目次
1. 【ペンキの塗り方】1下地処理

ペンキの塗り方で非常に重要なポイントが、最初の下地処理である。面倒に感じるかもしれないが、仕上がりを大きく左右するため、丁寧に行っておきたい工程だ。材質や塗装する場所の状態に応じた下地処理の方法をチェックし、失敗しない塗り方を目指そう。
壁紙の下地処理
壁紙についたホコリやゴミ、汚れ、油分をしっかり取り除いて乾かしておく。タバコのヤニ汚れがつく可能性がある場合は、ヤニ止め効果のある塗料を下塗りしておくとよいだろう。防汚加工や撥水加工が施されている壁紙は、ペンキをはじく可能性がある。目立たないところで確認してから塗るのが安心だ。また、布クロスへの塗装は推奨されていない。ペンキの吸い込みが強いため、大量のペンキが必要となることや、キレイに仕上がらないことがあるからだ。
木材の下地処理
キレイに製材されている木材なら、そのままペンキを塗っても問題ない。次章の「【ペンキの塗り方】2養生」へ進もう。しかし、ヤニがしみだしている場合や、表面にざらつきがある、または凹凸がある木材は下地処理が必要だ。
未塗装の木材は、よく乾燥させてから木材の表面をサンドペーパーなどで研磨する。ヤニが出ている場合は、ペンキがはじかれることがあるため、シンナーなどで拭き取っておこう。大きなヤニは、スクレーパーやナイフで取り除いてもよい。ヤニを取り除いた後、ヤニ止め効果がある塗料を塗る。木材に凹みがある場合は、周囲の割れや欠けている部分をサンドペーパーで削り落とし、凹み内部もキレイにしておくとよい。そこにパテを埋め込んでいくが、このとき、木の表面より少し盛り上がるようにするのがポイントだ。パテが乾燥した後、カッターやサンドペーパーを使い、木材と平らになるようキレイに仕上げていこう。
未塗装の木材は、よく乾燥させてから木材の表面をサンドペーパーなどで研磨する。ヤニが出ている場合は、ペンキがはじかれることがあるため、シンナーなどで拭き取っておこう。大きなヤニは、スクレーパーやナイフで取り除いてもよい。ヤニを取り除いた後、ヤニ止め効果がある塗料を塗る。木材に凹みがある場合は、周囲の割れや欠けている部分をサンドペーパーで削り落とし、凹み内部もキレイにしておくとよい。そこにパテを埋め込んでいくが、このとき、木の表面より少し盛り上がるようにするのがポイントだ。パテが乾燥した後、カッターやサンドペーパーを使い、木材と平らになるようキレイに仕上げていこう。
化粧(プリント)合板の下地処理
カラーボックスなどで使用されている、ツルツルとした質感の化粧合板は、そのままではペンキをはじいてしまう。そのため、やすりがけをして表面のツルツルを落とす必要がある。やすりがけで出た粉を拭き取ってから、凹凸が気になる部分があれば、パテを塗りこんで平滑にしておくとよい。
コンクリートの下地処理
コンクリートの表面を触った際に、ボロボロとした粉っぽさがある場合はシーラー処理、凹凸がある場合はパテ処理をしておく。コンクリートの塗装部分に下地用のシーラーを塗り、乾燥させてから凹凸にパテを埋め込んで平らにしていこう。パテが完全に乾燥したら紙ヤスリをかけ、さらにもう一度パテを塗る。2度目のパテが乾燥したら、ヤスリをかけて平滑にしていく。まだ段差や凹凸がある場合は、パテとヤスリがけを繰り返してみよう。平滑に仕上がったら、パテの粉を取り除いて完了だ。
鉄の下地処理
塗装部分のゴミや油分、汚れ、サビ、ワックスなどを取り除き、しっかりと乾燥させておく。古い塗装が残っている場合、はがれかけているようであれば、ワイヤーブラシなどで取り除き、サンドペーパーで研磨しておこう。しっかりとくっついてはがれない塗装は、上から新しいペンキを塗っても問題ない。下塗りとしてサビ止め効果のある塗料を塗っておくと、さらに仕上がりが強くなる。
2. 【ペンキの塗り方】2養生

ペンキの塗り方の第2工程は、養生である。養生とは、塗装部分以外の場所にペンキがつかないよう保護することだ。しっかりと保護しておくことで、塗装部分の端までキレイに塗ることができ、仕上がりもよくなる。養生に使うアイテムを確認し、方法を見てみよう。
マスキングテープ
養生のためのアイテムといえば、まずはマスキングテープがあげられる。オシャレでかわいい文房具をイメージするかもしれないが、マスキングテープはもともと塗装の際の養生に使われるアイテムである。養生したい部分に合わせた幅のマスキングテープを用意すると使いやすいだろう。ビニールの養生テープも、同じように使うことができる。
マスカー
床や壁、窓、ドアなどを保護したいときに役立つのがマスカーだ。テープにビニールシートがついていおり、マスキングテープでは保護できない広い面積を養生する際に活躍してくれる。テープの粘着があまり強くないため、マスキングテープの上から貼るとよいだろう。
コーキング
コーキングは、壁紙に塗装する際にあると便利なアイテムだ。壁紙の多くに小さな凹凸がある。マスキングテープだけでは、この凹凸をピッタリと塞ぐことができないのだ。そのため、マスキングテープで養生してあったとしても、凹んだ部分にペンキ入り込んで広がってしまう。そこで、コーキングを使うとよりキレイな境目に仕上げることが可能となる。壁紙の塗り方を知りたい方には、ぜひチェックしてほしいアイテムだ。
養生の方法
ペンキを塗らない部分に、マスキングテープか養生テープを貼っておく。マスキングテープのラインがペンキの境目になるため、真っすぐに、隙間ができないように貼るのがポイントだ。広い範囲を保護しておきたい場合は、マスキングテープの上からマスカーを貼るとよい。床の養生も、壁と床の境目に隙間ができないようしっかりとマスキングテープを貼り付け、さらに上からマスカーで保護しておこう。壁紙にペンキを塗るときは、マスキングテープと壁紙の隙間をコーキングで埋めると、仕上がりがキレイになる。壁の一部分だけなど、ペンキの端が目立つ塗り方をする場合は、コーキングがあるとよいだろう。
3. 【ペンキの塗り方】3ペンキの準備

ペンキの塗り方の第3工程は、ペンキの準備である。準備せずに塗り始めると、色ムラやペンキが足りなくなるなどのトラブルにつながる可能性があるのだ。塗り始める前にしっかりと準備しておくことが、塗り方において重要となる。
撹拌する
ペンキの缶は、缶オープナーもしくはマイナスドライバーで開けることができる。ペンキは、中で色素が分離していることがあるため、よく撹拌して均一な状態にすることが塗り方のポイントだ。撹拌せずに塗ってしまうと、色ムラができてしまい、キレイに仕上がらない。開けてから底までしっかりとかき混ぜるか、ふたを開ける前によく振って撹拌しておこう。
ペンキは使用分だけ別の容器に移す
余ったペンキはふたをして保管しておけるため、使用する分だけをバケットなどの別の容器に移して使おう。
粘度が高い場合は薄めて使う
ペンキによっては粘度が高く、そのままでは均一に塗れないものがある。水性ペンキは水で、油性ペンキはペイントうすめ液を適量入れて、伸ばしてから塗るのがよい。
4. 【ペンキの塗り方】4刷毛・ローラーで塗る

ペンキの塗り方の第4工程、ここでやっとペンキそのものを塗っていくことになる。そして塗り方の基本は、「ペンキを配る、広げる、整える」の3段階だ。また、広い面積を塗るときはローラーを使う。小物や雑貨、ローラーではキレイに塗れない細かい部分には刷毛を使おう。
ローラーで壁紙や床などを塗る際は、まず刷毛で端の方や角などを塗っておく。それからローラーで全体を塗っていくのが基本の塗り方だ。
ローラーで壁紙や床などを塗る際は、まず刷毛で端の方や角などを塗っておく。それからローラーで全体を塗っていくのが基本の塗り方だ。
刷毛の塗り方とコツ
ペンキを、直径3cmほどの大きさの円になるよう数か所に配り、全体に塗っていく。そして最後は一定方向に刷毛を動かして整えよう。また、すじかいバケと呼ばれる刷毛は、鉛筆のように持って塗るのが基本。毛先を寝かしてしまうとキレイにペンキを伸ばせないため、できるだけ塗装面に対して垂直に立てるのがコツだ。そうすることで、均一にムラができないよう塗りやすくなる。
ローラーの塗り方とコツ
ローラーは、塗装面にWの文字を書くようにペンキを配る。次に、端から塗料を伸ばすようにして塗っていこう。
ローラーで壁紙に塗る際にペンキが垂れてきてしまった、という経験をお持ちの方も多いかもしれない。ついペンキを減らして対処してしまいそうになるが、ローラーはしっかりとペンキを含ませて塗る必要がある。そのため、ペンキを減らしてもキレイには塗れないのだ。そこで重要になるのが、塗る方向である。上から下に向かって、ローラーを動かしてはいないだろうか。ローラーで壁紙に塗る際は、下から上に向かって塗り、整えるのがコツだ。
ローラーで壁紙に塗る際にペンキが垂れてきてしまった、という経験をお持ちの方も多いかもしれない。ついペンキを減らして対処してしまいそうになるが、ローラーはしっかりとペンキを含ませて塗る必要がある。そのため、ペンキを減らしてもキレイには塗れないのだ。そこで重要になるのが、塗る方向である。上から下に向かって、ローラーを動かしてはいないだろうか。ローラーで壁紙に塗る際は、下から上に向かって塗り、整えるのがコツだ。
5. 【ペンキの塗り方】5乾かす~片付け

ペンキの塗り方の第5工程は、乾かして片付ける。キレイに仕上げるために、しっかりとした乾燥は必要不可欠だ。また、使った道具やペンキは、キレイに洗浄して正しく保管すれば、次回もまた使うことができる。塗り方の最後の工程も、丁寧に行うのが望ましい。
乾燥
ペンキそのものの塗り方も重要だが、乾燥も大切なポイントになる。乾燥していない状態には、2度塗りはできない。塗料の容器に記載されている乾燥時間を目安に、しっかりとペンキを乾燥させよう。ただし水性ペンキの乾燥時間は天気にも左右されやすい。目安を参考にしながら、しっかりと乾燥しているかを確認しよう。その後、必要な場合は2度塗りをしていく。
ここでポイントになるのが、養生をはがすタイミングだ。養生は、ペンキが完全に乾燥する前の半乾き状態ではがしておく。完全に乾いてしまうと、はがしにくくなったり、ペンキごとはがれてしまったりすることがあるためだ。テープについてペンキがはがれないようにするために、カッターで薄く切れ込みを入れてもよいだろう。
ここでポイントになるのが、養生をはがすタイミングだ。養生は、ペンキが完全に乾燥する前の半乾き状態ではがしておく。完全に乾いてしまうと、はがしにくくなったり、ペンキごとはがれてしまったりすることがあるためだ。テープについてペンキがはがれないようにするために、カッターで薄く切れ込みを入れてもよいだろう。
水性ペンキを塗った道具の片付け方
刷毛についたペンキは、新聞などにこすりつけてペンキを落としておく。水で手もみ洗いし、台所用洗剤を一滴だけつけて泡立てながら洗浄した後、流水でしっかりと洗い流す。水を張った容器に刷毛をつけて、半日~1日置いておこう。このときポイントになるのが、底に毛先が当たらないよう浮かせてつけておくことだ。最後に刷毛をすすいで毛先を整え、毛先を上にして陰干ししよう。毛先を上にすることで、落とし切れなかったペンキが毛先に流れて固まるのを防ぐことができる。
ローラーも刷毛と同様に、ペンキを新聞紙にこすりつけて落としておく。流水でよく洗い、「しぼる」「水を含ませる」を繰り返す。食器用洗剤を使用すると、ペンキが落ちやすくなるだろう。しっかりと洗った後、バケットなどの容器にローラーを入れて半日~1日つけ置きし、よく水を切ってから、立てて乾燥させよう。
ローラーも刷毛と同様に、ペンキを新聞紙にこすりつけて落としておく。流水でよく洗い、「しぼる」「水を含ませる」を繰り返す。食器用洗剤を使用すると、ペンキが落ちやすくなるだろう。しっかりと洗った後、バケットなどの容器にローラーを入れて半日~1日つけ置きし、よく水を切ってから、立てて乾燥させよう。
油性ペンキを塗った道具の片付け方
油性ペンキを塗った刷毛は、新聞紙にペンキをこすりつけて落とすまでは水性ペンキの場合と同様である。ただし流水では落とし切れないため、ペイントうすめ液で洗浄しなければならない。その後に、台所洗剤で洗浄して流水で洗い流していこう。
油性ペンキを塗ったローラーは、刷毛と同様ペイントうすめ液で洗浄する。流水でしっかりと洗い流してから、陰干しをして完了だ。
油性ペンキを塗ったローラーは、刷毛と同様ペイントうすめ液で洗浄する。流水でしっかりと洗い流してから、陰干しをして完了だ。
残ったペンキの片付け方
残ったペンキは空気に触れさせないこと、高温になる場所に置かないことが重要だ。そうすることで、劣化を防ぎ、次回も使用することができる。缶のふたをしっかりと閉め、冷暗所で保管しよう。
結論
ペンキの塗り方を5つの工程にわけて解説してきた。DIYに欠かせないペンキは、いまや誰もが気軽に購入することができる。しかし、キレイに塗るのは意外に難しいもの。材質や状態に応じた下地処理から、最後の片付けまで丁寧に行うことで、よりよい仕上がりにつながるはずだ。ペンキでの塗装に挑戦する際は、ぜひ当記事を参考にしてみてほしい。
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