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冷凍庫の温度は何度が適切?下がらない原因と対処方法も詳しく解説!

冷凍庫の温度は何度が適切?下がらない原因と対処方法も詳しく解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年9月 1日

ふと「冷凍庫内の温度がいつもより高い気がする」「思うように下がっていない気がする」などと感じたことはないだろうか?そもそも、冷凍庫の適温とは何度なのだろうか?本稿では冷凍庫の温度について詳しく解説するとともに、温度が下がらないときに考えられる原因および対処方法も解説する。

  

1. 冷蔵庫の各室の温度

冷凍庫の温度について解説していくが、せっかくなので冷蔵庫の各室の温度についても最初に触れておこう。メーカーや機種、設定などによって多少違いがあるものの、おおよそ以下の温度が目安となる。

冷蔵庫の各室の温度の目安

  • 冷蔵室:約2〜5℃
  • 野菜室:約3〜7℃
  • チルド室:約0〜3℃
  • パーシャル室:約-3℃
  • 冷凍庫:約-20〜-18℃
このように、同じ冷蔵庫でも各室で温度が異なる。

2. 冷凍庫の温度にはJIS規格や国際規格がある

上述のとおり、冷凍庫の温度は約-18℃程度であるが、これはJIS規格や国際規格で規定されているものである。

日本工業規格(JIS)による冷凍庫の温度は「-18℃」

日本工業規格(JIS)では冷凍庫の温度を「-18℃」と定めている。

コーデックス規格でも冷凍庫の温度は「-18℃」

コーデックス規格とは、コーデックス(Codex)委員会が策定した国際食品規格だ。実はこの規格においても冷凍庫の温度は「-18℃」とされている。

なぜ「-18℃」なのか?

食品衛生法では、冷凍食品の温度を微生物が繁殖できない「-15℃」と定めている。加えて業界団体などにより、流通や販売などの段階で微生物が繁殖しないようにするため、および長時間品質を保持するため「-18℃」と定められている。

3. 一般家庭の冷凍庫の温度も「-18℃」?

では、ご家庭で使用している冷蔵庫の冷凍庫はいったい何度になっているのだろうか?

日本工業規格(JIS)における電気冷凍庫の分類

  • ワンスター(*):-6℃以下
  • ツ-スター(**):-12℃以下
  • スリースター(***)-18℃以下
  • フォースター(****):-18℃以下
上記は冷凍庫の性能指数だ。一般家庭の冷凍庫は、このうちほぼスリースターとフォースターである。いずれも「-18℃以下」であるが、フォースターはさらに「冷凍室内100Lあたり4.5kgの食品・食材を、24時間以内に-18℃以下にできる性能を備えた冷凍庫」のことをいう。

家庭用の冷凍庫も「-18℃」前後のものがほとんど

上述の通り、一般家庭の冷凍庫はほぼスリースターとフォースターになるため、基本的には「-18℃」と考えてよいだろう。だがメーカーや機種などによって多少前後する。たとえばHITACHIの「R-HX60R」は上段の冷凍室が約-19〜-17℃、下段が約-20~-18℃だ。また同社の「R-KX57N」のぴったりセレクト室では、冷凍設定時の温度が約-20~-18℃である。

なお上記、HITACHIの冷凍庫の例は「周囲温度が約32℃で」「食品を入れずにドアを閉め」「かつ、温度が安定したとき」の目安である。たとえば頻繁に開閉する機会の多い家庭用の冷凍庫は、その都度庫内の温度が上昇するため「-18℃」などで一定に保てるかどうかは使い方によって変わってくる。

業務用冷凍庫はさらに温度が低い

一般家庭の冷凍庫は-18℃ほどだが、業務用となると-30〜-20℃といったように、かなり低く設定されていることが多い。マグロなど鮮度が命の食材を保存する冷凍庫には-60℃というものもある。

4. 冷凍庫の温度が下がらない原因

冷凍庫内の温度は食品や食材に影響を与えることがあるため、適切な温度にキープすることが大切だ。故障以外に冷凍庫内の温度が下がらない(上がってしまう)理由としては、次のようなことが考えられる。

ドアの開閉頻度が高い

冷凍庫や冷蔵庫は、ドアを開けるたびに外気が入り温度が上がる。たとえば室温が約19℃のとき、冷蔵庫のドアを15秒開けっ放しにすると庫内は10℃ほど上昇し、もとの温度に戻るまで10分ほどかかるといった具合だ。開閉頻度が高い、あるいは1回に開放している時間が長いという場合は、使い方を見直そう。

ドアがきちんと閉まっていない

パッキンが劣化していたり、食品を詰め込みすぎたりしてドアが完全に閉まらないといったことはないだろうか?かすかに開いていると冷気が外に逃げてしまい、冷凍庫の温度は下がらない。

冷蔵庫の設置場所に問題がある

ガスで庫内を冷やすタイプの冷凍庫の場合、ガスが気化する際に発する熱を放出する。そのための「放熱スペース」が必要になるわけだが、壁にピッタリくっついているとうまく放熱されず、冷蔵庫内の温度が下がりきらないこともある。

食品を詰め込みすぎている

冷凍庫は冷蔵庫と違い、食品や食材がある程度詰まっていたほうが互いに冷やし合えるため効率がよいとされている。それはそのとおりだ。だが大量に買ってきた食品や食材を一気に入れた場合などは、一度大幅に庫内の温度が上がりその後下がりにくくなるといったことがある。適度に詰まっていたほうがよいのは確かだが、入れるタイミングや一度に入れる量などに気をつけよう。

霜がついている

自動霜取り機能がついている冷凍庫も増えたが、頻繁にドアを開閉したり開放時間が長かったりすれば大量の外気や湿気が庫内に入り、冷却パイプ周辺に霜が形成されることがある。こうなると自動霜取り機能では対応できず、熱交換不良となって温度が思うように下がらなくなる。

単純ミスの場合も

電源プラグが抜けている、庫内の温度を高く設定しているという単純ミスも意外とあるかもしれない。念のため確認してみよう。

故障を疑うケースとは?

以上のことがあてはまらない場合は故障を疑おう。家電である以上いずれ寿命はやってくる。サーモスタットが不具合を起こせば温度を正常に管理できなくなることがあるし、電子回路や冷却ファンの故障、冷媒ガス漏れなどが起こることもある。取扱説明書を確認して解決しないときは、メーカーの窓口に問い合わせるなどしよう。

5. 冷凍庫の温度が下がらないときの対処方法

冷凍庫内の温度が高いままで下がりにくいとき、どのような対処方法があるだろうか?

ドアの開閉回数を減らす、開放時間を短くする

もちろん必要な場合は仕方ないが、できる限りドアの開閉回数を減らすことや、開けっ放しにしている時間を短くすること、必要以上にドアを大きく開けないことなどを心がけよう。冷凍庫内が整理されていないと探す時間がかかる場合がある。日頃から整理しておくことも大切だ。

調理・加工した食品は十分に冷ましてから冷凍庫へ入れる

粗熱が残ったままの食品や食材を冷凍庫へ入れてしまうのはNGだ。一気に庫内の温度が上がってしまうため、十分に冷ましてから冷凍庫へ入れるようにしよう。

食品を速やかに凍らせる工夫をする

ラップや冷凍用保存袋などに入れて空気を抜き、なるべく平らにして表面積を大きくすると効率よく冷凍できる。アルミトレイ(バット)にのせて冷凍庫に入れるといった方法もおすすめだ。ステンレスでもよいが、アルミのほうが熱伝導率が高いため冷却時間を短縮できる。

パッキンを交換する

パッキンの劣化が原因で冷凍庫のドアが完全に閉まらないのであれば、速やかにパッキンを交換しよう。業者に頼んでもよいが、ホームセンターなどでパッキンを購入して自分で交換することも可能だ。古いパッキンを引き剥がして新しいパッキンをはめ込むように取り付けるだけなので難しくはないが、メーカー・機種・型番・品番などは間違えないように注意しよう。

またパッキンの交換中は冷凍庫が開いたままになるため、クーラーボックスに氷や保冷剤を詰めて冷凍食品を入れておくなど工夫しよう。

食品の量や並べ方を工夫する

詰め込みすぎが原因で冷凍庫のドアが閉まっていないのであれば、並べ方を変えたり中身を減らしたりしよう。冷凍庫内が整理されれば問題を解消できるはずだ。

設置場所を見直す

壁にピッタリくっつけて設置している場合は、放熱スペースを設けよう。5cmなど必要なスペースは取扱説明書に書かれているはずなので、一度確認してみてほしい。なお放熱スペース不要という冷蔵庫もある。どうしても放熱スペースの確保が難しい場合で、かつそろそろ買い替えのタイミングである場合などは、そういった冷蔵庫を探してみるのもおすすめだ。

霜を取る

クーラーボックスに氷や保冷剤を詰めて冷蔵庫や冷凍庫の中身を移し、いったん電源を切る。あとはドアを開放しておけば、徐々に霜が溶けてくるはずだ。ある程度溶けたらプラスチック製のヘラで削ぎ落とすと効率がよい。故障の原因となるので、ドライヤーを使ったり硬く尖った道具で削ったりするのは避けよう。

温度設定を確認する

周囲の気温が高い時期に「弱」などに設定していると、冷蔵庫や冷凍庫内の温度が十分に下がりきらないことがある。弱で温度が高いと感じたら中にするなどして対処しよう。

再起動してみる方法もある

とくに異常が見当たらないときは、一度電源を抜いてしばらくおいてから、もう一度電源を入れてみるという手もある。電子回路が静電気などによって誤作動を起こしている場合があるからだ。ただし作業中に庫内の温度が上がってしまうため、食品や食材の劣化などにはくれぐれもご注意いただきたい。

サポートセンターに問い合わせる

それでも改善されなければ故障の確率が高い。保証期間内であれば修理に出すべきだし、購入してから年月が経過している場合は買い替えを検討するのもよい。まずはサポートセンターなどに問い合わせて、故障かどうか診断してもらおう。

6. 冷凍庫の温度は「-18℃」を意識してみよう

お伝えしてきたように、冷凍庫の温度は-18℃程度が目安となる。冷凍庫の温度が高いと電気代が余計にかかったり、食品や食材がしっかり冷却されず劣化を早めたりすることもある。これを機に、一度ご家庭の冷凍庫の温度をチェックしてみてはいかがだろうか?-50℃まで計測できる温度計なども販売されているので、気になる方は測ってみるのもよいだろう。

結論

ご家庭の冷凍庫の温度がどうも下がりにくい、高いような気がする、うまく食品や食材が凍ってくれないという場合、何かしらの原因があるはずだ。本稿で解説した原因や対処方法をぜひ試してみてほしい。それでも解決しなければ、早めにサポートセンターに問い合わせるなどしよう。
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  • 公開日:

    2019年2月14日

  • 更新日:

    2021年9月 1日

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