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フィッシュアンドチップス

イギリス料理の特徴とは?まずいといわれる理由や美味しい料理を解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 渡邉里英(わたなべりえ)

鉛筆アイコン 2022年1月25日

同じヨーロッパなのに、フランス料理やイタリア料理に比べて人気も知名度もやや低い印象のイギリス料理。「まずい」という印象を持つ人も少なくないらしい。今回は、イギリス料理がなぜ、そんなレッテルを貼られてしまうのか、そして本当に美味しい料理はないのか?リサーチしていこう。

  

1. イギリス料理の特徴とは?

テーブルの上にジャムとお茶とミルクのスコーン
イギリス料理といわれて、みなさんは何を思い浮かべるだろう?実際、料理名が思い浮かばない...という人も多いかもしれない。ここではまず、イギリス料理の特徴を学んでいきたい。

イギリスの食文化

イギリスは海に囲まれた地形で、豊富な海産資源がある。さらに牧草地も多いため、肉類や乳製品も豊富だ。また、イギリスは世界の中心であった時代も長く、多くの植民地を有していた。とくに中国やインドからの移民は多く、これらの料理を出すレストランも多い。イギリスの暮らしに馴染んだ味ということができそうだ。
朝ごはんはイングリッシュ・ブレックファーストに代表されるような、さまざまな種類の料理をワンプレートにしたものが有名だが、一般の家庭ではシリアルやオートミールなど、手軽に済ませることが普通。ランチはイギリスが発祥でもあるサンドウィッチにポテトチップスやサラダが定番だ。夜はとくに定番と呼べるものはなく、各家庭による。

アフタヌーンティーが有名

イギリス人はとにかく紅茶が大好き。朝昼晩問わず紅茶をよく飲む。紅茶の名産地であるインドやスリランカを植民地としていたことが、大きな理由のひとつであろう。美味しい紅茶が手に入ったからこそ、ここまで紅茶文化が花咲いたのだ。
イギリス人は、朝、11時頃、ランチ、夕方とほっと一息つくときに紅茶を飲む。なかでもケーキやサンドウィッチなどと一緒に嗜むアフタヌーンティーは有名だ。友人や客人と楽しむのが基本で、そもそもは社交の場所としての役割も果たしていた。

イギリス料理の種類

イギリスの正式名称はグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国である。連合王国の通り、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの地域が連合した形で構成されている。そもそもは別の国だったこともあり、実際には地域によって食文化もバラエティに富んでいる。
今回はこれらをまとめてイギリス料理として紹介していく。

2. イギリス料理がまずいといわれる理由は?

イギリス国旗
イギリス料理は、なぜまずいといわれるのか?ここではその理由を解説していこう。

ジェントルマンの思想

イギリスでは、1642年にピューリタン革命が起こる。革命を率いたクロムウェルは、ジェントリという階級であり、この階級と地主貴族が16世紀~20世紀初頭にかけてのイギリスを支配していた。これが元々のジェントルマンの意味合いだ。そんなジェントルマンたちは、市民を支配するなかで「食事は質素であることが美徳だ」と示した。こうして、イギリス料理、そしてイギリスの食文化は発展を止めたのである。

シンプルな味付けが好まれる

イギリス料理がまずいといわれる理由のひとつに、味付けが薄いことがある。イギリスのパブなどでは、テーブルの上に塩胡椒はもちろん、ビネガー、ケチャップなど、調味料が並べられていることも多く、これを用い、自分で好きな味に調節できるようになっている。古く、調味料は非常に高価なものであった。これを好きなだけお使いください、とテーブルに並べることは、もてなしのひとつでもあったらしい。
また前述のジェントルマンの思想を引き継ぎ、質素な食事から味付けがシンプルになった可能性もある。出汁やハーブなど、奥行きのある味わいに仕上げるひと手間がないという点でも、味が薄いと感じるのかもしれない。

フランスとの関係

お隣のフランスは、美食の国の称号をほしいままにする存在だ。イギリス料理がまずいとされることとは雲泥の差である。そもそもイギリスはフランス料理の華麗さに憧れを持っていたものの、中世以降のヨーロッパは、国同士の関係が必ずしも良好ではなかった。イギリスにとってフランスが脅威となるなか、フランス料理への憧れも徐々に消滅。ここでも食文化の発展には至らなかった。

産業革命の影響

18世紀になるとイギリスは、産業革命が起こり、世界の工場と呼ばれるまでに発展した。労働力として農村部から都市部に多くの人が流れた結果、農業や酪農が衰退。伝統料理はおろか、料理をするということ自体が減り、手軽に食べることのできるオートミールやフィッシュアンドチップスなどが普及していった。

3. イギリスの変わった料理

スライスしたハギスと野菜のスライス
イギリス料理、そしてイギリスの食文化は、なかなか日の目を浴びることなく19世紀、そして20世紀へと進んだ。そんななかでも細々と受け継がれてきたイギリスの伝統料理も存在する。ここではなかでも有名な料理をご紹介しよう。

ハギス

ハギスはイギリスのなかでもスコットランドの伝統料理だ。スコットランドの名産品であるスコッチ・ウイスキーに合う料理としても知られている。
羊の胃袋に刻んだ内臓やオーツ麦、玉ねぎ、ハーブなどを詰めて茹でるもので、そのままではもちろん、パイやグラタンのフィリングにすることもある。

うなぎのゼリー寄せ

うなぎは、その昔イギリスで漁獲量の多い魚のひとつだったらしい。安くて、栄養満点だったことから、産業革命前後から良質なタンパク質源として重宝されていたようだ。
当時からいまにまで残っている伝統料理のひとつが、うなぎのゼリー寄せである。ぶつ切りにしたうなぎを茹でてゼリー寄せにしたもので、塩胡椒やチリビネガーをかけて食べるのが定番らしい。日本の蒲焼きや鰻重とはまるで異なる姿に驚く人も多いかもしれない。

スターゲイジーパイ

星空を見上げるパイを意味するスターゲイジーパイは、コーンウォール地方の伝統料理である。実際は、魚の頭がパイに刺さったような衝撃的な見た目のパイだったようだが、より食べやすく改良されたものも多い。
イワシが主流でこれにじゃがいもや卵を合わせてパイ包みにしたものが基本。そのほかニシンとかぼちゃなどの組み合わせもある。

4. イギリスの美味しい料理

スコッチエッグ
イギリスの料理がまずいというのは、さまざまな要因からささやかれているようだが、実際は美味しい料理や日本でもよく知られる料理も存在する。ここではそんな料理の数々をご紹介していこう。

フィッシュ&チップス

イギリス料理の定番といえば、こちら。現地ではパブなどで気軽に食べられるメニューとされており、タラをはじめとする白身魚のフライと太めのフライドポテトがセットになったものだ。これにモルトビネガーと呼ばれるお酢をたっぷりかけて食べるのが定番だ。

イングリッシュ・ブレックファースト

イギリスの定番朝食といえば、イングリッシュ・ブレックファーストだ。ただ、一般の家庭では家族が揃う週末など、特別なシーンでしか食べられていない。
目玉焼きやポーチドエッグ、スクランブルエッグなどの卵料理とソーセージ、ベーコン、マッシュルーム、ベイクドポテトやトマトがワンプレートになったもので、これに紅茶やコーヒー、フレッシュジュースなどがセットになる。いまではホテルの朝食の1種類にも数えられている。

スコーン

紅茶文化が浸透したこともあり、イギリスは紅茶に合うお菓子も数多くある。なかでもスコーンは、特別な存在だ。紅茶とスコーンのセットをクリームティーといい、ティールームの定番メニューとして君臨している。
スコーンの味わいは、店によってもさまざまだが、クロテッドクリームをつけて食べるが一般的である。

スコッチエッグ

卵にひき肉を巻いてフライにしたスコッチエッグは、日本でもよく知られる存在。これも実はイギリス料理のひとつである。
ロンドンの老舗デパートフォートナム&メイソンで販売されたのがはじめだとされている。イギリス、とくにロンドンのソウルフードとの呼び声も高い。

ミンスパイ

イギリスは、パイが充実していることでも知られている。パイと一口に言ってもパイ包みだけでなく、フィリングを重ねてパイで蓋をしたものもパイと呼ぶ。さらにはパイを使っていなくても、重ねて焼いたり、蒸したりしたものをパイと呼ぶことも多い。
ミンスパイはドライフルーツやスパイスをたっぷり混ぜ込んだミンスミートと呼ばれるフィリングをパイで包んで焼いたもので、クリスマスのお菓子としても人気が高い。

シェパーズパイ

シェパーズとは羊飼いのこと。その名の通り、羊の肉で作ったミートソースにマッシュポテトを重ねて焼いたもので、家庭料理としても人気が高い。

結論

イギリス料理はまずい、これは主観的なものの言い方かもしれない。イギリスでは歴史的背景も相まって、質素な料理が愛されてきた。そのシンプルさが外国人にとってはやや物足りなく映るということなのかもしれない。スコッチエッグやスコーンのように日本にも浸透している料理もあるので、一概にまずいと判断せず、これを機にイギリスで愛されてきた料理を楽しんでみるのもいいだろう。
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  • 更新日:

    2022年1月25日

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