- ※1:農林水産省「腸内細菌と健康」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
- ※2:農林水産省「乳酸菌」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html
- ※3:株式会社明治「美肌力をアップさせる、腸のゴールデンタイム」 https://www.meiji.co.jp/karadakaizen/know/entry015.html
- ※4:公益財団法人長寿科学復興財団「食事バランスガイドの活用法」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/balance-guide-katsuyou.html
1. ヨーグルトはダイエットに良い?
ヨーグルトはいつの頃からか、健康にいい、ダイエットにいいという印象が持たれるようになった。実際はどうなのだろう?ここではヨーグルトの持つパワーとダイエットへの効果について解説していこう。
乳酸菌の整腸作用
腸は第二の脳と呼ばれており、腸内にはなんと1000種類以上の細菌が存在する。しかも、その数100兆個!人間の体にいい働きをするものを善玉菌、悪い働きをするものを悪玉菌と呼び、善玉菌の割合が多い状態が、健康にはいいとされている。
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は、乳酸菌のひとつ。乳酸菌とは発酵により糖から乳酸を作る微生物の総称で、悪玉菌の繁殖を抑制し、腸内バランスを整える効果がある。また整腸作用があるとされている。これらの情報が結果として健康にいい、ダイエットにいいと言われるゆえんである。(※1)(※2)
2. ヨーグルトで太る原因とは
そもそもヨーグルトを食べること=ダイエットになるという考え方は間違いである。ヨーグルトであれ、なんであれ、消費カロリーより摂取カロリーが増えれば太る。ただ、上手に使えば、ダイエットにも効果的であることも事実だ。ここでは、間違ったヨーグルトの食べ方をご紹介していこう。
食べすぎ
前述の通り、どんな食べ物であれ、食べすぎればダイエットには逆効果。むしろ太る原因になりかねない。ヨーグルトも同様に食べ過ぎは禁物である。
糖分が多い
ひとくちにヨーグルトといってもさまざまな種類がある。特にダイエット中に気をつけたいのが、加糖タイプ。甘みがあるものはどうしてもカロリーが高くなる。またプレーンヨーグルトであってもジャムや砂糖を加えたら、加糖ヨーグルトと同じくカロリーが高くなるので注意が必要である。
食べるタイミング
これもヨーグルトに限ったことではないが、食事を摂るタイミングはダイエットと深い関係にある。特に気をつけたいのが、就寝前である。さらに寝ている間は、起きている間よりも活動量が少なくなるため、消費カロリーが減る。結果としてエネルギーを脂肪として蓄積する可能性が高くなる。また、寝る直前に食事をすると睡眠中も胃腸が活発に動くことになる。睡眠の質を落とすため、普段から寝る直前の食事は避けるほうがいい。ダイエット中ならなおさらである。比較的ヘルシーなヨーグルトであってもわざわざ寝る直前に食べる必要はない。
悪玉菌を増やしてしまっている
ヨーグルトで善玉菌を増やしたとしても悪玉菌を増やす食事を続けていては、元も子もない。近年悪玉菌の元となる食品成分が徐々に解明されつつある。マーガリンに含まれるトランス脂肪酸や動物性脂肪の大量摂取、人工調味料や食品添加物やグルテンなども、増やす可能性が示唆されている。(※3)
3. ヨーグルトのおすすめの食べ方
腸の活動を整えることは、ダイエットを円滑に進める上でも欠かせない要素の一つである。そんな腸の調子を整えるために、活躍してくれるのがヨーグルトだ。より効果的な摂取方法を解説していこう。
1日200gが目安
摂取量の目安は、200g(2パック)。朝と晩で分けて食べてもいい。プレーンヨーグルトを食べることができない場合は、ドリンクタイプを併用してもいいが、その場合はカロリーに気をつけたい。(※3,4)
夜ヨーグルトのススメ
腸にも肌と同じくゴールデンタイム、すなわち細胞が修復する時間が存在する。一般的に腸は、起床後15~19時間後とされ、これは肌のゴールデンタイムと重複する。この時間にヨーグルトの乳酸菌を届けることを考えるとヨーグルトは夕食後に食べるのがベター。就寝2時間前までに食べ終えておくことが条件だ。(※3)
また空腹時に食べると胃酸で乳酸菌やビフィズス菌が死滅する可能性があるので、食中か食後に食べるのがおすすめだ。
一緒に食べると効果的な食材
ヨーグルトに含まれる乳酸菌をより活性化させるには、餌が必要となる。オリゴ糖や食物繊維がそれに当たるので、ぜひ一緒に摂取したい。特に果物との相性がよく、ペクチンと呼ばれる食物繊維が含まれるりんごやオレンジ。オリゴ糖の多いバナナやはちみつとはバランスがいい。(※1,3)
温めても大丈夫
乳酸菌が減ってしまうのは60℃以上。それ以下であれば、温めても大丈夫だ。40℃くらいが目安になる。
4. ヨーグルトの健康効果はどれくらいで体感できる?
ヨーグルトを食べることで得られる整腸作用や腸内環境の調整(※3)などは、効果をどれくらいで体感できるものなのか?その指針となる方法について解説していこう。
腸内細菌の状態を知る方法
整腸作用については、お通じの回数、タイミングをはかるといい。腸内環境の状態については、便の具合を観察するといい。黄色から黄色よりの褐色で臭いがくさくないもの。形状はバナナのようなものが腸内環境が整っている指標だ。逆に黒っぽい、臭い、コロコロしているなどは、腸内環境に乱れがある証拠だ。効果が出るのは、元々の腸内環境や生活スタイルによって異なるので、注意深く観察したい。(※1)
結論
ヨーグルトは、腸内環境を整えるの効果を発揮してくれる食品である。このことから、ダイエットや健康維持にもパワーを発揮してくれる可能性を秘めている。ただし、どんな食品であれ、摂りすぎは禁物。まずはバランスのよい食事を心がけ、そのうえで上手にヨーグルトの力を味方につけていきたいものだ。
(参考文献)
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