memo.html - (※9)富山県農林水産総合技術センター
https://taffrc.pref.toyama.jp/nsgc/shokuhin/webfile/t1_dfb81c37440b8cce4aa4383f8ca2e97f.pdf - (※13)東京かつしか赤十字母子医療センター
https://katsushika.jrc.or.jp/info/10_5db400dba7129/
1. たけのこの主な栄養素と効果効能

たけのこは美味しいだけではなく、実は栄養が多く含まれる野菜だということをご存知だろうか。たけのこに含まれる豊富な栄養素の、それぞれの働きや含有量を紹介しよう。
食物繊維
たけのこの独特な歯ごたえの正体は、食物繊維だ。食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、たけのこ100gあたりに含まれる食物繊維は不溶性が2.5g、水溶性が0.3gと、不溶性の方が多く含まれている(※1)。不溶性食物繊維は腸を刺激する働きがあるため、便秘の改善が期待できる。また、身体にとって余分な糖質や脂質などの成分も排出してくれる(※2)。
カリウム
たけのこにはカリウムが100gあたり520mgと多く含まれている(※1)。カリウムは体内の塩分量を調節し、血圧の上昇を抑える働きがある(※3)(※4)。積極的に摂りたい栄養素の一つだ。
チロシン
たけのこの節の間に見られる白い点に含まれているのがチロシンだ。たけのこ100gあたりに180mg含まれており、脳を活性化する作用があるためうつ病の改善に効果があるとされている(※5)(※6)。
亜鉛
たけのこ100gあたりに1.3mg含まれており、粘膜や皮膚などの健康を保つために重要な栄養素である(※1)。味覚を正常に保つ働きがあり、不足すると味覚障害の原因になるので、日頃から意識して摂るとよいだろう(※7)。
アスパラギン酸
名前の通りアスパラガスに多く含まれる栄養素だ(※8)。たけのこには100gあたり670mg含まれている(※5)。即効性の高いエネルギー源でもあり疲労回復にもよいとされ、アスパラギン酸を含むスポーツ飲料もある(※6)。
ポリフェノール
たけのこ100gあたりに65mgのポリフェノールが含まれている(※9)。ポリフェノールには活性酸素など有害な成分を無害な成分に変える働きがあり、生活習慣病を予防する。水に溶けやすいという特徴があるので、効果を継続させるためにも毎日適度に摂取するとよい(※10)。
2. たけのこの栄養価とは?栄養がないといわれる理由

たけのこには食物繊維やカリウムなど、身体によい働きを促す栄養素が含まれているのに、なぜ栄養がないと思われてしまうのか。その理由を栄養素の含有量と絡めて説明していこう。
たけのこの栄養価(※1)
上記であげた栄養素以外の成分は量が少ないため、「たけのこは栄養がない」と思われがちだ。量は少ないが、実は含まれている栄養成分の種類は豊富である。
ほかにもさまざまな栄養素が含まれており、たけのこを食べることでまんべんなく栄養を摂れるのだ。
たけのこはカロリーや糖質も低い
栄養素を多く含むたけのこだが、茹でたたけのこの100gあたりのカロリーは31kcal、糖質が2.2gと低カロリーだ(※11)。便秘予防効果のある食物繊維も多く含まれているので、ダイエット向けの食材といえる(※2)。
3. たけのこの栄養成分は食べ過ぎるとどうなる?

ここまでたけのこの栄養素について紹介してきたが、身体によい働きが起こるのは適切な量を摂取した場合である。たけのこを過剰に摂取することで起こりうるデメリットをお伝えしよう。妊婦への影響や、一日の適切な摂取量もあわせて紹介する。
食べ過ぎのデメリット
たけのこに含まれる食物繊維は水分を吸収し便の容積を増やすことで腸を刺激し、便通を促す作用がある。そのため多く摂りすぎると、逆に腸を詰まらせる原因になる(※2)。しかし近年では、日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にある(※12)。18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上が目安となっているので、目安を大きく超えない程度で摂取するとよい(※2)。
妊婦への影響は?
結果から言うと、妊婦がたけのこを食べても問題はない。栄養素が豊富に含まれているので積極的に摂っていただきたいが、上記でもお伝えしたように過剰に摂取してしまうと便秘の原因になる。とくに妊娠中は便秘に悩む妊婦も多い(※13)。便秘が悪化しないよう、摂取量には注意が必要だ。
一日の摂取量の目安
一般的な1日の摂取基準量は食物繊維が20g前後、カリウムが2,000mg以上とされている。たけのこ100gに含まれる食物繊維は2.8g、カリウムは520mgのため、たけのこだけで摂取するのは困難だ(※2)(※14)。デメリットで説明したように過剰に摂取すると便秘の原因になる。美味しくかつ、豊富な栄養素を吸収するためには小鉢1皿分に留めておくとよいだろう。ほかの野菜と組み合わせ、無理なく必要な量の栄養素を摂ろう。
また、下処理の際に大切なのがアク抜きの作業だ。米ぬかや米のとぎ汁を使った方法があり、少し手間はかかるがしっかりと処理することで美味しく食べられる期間が長くなる。収穫してから日が経つにつれアクが強くなるので、手に入れたらすぐにアク抜きをしよう。
4. たけのこ加工品の栄養価

たけのこにはいろいろな調理方法や味付けでいただける食材だ。ここでは、栄養価のあるたけのこの加工食品を紹介しよう。
メンマの栄養価
生のたけのこ100gのカロリーは27kcalで、食物繊維が2.8g、カリウムが520mg含まれている。それに対しメンマのカロリーは15kcal、食物繊維が3.5g、カリウムが6mgだ(※1
)(※15)。メンマに加工されると、カリウムの量は減少するが食物繊維は増加する。カロリーは商品によって異なるが、生のたけのこより低カロリーだ。小鉢やおつまみなどアレンジもできるので、気軽に栄養を摂ることができる。
結論
栄養がないと思われがちなたけのこだが、ふたをあけてみると多くの栄養素が含まれていた。しっかりと下処理を行い摂取量に気をつければ、あとは好きな調理方法で食べるだけだ。煮る、焼く、炒めるなど、どんな調理方法でも美味しくなるたけのこは、まさに優秀な野菜といえる。たけのこを手に入れた際は、ぜひこの記事を参考にしていただきたい。
(参考文献)
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