1. ステンレス石鹸(ステンレスソープ)とは?

ステンレス石鹸はさまざまなメーカーが販売しており、名称もステンレスソープやスチールソープなどいろいろある。見た目は共通してツルッとした銀色の金属で、まさにステンレスそのものだ。
「臭い」を消してくれる石鹸
石鹸と呼ばれてはいるが、見た目は完全に金属なので初めて見る方は驚くかもしれない。手を洗うごく一般的な石鹸とは違って汚れは落ちないが、臭いを消してくれるという優れものだ。金属なのでもちろん泡立たず、減りもしないので半永久的に使うことができる。とくに何の仕掛けもないただの金属の塊だが、通常染み付いて取れにくい手指の臭いもステンレス石鹸と流水で落とせる。値段は数百~千円程度と、財布にも地球にも優しいエコな石鹸だ。
どんな臭いに効果があるのか
料理に使うことの多いネギやタマネギ、ニンニクなどは、手指に臭いが付くとしばらく残るなど本当にしつこい。だがこうした臭いこそステンレス石鹸の得意分野である。タマネギやニンニク以外に、魚貝類特有の生臭さにも効果を発揮する。またうっかり手に付いてしまった灯油の臭いなども、ただ洗うよりは早く落とすことができる。
ただし油汚れ落としや殺菌作用はない
臭い落とし専用のため、手指に付着した油汚れを落としたり、雑菌を殺したりする作用はない。汚れの種類や手洗いの目的に応じて、普通の手洗い石鹸と併用するとよいだろう。
2. ステンレス石鹸で臭いが消える理由

ステンレス石鹸は、どういう作用で臭いを消しているのだろうか?少し詳しく、その作用について解説しよう。
臭い物質と化学反応を起こす
ステンレス石鹸は、目には見えない臭いの物質と化学反応を起こす。通常の手洗いで簡単に消えない臭いは、水に溶けにくい性質を持っている。そこでステンレス石鹸を使うと、化学反応が起こり消えやすくなるというわけだ。
ニンニク臭が消える理由
料理には最高でも、指先に染み付くと特有の臭いが気になるのがニンニクである。この臭いの正体は「スルフィド類」という化学物質だ。油にも馴染まない非常に落としにくい臭い物質なのだが、プラスの電気を帯びた「プラスイオン」という性質を持つ。ステンレス石鹸が指先と摩擦することで発生する「マイナスイオン」と結びつくことで消えやすくなる。
魚などの生臭さが消える理由
魚貝類の生臭さの正体は「アミン類」だ。水で落ちる性質ではあるが、溶けにくいため残ってしまうことが多い。このアミン類も、流水とステンレス石鹸が反応して触媒として働くため、消えやすい状態になる。コツは、爪や指先など細かい場所にもまんべんなくステンレス石鹸を当ててこすることである。
3. ステンレス石鹸を効果的に使うには?

普通の手洗い石鹸と違い、あくまで臭い落とし専用である。より効果的に使うためのコツをお伝えしよう。
溜め水ではなく流水を使う
流水でこするのがポイントだ。普通の石鹸のように最初だけではなく、こすっている間じゅう流水にさらすようにしよう。溜め水ではせっかく落ちた臭い物質が指に戻ってしまうおそれがあるためNGだ。せっかく落ちやすくなった臭い物質をどんどん洗い流すため、水は止めずに手指とステンレス石鹸をこすりつけよう。
ステンレス石鹸自体をキレイにしておく
ステンレス石鹸からマイナスイオンが発生するほど効果が上がる。そのためステンレス石鹸自体をキレイにしておくことも重要だ。ステンレスなので錆びにくいが、ほかの錆びている金属に触れたり汚れが残っていたりすると錆びることがある。使用後は台所用中性洗剤で洗い、水気をしっかり拭き取っておくとともに、ほかの金属に触れない場所で保管しよう。こまめに熱湯をかけるのもよいが、金属なのでくれぐれもヤケドには気をつけてほしい。
4. おすすめのステンレス石鹸3選

最後に、おすすめのステンレス石鹸を紹介しよう。
佐藤金属興業「SALUS においとりソープ」
ステンレスと水、そして空気の触媒反応を利用した、脱臭専用の石鹸だ。ソープディッシュもセットになっている。
Qihuo「ステンレス石鹸」
同じく、水切り穴があいているソープディッシュ付きのステンレス石鹸だ。コンパクトなので釣りなどにも持参できる。
マストラッド「スチールソープdeos」
フランス生まれのオシャレな形状をしたステンレス石鹸がこちら。プラスチック製のホルダーが付いてくる。
100均でも手に入る
ダイソーなど100均でステンレス石鹸(ステンレスソープ)が手に入ることもある。近くにある方は次回訪れた際に探してみてはいかがだろうか?
結論
ステンレス石鹸は臭い落とし専用のため、殺菌・消毒効果は得られない。汚れ落としや殺菌が目的の場合はハンドソープと併用しよう。また料理にハンドソープの香りが移るのが気になる場合、ハンドソープで洗った後にステンレス石鹸でこするといった方法がおすすめだ。