1. 刺身にすると美味しい魚を見分けよう
マグロ
新鮮なマグロは、鮮やかな赤色をしている。とくに透き通るような綺麗な赤色をしているものがおすすめだ。スジは、横縞になっているものを選ぶのが正解である。木材のようなU字型のスジをしたマグロの柵は、食感が悪くなるので注意したい。
カツオ
血合いの色に濁りがなく、透明感のある鮮やかな色をしているものを選ぶようにしよう。皮と身の間に薄いピンクの脂がのっているカツオが理想的だ。カツオは鮮度が命の魚だといわれる。切り口が虹色に見えるものは鮮度が低く、生臭いので避けるようにしよう。
ブリ
ツヤがあり、血合いの色が鮮やかで黒ずんでいないものを選ぶとよい。ブリは、カットしてから時間が経つと切り口のエッジがなくなってくる。角がシャープになっているものを選ぶのも目安のひとつといえるだろう。
イカ
ツヤのある白色のものを選ぶのがポイントだ。鮮度の低いイカは、ぼやけたような乳白色をしている。
タコ
鮮度のよいものは、暗い赤色でツヤがある。一般的に、メスのタコのほうが美味しいと好まれることが多いようだ。見分け方は、吸盤の並びにある。大きさが綺麗にそろっているものがメスだと覚えておくとよいだろう。
2. 刺身の切り方の種類
平作り
赤身から白身の魚まで、全般的に使える刺身の切り方だ。全体の柵の厚みが異なる場合は、低いほうを手前側におくのが基本である。まず包丁の根元部分を魚の右にあて、手前に引くようにして一気に切る。刃先がまな板にあたったら、そのまま右へ寄せて並べていく。刃の根元から刃先を使ってすっと切り離すイメージで切るとよい。スジがある赤身の柵は、スジに対して直角に包丁を入れるように切っていく。
そぎ作り
白身魚やイカなどに用いる切り方だ。柵は皮目を上に、厚みが低いほうを手前におこう。左側から順に切っていくとスムーズだ。包丁を寝かせ、斜めに薄くそぐような感覚で切っていく。柵をおさえた手の下に包丁が通るイメージで練習するとよい。切った刺身は、重ねるように寄せておく。白身魚は、弾力のある歯ごたえを残すよう、繊維に沿って切っていくのがポイントだ。
細作り
アジ、サヨリ、キスなど身の薄い魚に適した切り方である。皮目を上におき、右側から包丁を立てるようにして細い引き切りにしていく。幅のない細身の魚は、斜めに引くとよい。
波作り
タコは、醤油などの調味料がからみやすいよう波作りする。包丁を2~3mm入れたところで上下に動かし、波打つような切り口に仕上げる。
3. 刺身を上手に切るコツ
包丁の持ち方
包丁は、刃の根元から指1本分下を持つとよい。ポイントは、人差し指を包丁のミネにあてることだ。人差し指に力を込めて包丁を動かすと、驚くほど上手に刺身が切れるだろう。また肘、肩、腕の力を抜くことも忘れてはならない。練習を重ねて正しい包丁の使い方を身につけよう。
包丁の使い方
刺身を切るときは、脇をしめ包丁を後ろに引くような感覚で動かすとよい。刃の端から端を使うようにすると上手に切ることができるだろう。また、包丁を動かしやすいよう、まな板の手前側に刺身をおくのがおすすめだ。
4. 刺身の盛りつけのポイント
刺身は、彩りを考えながら盛りつけるとバランスがよく見える。また、左奥から右手前に向かうよう盛りつけていくと、自然な見ためになるだろう。同じ種類を盛るときは、左正面になるよう盛りつけるのがポイントだ。少しずつずらしながら、切り口の部分を見せるように並べるとよい。
結論
刺身を作る場合、普段とは包丁の持ち方が異なるため、慣れるまでは時間がかかるかもしれない。しかし、新鮮な魚の見分け方や包丁の使い方を知っていると、刺身の味も断然違ってくる。人を招く際に、刺身を作ってもてなすこともあるだろう。盛りつけも意識して、ぜひ自宅で美味しい刺身を味わってほしい。