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パクチー

パクチーは別名「カメムシ草」?香りを楽しむためのコツなども紹介!

投稿者:食生活アドバイザー 吉田昌弘

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2022年7月26日

独特な香りが特徴的な「パクチー」。日本では2016年頃にエスニック料理のブームが到来し、そのときにパクチーが大好きになったパクチニストも多くいる。しかし、パクチニストの人たちにとっては魅力的な香りであっても、中にはその香りを「カメムシみたい」と感じてしまう人も少なくないようだ。ここではパクチーの香りが「なぜカメムシの臭いと似ているのか」を中心に詳しく解説する。

  

1. パクチーとは?

パクチーとカメムシ
パクチーとは、地中海沿岸・西アジアなどが原産地とされる、セリ科コエンドロ属の植物の一種である。「パクチー」はタイ語であり、正式名称は「コリアンダー」という。また、地域によって呼び名が異なり、和名では「コエンドロ」、中国語では「シャンチャイ(香菜)」と呼ぶ。カメムシと似た特徴的な香りがすることから、「カメムシ草/カメムシソウ」という別名で呼ばれることもある。

コリアンダーの語源は「カメムシ草」?

パクチーの正式名称である「コリアンダー(coriander)」の語源を辿ると、古代ギリシャ語の「コリアン(koríannon)」に由来するとされている。また、この語源はカメムシを意味する「koris」とアニスの実を意味する「annon」と考えられているようだ。日本でも別名「カメムシ草」といわれるが、古くからパクチー(コリアンダー)の香りは「カメムシのよう」と思われていたようだ。

2. パクチーとカメムシのニオイが似ている理由

パクチーとカメムシ
パクチーの香りは一般的に「カメムシと似ている」といわれることが多い。この理由は、パクチーの香気成分とカメムシの悪臭成分が同じアルデヒドであることが関係しているようだ。そこでここでは、パクチーとカメムシの香りについてそれぞれ詳しく確認してみよう。

パクチーの香りは「ドデセナール」という成分

パクチーの香気成分はさまざまあるが、主に「デセナール(decenal)」などと呼ばれるアルデヒド類を多く含んでいる。特に葉っぱ部分には、このデセナールが多い。なお、スパイスとして使われる種子には「リナロール(linalool)」が多く、甘くて柑橘類のような香りを感じることができる。

カメムシの臭いは「ヘキセナール」という成分

カメムシの香気成分もさまざまあるが、主に「ヘキセナール」と呼ばれるアルデヒド類を多く含んでいる。ヘキセナールは「青葉アルデヒド」と呼ばれており、野菜・果実・茶葉などにも含まれている成分だ。そのため、カメムシ自体が野菜のような臭いを放っている。なお、カメムシもパクチーに多い「デセナール」を含んでいるため、「パクチー=カメムシ」のような臭いの関係になっている。

3. パクチーの香りを楽しむためのコツ

パクチーとカメムシ
パクチーの特徴的な香りは「加湿する」と強くなることがわかっている。そのため、麺料理やスープといった温かい料理に加えるのがおすすめだ。ただし、包丁で切ったり、炒めすぎたりすると特徴的な香りが弱まってしまうという。パクチーの葉っぱ部分は手で摘むようにし、炒め物などに入れるときは最後に加えるようにしよう。

4. パクチーは10世紀頃には日本に来ていた?

パクチーとカメムシ
パクチーは比較的新しいハーブのように思われているが、実は10世紀ごろにはシルクロード経由で日本に伝わっていた。そこでパクチーの歴史についても確認しておこう。

10世紀頃には日本に伝わっていた

パクチーは古くから生薬やハーブとして使われており、10世紀頃には日本に伝わっていたようだ。実際、平安時代の『延喜式』(927年)や『倭名類聚抄』(934年頃)には「胡荽(こすい)」という名前で紹介されている。しかし、香りが強すぎて当時の日本人には好まれなかったようだ。

近年になりパクチーブームが起きる

日本では1980年代頃の「アジア飯ブーム」や2016年頃に到来した「アジア飯ブーム」とともに日本人にもパクチーが受け入れられるようになる。また、このような理由から日本人には「パクチー=アジア料理の食材」と認識されている。パクチー好きの人は「パクチニスト」などと呼ばれている。

結論

パクチーとカメムシの臭いが似ている理由は、カメムシが含んでいる悪臭成分の中にパクチーと同じ香気成分が含まれているからだ。そのため、パクチーとカメムシは似ているニオイがする。嗜好性が分かれる食材ではあるが、エスニック感を楽しめる食材なので興味があったら食べてみてはいかがだろうか。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2022年1月22日

  • 更新日:

    2022年7月26日

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