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お椀 蟹のしんじょの湯葉包み揚げ

懐石の意味とは?会席料理との違いや懐石料理の由来も解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2022年1月18日

懐石料理と会席料理、同じ「かいせきりょうり」という読み方だが、そもそもはまるで異なるものだということをご存知であろうか?今回は、知っているとちょっとしたときに役立つ和食の基礎知識、懐石料理と会席料理の違いについてリサーチしていこう。

  

1. 懐石料理とは?

茶事の炉と釜
懐石料理とは、お茶の席で空腹を一旦落ち着かせるために供される料理のことである。美味しくお茶を飲んでもらうための料理とも言い換えることができる。生まれは茶の湯が完成した、安土桃山時代とされている。一汁三菜が基本で、茶の湯の侘び寂びと同様、季節のものを使い、亭主が来客をもてなすのが原則だ。メインはあくまでもお茶なので、量も少なめである。

会席料理との違い

会席料理は、江戸時代頃に生まれたものだ。江戸時代はさまざまな文化が花咲いたことでも知られるが、食もそのひとつ。より美味しさや美しさ、その意味にこだわることができるようになるなかで生まれたのが宴の食事、会席料理だ。会席料理とは、日本の食の基礎となった本膳料理と懐石料理のいいとこ取りをした、みんなが集まるときに食べる宴の料理である。
懐石料理は茶会の料理、会席料理は宴の料理と、実はまるで異なるものだったのだ。

2. 「懐石」の由来

茶事の道具
懐石料理は茶会のための料理で、本来は我々が想像するよりも質素でシンプルなものである。ここではその懐石料理の名前の由来や歴史について学んでいこう。

語源は温石

懐石料理は、茶の湯、茶事との関係が深い。懐石の語源となったのは温石(おんじゃく)、つまり温めた石のことである。その昔、禅宗の修行僧は1日1食が基本であったため、いつも腹を空かせていた。彼らはこの空腹をなんとか紛らわすため、そして冷えた体を温めるために温めた石を懐に入れていたのだ。いまでいうカイロのような役割である。
温石の空腹をしのぐという意味合いが、茶の湯の前に空腹を落ち着かせるという意味に通ずることから、懐石料理という言葉が誕生したという。

茶懐石と懐石料理

千利休が茶の湯を完成させた安土桃山時代。茶事に欠かせないものとされていたのが懐石料理だ。当時は懐石と呼ばれていたとされている。侘び寂びをここでも継承し、季節のもの、シンプルに味わうものがよしとされ、茶の湯を開催する主人が来客をもてなす意味合いも大きかった。
現在の懐石料理は千利休の懐石を主としながらも、より品数を増やしたものが主流である。昨今では会席料理との境界線が曖昧になっている節もある。

3. 本来の懐石料理のメニュー

日本茶 抹茶
前述の通り、懐石料理とはそもそも茶を嗜む前に食べる料理である。腹を満たすというよりは、空腹を落ち着ける意味合い、そして主催者側が客人をもてなすという意味合いが強い。このため、本来は一汁三菜が基本である。ここでは茶事の前に食べられる本来の懐石料理のメニューを解説していこう。

一汁三菜

一汁三菜は、折敷と呼ばれる脚のない盆にのせて、1人1人に供される。一汁は味噌汁、三菜は向付、煮物、焼物を指す。ここに炊きたての米が少量添えられる。向付には刺身が使われることが多い。どの料理も旬の食材を使用していることが原則で、ここにも侘びと寂びが感じられる。ちなみにこれらと椀物以外は、人数分が1つの器に盛られているので、添えられた取り箸で各々の皿に取っていくスタイルが基本だ。

強肴

酒が進むような珍味を指す言葉で進め肴と呼ばれることもある。

箸洗

シンプルなお吸い物でその名の通り、箸を洗うというような意味も含んでいる。ごく少量の場合が多い。

八寸

八寸とは、四角い杉の盆のことである。この盆に盛り付けられた料理のことも八寸と呼ぶ。古くはこれに海の幸と山の幸2種を載せるのが定番であったが、いまは増やすところも多い。

湯桶と香の物

蕎麦湯が入っているような湯桶と呼ばれる器に入った重湯と漬物のこと。重湯は釜に残ったおこげに水を入れて炊き、薄味をつけた物である。この湯桶で器を綺麗にして、感謝を表すのがしきたりだ。

菓子と茶

ここからが茶事の本番で、濃茶と菓子が振る舞われる。

4. 現代の懐石料理のメニュー

懐石料理
昨今ではこのそもそもの懐石料理のもてなすという意味合いを、宴のための会席料理とミックスさせた料理も多い。ここではそんな現代スタイルの懐石料理や会席料理について詳しくみていこう。

先付け

居酒屋でいうところのお通し的な存在。お酒や飲み物を一口飲んだ後に食べる物で、さっぱりとした味わいのものが多い。酸味のあるなますや珍味、和え物などがある。

椀物

椀物は、旬の肉や魚の入ったおすましが基本だ。汁物を飲むとほっとする、胃が温まるなどの意味合いも含んでいる。

向付

刺身が基本で、現在は数種類盛り合わせることが多い。

焼物

旬の魚を焼いたものが定番だ。頭が左になって盛り付けられている。

箸休め

小さめの吸い物で、料理の味を一旦落ち着かせたり、次の料理への口直し的な意味合いを含んでいる。シンプルな味わいが基本だ。

八寸

海の幸と山の幸がふんだんに盛り付けられた皿。元々は八寸と呼ばれる盆に盛られていたが、いまではさまざまな皿が使用される。

炊き合わせ

素材をそれぞれ煮て、炊き合わせたもの。滋味深い味わいと丁寧な仕事を感じる飾り切りなどが特徴。

ごはん

数種類の漬物と炊きたてのごはん。赤だしや味噌汁がつけられる。

菓子

和菓子やフルーツなどで食事が終わる。

結論

懐石料理とは、本来は茶事を迎えるための食事であった。対して会席料理は人が集まる宴のための料理だ。懐石料理は茶事との繋がりが深いことから、どこか難しいイメージを持たれがちだが、実際はおもてなしの心を感じさせることが基本。いまでは懐石料理と会席料理の区分けは曖昧になりがちだが、一度それぞれの意味や意義を考えながら、いただいてみたいものである。
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  • 更新日:

    2022年1月18日

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