目次
1. 枕を洗濯すべき理由とは?思いのほか汚れが溜まっている

枕を洗ったほうがよいかどうか迷っている方のために、まずは洗濯すべき理由を説明しよう。
枕にはダニや雑菌のエサが豊富にある
たとえ見た目がキレイな枕でも、洗濯していなければ自分の想像以上に汚れていると思ってほしい。具体的には、フケや皮脂、垢やよだれ、寝汗といった汚れが付着している。当然だが、洗濯しなければそうした汚れは蓄積されていく。やがてダニや雑菌が繁殖し、イヤなにおいの元になったり、髪の毛や皮膚のトラブルを招いたりするおそれもある。せっかくお風呂に入ってキレイになったのに、枕が汚れていては台無しだ。これが、枕を洗濯すべき最大の理由である。
2. 自宅で洗える枕の見分け方とは?洗濯方法と干し方を解説

枕には、自宅で洗えるものとそうでないものがある。まずは洗える枕について、その見分け方と洗濯方法を解説する。
自宅で洗える枕とは?
- パイプ
- 洗えるポリエステルわた
- 洗えるビース
- コルマ・ミニボール
一般的に、このような素材の枕であれば自宅で洗濯できる。パイプとはストローを短く切ったような素材、コルマ・ミニボールとはプラスチック製で穴の開いたボールだ。ただし上記の素材であっても洗えないものがある。そのため、必ず「洗濯表示」を確認しよう。そこに洗濯機や手洗いのマークがあれば、自宅で洗濯できる枕と判断できる。逆に「バツ」が付いていれば上記の素材でも自宅では洗えないので、メーカーのホームページなどでお手入れ方法をチェックしよう。
手洗いの仕方
- オシャレ着用の中性洗剤と、枕が十分浸かる大きさの洗面器を用意する
- 洗面器にぬるま湯を注ぎ、洗剤を適量溶かす
- カバーを外した枕を浸し、洗濯液が十分染み込むようにもみ洗いをする
- 水を交換しながら、泡立たなくなるまで3回以上すすぎを繰り返す
- バスタオルで枕を包み、手で枕の水分を押し出す(タオルに移すイメージ)
- 風通しのよい場所に干す
以上が、枕を手洗いする手順だ。優しくもみ洗いをすることと、洗剤が残らないようによくすすぐことが大切なので覚えておこう。汚れが目立つ場所があれば、先に洗剤の原液を垂らして歯ブラシなどで軽く叩き、汚れを浮かせておくとよい。なお、干し方について詳しくは後述しているので、そちらを参考にしてほしい。
洗濯機を使う場合
- オシャレ着用の中性洗剤と、枕が入る大きさの洗濯ネットを用意する
- カバーを外した枕を洗濯ネットに入れて、洗剤をセットする
- 「手洗い」「ドライ」など弱水流コースを選んでスタートする
- 脱水まで終わったら取り出し、中身が偏っているときは手で叩くなどして均一に伸ばす
- 風通しのよい場所に干す
洗濯ネットは、枕を丸めたりしなくても済むようジャストサイズのものがおすすめだ。ファスナーはしっかり閉めておこう。手洗いのときと同様に、目立つ汚れは先に洗剤の原液を垂らして浮かせておこう。
3. 枕を洗濯したあとの干し方と注意点

枕が型崩れしたり、乾ききらずガビが発生したりしてしまうのを防ぐためには、正しい方法で干すことが大切だ。手洗い・洗濯機問わず、洗い終わった枕は中身の偏りを解消しておこう。また、洗い終えた時点で若干の型崩れが見られる場合は、手で形を整えておこう。
枕を干すときの注意点
生乾きだけは絶対に避けよう。完全に乾燥させておかないと、カビや雑菌が繁殖してかえって不衛生な状態になりかねない。枕干しハンガーがあると便利だが、なくても定期的にひっくり返せば十分だ。
風通しのよい場所で陰干しが基本
干す場所は「風通しのよい日陰」だ。吊り干しではなく平干しをしよう。平干しネットがないときは、ピンチハンガーの上部に寝かせるように干すか、ランドリーバスケットなど平らで風通しのよいアイテムで代用しよう。
洗濯機乾燥
洗濯機で洗える素材の枕の中には、そのまま乾燥機で乾かせるものもある。乾燥機がOKなら時間を大幅に短縮できて便利だろう。なおコインランドリーが近くにあれば、フワフワに仕上がるうえダニ退治もできるのでおすすめだ。ただし、洗濯表示は事前に必ず確認しておこう。
室内干し
PM2.5や黄砂、花粉が気になるのであれば、室内干しも候補に入ってくるだろう。アレルゲンから、肌や目、鼻に近い枕を守れるメリットは大きいが、乾くのには時間を要する。特に、ダウンなどの羽毛を丁寧に水洗いした場合などは、とても1日では乾かないだろう。スペアや代替品で凌ぎ、干し方や天気なども考慮しよう。また、ただ干すのではなく浴室乾燥機や除湿機、サーキュレーターやエアコンの除湿運転など、いくつかアイテムを組み合わせると効率がよい。
4. 自宅で洗えない枕のお手入れ方法!うっかり洗濯してしまったときは?

続いて、自宅では洗えない枕の種類やお手入れ方法を解説する。誤って洗濯してしまったときの対処法とあわせて、参考にしてほしい。
自宅で洗えない枕とは?
- 低反発ウレタン
- スノー低反発
- そばがら
- 羽根
- 洗えないポリエステルわた
- 洗えないビーズ
こうした素材の枕は洗濯できない。劣化につながるだけでなく、乾きにくいそばがらなどはカビの原因にもなるので気をつけよう。
洗えない枕のお手入れ方法
水に濡らすことができない枕は、風通しのよい場所で天日干しをしよう。ただし、羽根やビーズ、低反発ウレタンなどは紫外線に弱いため、陰干しをおすすめする。またそれ以外の素材も、天日干しを長時間続けると、紫外線のダメージで劣化してしまうことがある。1回30分程度を目安にしよう。天日干しとあわせて、布団クリーナーを使って表面の汚れを取り除く方法もおすすめだ。
うっかり洗濯してしまったときの対処法
洗えない素材と知らずうっかり洗濯してしまった場合でも、まずは慌てず、枕を優しく手で押し、中の水分をできるだけ出そう。出きったら、風通しのよい日陰に1週間ほど干し、完全に乾燥させよう。汚れがあるときは、水に濡らしたティッシュなどで優しく拭き取るとよい。ただし低反発ウレタンは非常にデリケートだ。水に濡れるとボロボロ崩れやすくなるため、とくに丁寧に扱ってほしい。また、この方法でも完全に元のように戻らないことがある。その場合は、残念だが枕の買い替えを検討しよう。
5. 枕の洗濯はどのくらいの頻度ですればよい?

最後に、枕の洗濯の頻度について解説する。丸洗いは宿泊施設の基準を参考にするとよい。
枕の丸洗いは半年に1回が目安
厚生労働省による「旅館業における衛生等管理要領」(※1)では、枕の洗濯は6カ月に1回以上必要であると、宿泊施設に通達を出している。ご家庭と不特定多数が利用する宿泊施設とでは環境が異なるが、おおよそこれくらいを目安にするとよいのではないだろうか。汗をかく季節は洗濯の頻度を増やしたり、週1回30分こまめに天日干しや陰干しをして、洗濯は年1回に留めたりするなどもよいだろう。
結論
枕には、自宅で洗濯できるものとそうでないものがある。前者であれば、本稿で紹介した手順で手洗いまたは洗濯機を使ってお手入れをしよう。後者であれば、メーカーが推奨しているお手入れを実践するか、クリーニングに相談する方法もある。思っている以上に汚れが溜まっている枕だ。ぜひこまめにお手入れをして気持ちよく眠りにつこう。
(参考文献)
※1:公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/legionella/030214-1c.html
※1:公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/legionella/030214-1c.html
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