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一汁三菜とは?その基本と歴史、普段の食事での取り入れ方を紹介!

一汁三菜とは?その基本と歴史、普段の食事での取り入れ方を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

2020年11月18日

和食の基本的な形式である一汁三菜。その名前の通り、主食・汁物・主菜・副菜二種で構成された日本料理(本膳料理)のことだ。身体や健康に必要な炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂ることができる一方で、塩分の摂りすぎや乳製品・果物の不足などに注意する必要がある。そこで今回は一汁三菜の歴史、普段の食卓への取り入れ方、注意点などを紹介する。

  
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1. 一汁三菜を知るために覚えておきたい用語集

一汁三菜のことを知りたいなら、まずは和食に関係する用語を理解しておくほうがよい。和食の歴史は長く時代によって意味合いは変わることもあるが、基本的な用語とその意味は以下のとおりだ。
  • 和食:日本料理や日本での家庭料理のこと。洋食との対比的な言葉である
  • 日本料理:和食とほぼ同義だが、主に懐石料理や精進料理、おせち料理などを指す
  • 本膳料理:日本料理の正式な膳組みのこと。懐石料理や会席料理は含まない
  • 膳組み:日本料理の献立を立てるときにどの料理を出すか決めることをいう
  • 一汁三菜:膳組みの一種。主食・汁物・主菜・副菜二種で構成されている

2. そもそも和食(日本料理)とは何か?

和食には懐石料理や会席料理、おせち料理などの日本料理のほか、日本の家庭で食べられる家庭料理なども含まれる。まずはそんな日本人がよく食べている「和食」について学んでいくとしよう。

四季折々の食材を生かした日本が誇る食文化

和食(日本料理)の特徴は、第一に「料理に旬の食材を取り入れて季節感を出している」ということだ。また、土地や地域により栽培・収穫できるものが異なるため、日本人はその土地ならではの食材を活かして独自の食文化を発達させてきた。さらには、形・大きさ・色・材質などが異なる食器類を季節や料理に応じて使い分けている。これらは洋食には見られない「日本独自の食文化」だといえる。

2013年にはユネスコ無形文化遺産に登録

日本が世界に誇る伝統文化のひとつ「和食」は、2013年にはユネスコ無形文化遺産に登録されている(※1)。2011年7月頃より日本食文化を無形遺産へ登録する動きが始まり、翌年の2012年3月にユネスコへの申請書を提出。2013年12月にユネスコ内で和食の登録が決定された。この登録においてはとくに先述の「四季」「調理器具」のほか「一汁三菜の栄養バランス」を和食の特徴としている。

3. 一汁三菜とは?膳組みの基本も紹介!

和食の特徴である一汁三菜。これは膳組みの一種であり、ほかにも一汁一菜、二汁五菜、三汁七菜などいくつか種類がある。そこで膳組みの基本を説明しながら、一汁三菜の特徴を紹介していこう。

膳組みとは何か?

膳組みとは、一人前の膳(食器を乗せる専用の台)の上に並べる料理の種類・品数を決めることをいう。その形式を表した言葉が一汁三菜や二汁五菜、三汁七菜などである。たとえば、一汁三菜なら汁物一品・主菜一品・副菜二品であり、二汁五菜なら汁物二品・主菜一品・副菜四品で構成される。なお、一汁三菜の場合は膳の数は一つだが、二汁五菜の場合は三つ(本膳・二の膳・三の膳)になる。

一汁三菜の並べ方

膳組みでは、茶碗や小鉢の並べ方(置く位置)も決まっている。たとえば、膳組みの基本となる一汁三菜は、向かって左手前にご飯、右手前に汁物、右奥に主菜、左奥に副菜、中央に副々菜を置くというルールになっている。この位置に置く理由には、日本の伝統的な礼儀作法の「左上位」に則っているから、椀や皿の形を考慮して料理を食べやすくしているからなど、いくつか説があるそうだ。

一汁三菜の起源

日本では伝統的に一人ひとりに独立した膳で料理が振る舞われていた。その起源は正確には分からないものの、平安時代には「膳で食べること」が定着していたと考えられている。そして、膳に振る舞われていた料理の数は一汁三菜であったとされている。なお、客人をもてなすときは膳の数を増やして、二汁五菜や三汁七菜などのようにして料理を提供していたそうだ。

一汁三菜の現在

テーブルで食べることが多くなった現代では、食事のときに膳を使う機会は少なくなった。もし現代で膳を見るとするなら、日本の料亭や旅館などの限られた場所になるだろう。しかし、現在でも一汁三菜という献立の組み方は残っている。この理由は一汁三菜にすることで、食事による栄養バランスを整えることができるからだ。そのため、時代は変わったが和食の基本は「一汁三菜」となっている。

4. 一汁三菜のそれぞれの役割と代表的なメニュー

一汁三菜を基本にする場合、献立はご飯(主食)、汁物、主菜一品、副菜二品となる。ここではそれぞれが担う役割と代表的なメニューについて確認しておこう(※2)。なお、ここでは和食をベースに紹介しているが、洋食や中華料理などにする場合も同じように考えるほうがよい。

ご飯(主食):エネルギーになるもの

和食の場合、一汁三菜とは別にご飯(主食)が出される。基本的には白米であることが多いが、雑穀米や玄米、麦ごはんなどの場合もある。また、炊き込みご飯や雑炊など、白米を使った料理が出されることも珍しくはない。主食によって汁物やおかずは決まるため、食事の中心になるといえるだろう。

汁物:食事に潤いを与えるもの

和食の汁物にはいくつかあるが、基本的にみそ汁が多い。また、すまし汁やうしお汁、吉野汁、みぞれ汁といった汁物もある。味付けや具材を調整することで、塩分の摂りすぎを控えたり、不足している栄養素を補ったりすることも可能。1日の栄養バランスを踏まえて種類を決めるとよいだろう。

主菜:主に身体を作るもの

メイン料理である主菜では、肉類、魚介類、卵などを使うことが多い。同じ食材でも蒸す、焼く、炒める、揚げるなど、調理法によって摂れる栄養素や味、食感、香りなども異なる。好きな料理だけを食べるのではなく「お昼に肉を食べたから、夜は魚にする」などバランスよく食べることが重要だ。

副菜:身体の調子を整えるもの

副菜では野菜類やキノコ類、海藻類など、主菜では摂れない栄養素を補えるものが多い。野菜やキノコ類などにはミネラル、ビタミン、食物繊維などが豊富であり、体調を整えてくれる働きがある。主菜ほどのボリュームはないものの、箸休めや栄養バランスを整えるためには欠かせない存在である。

5. 一汁三菜を組み立てるポイントとは?

「食事は一汁三菜がいい」とは知っていても、実際に献立を決めるは意外に大変なことだ。そこでここでは一汁三菜を組み立てるコツをアドバイスする。ポイントを押さえれば一汁三菜を組み立てるのは意外に簡単なので、一つひとつしっかりと確認しておこう。

ポイント1.1日1回意識するだけでよい

一汁三菜は理想の献立ではあるが、忙しい現代人にとって1日3食をすべて一汁三菜にするのは難しいだろう。そこでまずは「1日1回だけ一汁三菜」を心がけてみるとよい。これまでは栄養バランスが偏り気味であった場合でも、1日1回だけなら取り組めるということも多いはずだ。

ポイント2.1週間単位で献立を考える

自炊しながら一汁三菜にしたい場合は、1週間単位で献立を考えるのがポイントだ。1週間単位で考えれば食材を効率よく使えるし、献立に悩むことも少なくなる。また、事前に食材の下ごしらえをしておけば、調理時間も短くなるのでおすすめだ。大まかにでもいいので決めておくとよいだろう。

ポイント3.最初に主菜(メイン料理)を決める

一汁三菜を組み立てるときには、最初に「主菜(メイン料理)」を決めるのがよい。主菜は肉料理、魚料理、卵料理、大豆料理のいずれかだ。これを決めれば、そこから栄養バランスを踏まえて汁物や副菜を選ぶことが可能だ。もし肉か魚かで迷ってしまうなら、単純に交互に繰り返すだけでもよい。

ポイント4.塩分の摂りすぎに注意する

和食には醤油や味噌といった調味料がたくさん使われており、日本人は塩分を摂りすぎている傾向にある。成人男性の1日の摂取目標量は7.5g以下だが(※3)、実際には1日に平均11.0gも食塩を摂っているそうだ(※4)。スパイスやハーブなどを使うようにして、味付けを工夫するとよいだろう。

ポイント5.乳製品と果物もしっかり食べる

一汁三菜は栄養バランスがよいのだが、乳製品や果物などがとりにくいのが欠点である。そこでたとえば、汁物の代わりに牛乳を飲んだり、副菜の一品に果物を加えたりすることも考えよう。もちろん乳製品や果物を料理に加えられるならそれでも問題ない。上手に食事に取り入れるようにしよう。

6. 一汁三菜を意識した週末レシピを紹介!

オリーブオイルをひとまわしに掲載している「週末レシピ」の中から具体的な一汁三菜の献立を紹介する。詳しいレシピは別ページで紹介しているため、興味のあるものをぜひ確認してみてほしい。

汁物:ハマグリのミルククスープ

汁物には、ハマグリのうま味がグッときいたミルクスープを選んでみた。ハマグリにはビタミンB12や鉄などが多く含まれており、また和食で摂りにくい乳製品をミルクベースにすることで補えるようにしている。ホッとする優しい味とハマグリの豊かな香りが食欲をそそってくれる。

主菜:鮭の味噌バターホイル焼き

主菜には、鮭とキノコで作る味噌バターホイル焼きはどうだろうか。鮭に含まれる良質なたんぱく質やEPA・DHAを摂ることができ、しめじなどのキノコ類に多いビタミンDや食物繊維などをバランスよく摂ることができる。味噌ベースの味付けなので、ご飯との相性も抜群の主食となっている。

副菜その1:炊飯器でできるぶり大根

煮物には、和食の定番料理でもあるぶり大根がおすすめだ。ぶりには良質なたんぱく質やビタミン類、EPA・DHAがバランスよく含まれており栄養満点。また、大根は栄養価こそ低めだが水分が多く、お腹にたまるので満腹感を味わえる。しかも手間のかかるぶり大根が炊飯器でできるのも魅力だ。

副菜その2:菜の花の白和え

和え物には、菜の花を使った白和えなどがよい。緑黄色野菜である菜の花にはβカロテン(ビタミンA)やミネラルが豊富なので栄養バランスを整えてくれる。しかも豆腐を使うため植物性のたんぱく質を補うことも可能だ。栄養・味・彩りのすべてがよくて、一汁三菜を華やかにまとめてくれる。

結論

和食(日本料理)の膳組みの一つである「一汁三菜」。現在は栄養バランスがいい献立の組み立て方として提案されることが増えている。日々の食事の栄養バランスが悪いと感じているのなら、一度「一汁三菜」を意識してみるといいだろう。もともとは和食のためにあったが、現在は洋食や中華料理などにも広く応用することができる。
【参考文献】

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  • 公開日:

    2018年7月29日

  • 更新日:

    2020年11月18日

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