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五法における「生」とは?日本料理の基本となる調理法の極意に迫る

五法における「生」とは?日本料理の基本となる調理法の極意に迫る

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 出口美輪子(でぐちみわこ)

2020年4月 2日

日本料理は五法という調理法に基づいて作られる。その五法のひとつ「生」は、刺し身のことを指すのだが、単に鮮魚を切って並べるだけの刺し身ではなく、その奥義について今一度確かめてみる。

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1. 日本料理の基本は「五◯」

日本料理の調理法は五法といって「焼く、揚げる、煮る、蒸す、生」の五種類がある。これは中国の陰陽と五行説を基本に考えられたもので、五法の調理法の他、五味(味覚の辛・甘・酸・苦・鹹)や五色(白・黄・赤・青・黒)といった考え方も料理に取り入れられている。和歌山県の高野山にはたくさん真言宗の寺院があるのだが、そこの精進料理は、五法、五味、五色のほか「五禁」で定められている、「ねぎ、らっきょう、にら、にんにく、しょうが」は使用できない。これらの食材は、香りが強いため精進料理には向かないのである。さらに、五法、五味、五色に加え、「五適」「五覚」という考え方もあり、五適は「適温・適材・適量・適技・適心」を表している。「適温」は冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温かいうちにという意味で、「適材」は年齢や性別に適した料理、適量はほどよい量、適技は手を加える加減、適心はおもてなしの心という意味である。そして、「五覚」は、五感をフルに活用して料理をいただくことで、料理の作り手だけでなく、食べる側にも感性が求められる。ここでは、この中から調理法である五法のひとつ「生」について、その考え方を紹介する。

2. 「生」とは

五法のうちの生とは、刺し身の調理法のことである。日本は四方を海に囲まれ、豊かな漁場が近海に広がっている。そのため、四季折々の新鮮な海の幸に恵まれ刺し身、つまり魚に煮る、焼くなどの手を加えず、生で食べる食文化が根付いたのである。生とはいうものの、そのまま食べるのではなく、魚の味わいを引き立てる醤油や味噌、酢などの調味料を使用する。そして、時季に合わせたつまを添えて出すのが刺し身である。さらに魚の状態や個性を熟知し、切り方や盛り付けに工夫をこらすのも腕の見せ所である。

切り方は主に平造りやそぎ切りという手法が用いられ、包丁の重みを利用してすっと手早く包丁を引いて切る。そのため包丁は、重量や長さがある刺身包丁(柳刃包丁)が適している。
ちなみに、関東と関西では刺身包丁と呼ばれるものの形状がかなり異なる。関東の刺身包丁は全体が四角く先端が尖っていないが、関西のそれは日本刀のような形状で先端が鋭い。
この関西における刺身包丁は「柳刃包丁」といわれている。つまり柳場包丁は刺身包丁の一種を指すのだ。なお、関東の刺身包丁は「蛸引き」と呼ばれることもある。

刺し身の場合、切り方とともに盛り付けも重要な要素になっている。盛り付ける時は、包丁の刃があたったほうを必ず表にする。そして、魚の鮮やかな色や形が引き立つよう、向こう側を高く、手前を低く盛り付ける。わさびは右手前、つけ醤油は盛皿の右下に置くのが正しい作法である。

3. 刺し身の切り方、「つま」の意味

●刺し身の切り方

刺し身を切る時は食べる直前に切り、魚の種類や状態、盛り付けによって切り方を変える。平造り(ひらづくり)といって、すべての切り身を美しい立方体に切り揃える方法がある。平造りにした刺し身をすべてぴったりとくっつけ、一文字に盛る方法は茶懐石で用いられる。また、切った刺し身をわずかにずらして盛る方法は「切り重ね」と呼ばれ、量が多く見えるため魚屋やスーパーでよく使われる。同じ切り方をしても、盛り付け方によって呼び名も雰囲気も変わるのである。「角造り」という切り方は、包丁を倒さず垂直に立てて一口サイズの角形に切る方法だ。角をきれいに立て、大きさを揃えるのがポイントである。その他、「薄造り」という切り方では、そぎ切りよりもさらに薄く切る。鯛やヒラメは繊維質が多いため、薄造りにしたほうが食感がいいのである。

また、刺し身には「つま」が添えられるのだが、「つま」は季節や魚介に合わせて選ばれる。大根やにんじんをごく細く切ったものやきゅうりや青じそ、花穂じそ、紫芽などが口直しや消毒も兼ねて用いられる。

結論

スーパーなどで切り身を買った際は、盛り付けやつまにこだわるだけで一層美味しく感じられるものである。切り方や盛り付け方など、ひとつひとつ正しい形や意味にこだわって作ってみるのも良いのではないだろうか。

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