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キレイに掃除されたお風呂の写真

お風呂の赤カビの正体は?発生原因から掃除方法と予防策まで徹底解説

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2022年1月11日

お風呂の排水口などに発生する「赤カビ」の正体について、毒性の有無や黒カビとの違いなども交えながら解説する。赤カビを放置するリスクや、ご家庭でできる簡単な掃除方法、再発を防ぐ方法などもお伝えしていくので、あわせて参考にしてほしい。

  

1. お風呂に発生する赤カビとは?黒カビとの違いも解説

お風呂の排水口などに発生する赤カビ(ロドトルラ)のイメージ写真
そもそもお風呂に発生する「赤カビ」とは具体的にどんな菌なのか、基本的なところから押さえておこう。

お風呂の赤カビは「ロドトルラ」という酵母菌のひとつ

お風呂で見られる赤カビは「ロドトルラ」という酵母菌の一種だ。いわゆる「ピンクのヌメリ」と同じ菌と思ってよい。酵母菌は食品を発酵させてお酒や醤油、味噌やパンを作るために欠かせない菌であり、私たちの生活に恩恵をもたらしている。
なお「赤カビ」というとパンなど食品にできる植物病原菌の一種「フザリウム」もあるが、テーマが異なるため、本稿では便宜上「赤カビ=ロドトルラ」として解説を進めさせていただく。

お風呂の赤カビに毒性はある?

上述した赤カビ(=ロドトルラ)そのものには、基本的に毒性はない。人体に無害という酵母菌だ。だがお風呂に発生する赤カビは、排水口など雑菌が繁殖しやすい場所である。くれぐれも口に入れたり、赤カビに触れた指で食べ物に触れたりしないよう、気をつけていただきたい。

黒カビ(クラドスポリウム)との違いは?

黒カビも赤カビと同様、湿気があるところを好む菌で「クラドスポリウム」という。赤カビとはそもそもまったく異なる菌である。黒カビはお風呂のほか洗面所や洗濯機、壁やエアコン内部など家中に根を張り繁殖する。体内に入り込むと喘息やアレルギー、気管支疾患の原因になることもある。

赤カビは繁殖スピードが速い

赤カビは水分だけでも繁殖できるため、油断しているとあっという間に広がってしまう。黒カビのように深く根を張ることはないので簡単に落とせるが、発生までに要する期間が黒カビ5〜7日に対し、赤カビは2〜3日程度である。
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2. お風呂の赤カビの原因は?放置するとどうなる?

お風呂の壁に発生した赤カビと黒カビの写真
なぜお風呂に赤カビが発生するのか、どういった場所に発生しやすいのか、および放置した場合どういったリスクが想定されるのかについて解説する。

赤カビが発生する原因とは?

【高温多湿である】

赤カビの正体であるロドトルラは、空気中に存在する酵母菌であり水分だけでも繁殖する。キッチンや洗面台など水回りに発生するが、とくにお風呂で目立つのは、赤カビにとって繁殖しやすい環境が整っているからだ。
具体的には25〜30度で活発に繁殖する。加えて湿度が高いと空気中の水分も多くなり、より成長しやすくなる。入浴後のお風呂は2つの条件がそろうため、赤カビが発生しやすいというわけだ。

【掃除が行き届いていない】

水分だけでも繁殖するが、加えてお風呂には石けんカスや皮脂など、赤カビの栄養源が豊富にある。これらが残っていると簡単に生育し繁殖してしまう。

赤カビはお風呂のどんな場所に発生する?

【水はけが悪い場所や掃除が行き届きにくい場所】

赤カビは、お風呂でいうと排水口やシャンプーボトルの底、床や椅子、桶などに発生しやすい。水分が残りやすい場所、汚れが残りやすい場所などはとくに注意したほうがよいだろう。

赤カビを放置するリスクとは?

【黒カビの繁殖を招くおそれがある】

黒カビは赤カビを餌として繁殖することがある。したがって、赤カビを掃除せず放置したままでいた場合、新たな黒カビの発生を招くおそれがある。ロドトルラそのものは無害であっても、見た目が不快だし不衛生だ。それに赤カビの中や周辺で雑菌が繁殖していることも大いに考えられるため、速やかに掃除をしたほうがよいだろう。

3. お風呂の赤カビ掃除に効果的がある洗剤とは

いろいろな種類の洗剤のイメージ写真
お風呂の赤カビを落とす場合、どういった洗剤を用いると効率がよいのだろうか?

軽度であれば「お風呂用中性洗剤」でも十分落とせる

赤カビは黒カビのように素材に深く根を張ることがない。そのためできて間もない軽度の赤カビであれば、普段使っているお風呂用中性洗剤でも十分落とすことが可能だ。むしろ洗剤を使わず、スポンジでこすり洗いをするだけで落とせることもある。
ただし、見た目はキレイになっても菌が残ったままということもある。すぐに再発するおそれがあるため、入念に掃除しておいたほうがよいかもしれない。

頑固な赤カビは「弱アルカリ性」の洗剤が効果的

一般的に赤カビそのものは「酸性」といわれている。お風呂に蓄積する汚れには水垢などもあるため、すべてが酸性ではない。だが赤カビに限って考えれば酸性の逆、すなわちアルカリ性の洗剤を使うことで効率よく中和でき、落としやすくなるといえるだろう。
アルカリ性の中でも刺激が少ない洗剤といえば「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」「アルカリ電解水」といったところが挙げられる。

強いアルカリ性を示す「塩素系漂白剤」も有効

赤カビとともに黒カビが生えている、どうしても残ってしまう、徹底的にかつ効率よく一掃したいという場合は、強いアルカリ性を示す「塩素系漂白剤」を使うとよいだろう。カビキラーやカビハイターといった製品だ。

「消毒用エタノール」「アルコール除菌スプレー」が効くことも

赤カビは菌なので、消毒用エタノールやアルコール除菌スプレーといったアイテムも使用できる(エタノール=アルコール)。水で洗い流すことができない場所などであれば、こうしたアイテムを使ってもよいだろう。
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4. お風呂の赤カビの掃除方法|重曹を使う場合

瓶詰めの重曹をスプーンですくっているところの写真
それでは、お風呂に発生した赤カビを落とす方法を紹介していこう。まずは、ナチュラルクリーニングの定番アイテム「重曹」を使った赤カビの掃除方法から説明していく。

用意するもの

  • 重曹
  • ブラシまたはスポンジ

重曹で赤カビを落とす方法

  • 赤カビをシャワーで軽く濡らす
  • 重曹をたっぷりふりかける
  • 浸透するまで数分放置し、ブラシやスポンジでこすり洗いする
  • シャワーで十分洗い流し、水気を拭き取れば完了
赤カビを掃除する場合、重曹は粉のまま使うので面倒な手間がない。壁や天井などに赤カビができている場合は、重曹に少量の水を入れてペースト状にし、パックをしよう。1時間ほど置いてからこすり洗いをして、シャワーで洗い流せばキレイになるはずだ。
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5. お風呂の赤カビの掃除方法|塩素系漂白剤を使う場合

カビキラーなどの塩素系漂白剤のイメージ写真
続いて、より強力な塩素系漂白剤を使って赤カビを落とす方法を紹介しよう。塩素系漂白剤は塩素臭が強いためマスクを着用し、換気しながら使用しよう。また刺激がたいへん強いことから、目や鼻、口などに入らないようにするとともに、皮膚にも触れないように気をつけよう。

用意するもの

  • 「カビキラー」「カビハイター」などの塩素系漂白剤
  • マスク、ゴム手袋、ゴーグルなどの保護具

塩素系漂白剤で赤カビを落とす方法

  • 赤カビに塩素系漂白剤を吹きつける
  • 所定の時間放置する
  • シャワーで十分洗い流し、水気を拭き取れば完了
カビの除去に効果のある塩素系漂白剤は、数分放置することで奥まで浸透し落としやすくなる。なお塩素系洗剤は酸性のアイテム(洗剤、クエン酸、酢など)やアルコールなどと混ざると有害なガスが発生して大変危険だ。塩素系漂白剤が残らないよう入念に洗い流すとともに、酸性のアイテムとは同時に使わないようにくれぐれも気をつけてほしい。
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6. お風呂の赤カビの掃除方法|アルコール除菌スプレーを使う場合

スプレーボトルに入ったアルコール除菌スプレーのイメージ写真
もうひとつ、アルコール除菌スプレーを使って赤カビを落とす方法も紹介しておこう。

用意するもの

  • アルコール除菌スプレー(消毒用エタノール)
  • ペーパータオル
  • 古い歯ブラシ

アルコール除菌スプレーで赤カビを落とす方法

  • ペーパータオルにアルコール除菌スプレーを吹きつける
  • 赤カビをそのペーパータオルで覆う
  • さらに上からアルコール除菌スプレーを吹きつける
  • 10分ほど放置したらペーパータオルをはがす
  • 赤カビが残っていたら古い歯ブラシなどでこすり洗いする
  • シャワーで十分洗い流し、水気を拭き取れば完了
アルコールは揮発性が高いため、ペーパータオルに含ませて赤カビとの密着時間を長くしよう。ペーパータオルの上からさらにラップでパックをするといった方法もおすすめだ。

7. お風呂に赤カビと黒カビが同時に発生していたときの掃除方法

お風呂のゴムパッキンに赤カビと黒カビが同時に発生しているところのイメージ写真
赤カビと黒カビが同時に発生してしまったときの掃除方法も知っておこう。

カビキラーやカビハイターなどを使って掃除する

カビキラーあるいはカビハイターといった塩素系漂白剤は、黒カビを落とす効果が期待できる。したがって先ほど紹介した塩素系漂白剤を使う方法で一層できる可能性がある。

塩素系漂白剤(キッチンハイター)と片栗粉を使った掃除も有効

それでも十分落ちないときは、塩素系漂白剤と片栗粉を使って試してみよう。キッチンハイターと片栗粉を同量ずつ混ぜて練り、ペースト状にする。赤カビや黒カビの気になる部分にたっぷり塗ったら、5分程放置してシャワーで入念にすすぐ。最後に水気を拭き取れば完了だ。
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8. お風呂に赤カビが発生するのを予防する方法

カビ予防に有効な「50度以上のお湯」のイメージ写真
黒カビは赤カビを餌に繁殖することがある。すなわち赤カビの予防は黒カビの予防にもつながる。カビの落とし方も重要だが、再発を防いでキレイな状態をキープすることも心がけよう。

重曹水をスプレーする

鍋に水500mlと重曹大さじ3杯を入れ、沸騰させたら火を止める。十分に冷ましたらスプレーボトルに入れ、赤カビが発生しやすいところを中心に吹きつける。浮き上がった汚れを取り除き、シャワーで十分洗い流して完了だ。重曹には除菌効果も期待できる。熱を加えるとアルカリの度合いが高まるため、一度沸騰させるのがおすすめだ(冷めてもアルカリの度合いは低下しない)。

50度以上のお湯をかける

赤カビも黒カビも、50度以上のお湯を5秒以上当てると死滅するといわれている。50度ジャストではすぐに冷めるため、やや高めの60度くらいがよいだろう。入浴ついでに、温度を上げたシャワーをかけるなどすればOKだ。ただし火傷にだけはくれぐれもご注意いただきたい。

水気を残さず拭き取る

赤カビは水分さえあれば繁殖する。入浴後や掃除のあとは、水気をしっかり拭き取っておくことが大切だ。シャンプーボトルや石けん受けも吊るすなどして水気を切っておこう。

換気扇を回すなどしてお風呂場を乾燥させる

赤カビや黒カビは湿度を好む。とくに湿気が溜まりやすい浴室の換気扇は、24時間運転にして乾燥させておこう。換気扇を回すときはバスルームの窓や扉を閉めておくのがポイントだ。開けておくと換気の効果が下がるため気をつけよう。ひと晩換気扇を回しておけば十分乾燥させることができるだろう。

シャンプーボトルなどは「吊るす収納」にする

水が溜まりやすいシャンプーボトルなどの底は、赤カビも発生しやすい。お風呂の床に直置きするのではなく、吊るす・浮かせるといった収納方法を考えよう。水はけがよくなり乾きやすくなるため、赤カビの発生を防ぐことにつながる。

9. 赤カビは黒カビ発生の原因に!見かけたら即撃退しよう

掃除が行き届いたキレイな浴室の写真
お風呂で見かける赤カビは不衛生なうえ、黒カビの発生を誘発するおそれもある。軽度であればスポンジや普段のお風呂用中性洗剤でも簡単に落とせるので、見かけたらすぐに掃除をしておこう。菌を根絶したいときは、塩素系漂白剤や50度以上のお湯をかけるといった方法を試してみてほしい。

結論

お風呂に発生する赤カビは「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌の一種である。人体に無害とされているが、そうはいってもお風呂場のさまざまな汚れ、雑菌が付着しているため、見かけたら速やかに掃除をして落としておこう。普通の洗剤で落ちにくいときは、重曹や塩素系漂白剤、アルコール除菌スプレーなどが効果的だ。
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  • 公開日:

    2019年8月21日

  • 更新日:

    2022年1月11日

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