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「吸込仕事率」とは?おすすめ5選や掃除機選びのポイントを徹底解説!

「吸込仕事率」とは?おすすめ5選や掃除機選びのポイントを徹底解説!

投稿者:ライター 西村七海 (にしむらななみ)

鉛筆アイコン 2021年7月 2日

掃除機の「吸込仕事率」とは何かをご存知だろうか。吸引仕事率は、掃除機選びの際の基準となるため、知っておくと役立つはずだ。当記事では、吸込仕事率の基本的知識に加え、掃除機選びのポイントやおすすめ5選を徹底解説する。吸込仕事率と掃除機選びについて知りたいときは、ぜひ当記事を参考にしてほしい。

  

1. 掃除機の「吸込仕事率」とは?

まずは吸込仕事率の基本的知識から解説していこう。

吸込仕事率は掃除機の吸引力を表すスペック

吸込仕事率とは掃除機のヘッドを取り付けないまま、空気を吸い込む力を表した数値だ。ゴミを浮き上がらせる力の「真空度」と、浮き上がったゴミを運ぶ力の「風量」によって算出される。真空度と風量を掛け合わせた数値が吸引仕事率になり、「W」という単位で表す。その数値が大きいほど強い吸引力が期待できる。

400〜500W程度なら、吸引力が一定以上ある掃除機と考えていいだろう。ただし、これは実際にゴミを吸い込んで測定しているわけではなく、空気を吸った状態=吸い込む力のみを測った数値だ。ヘッド、ブラシなどによって変わるほか、コードレスの掃除機の場合はバッテリーの状態によって弱まることもある。あくまで目安として参考にしよう。

吸込仕事率はどんな方法で計測しているのか?

新品の集じん袋やフィルターを取り付け、ヘッドを外した状態で、専用機を用いて真空度と風量を計測する。この吸込仕事率の測定方法は、「日本電機工業会」における「JEM1454」で定められたものだ。

吸込仕事率の計算方法

吸込仕事率は、上述の専用機で測定した数値を用い「真空度×風量×0.01666」で計算する。

2. 一般的な掃除機の吸引仕事率はどれくらい?

吸込仕事率は、掃除機を選ぶうえでチェックしたいポイントのひとつだ。では、掃除機の一般的な吸込仕事率はどの程度なのだろうか。

掃除機の吸込仕事率の目安|キャニスタータイプの場合

紙パック式掃除機の吸込仕事率は500~600Wだ。紙パック式はゴミがたまるとパワーが落ちるため、必要な吸込仕事率は高くなる傾向がある。小まめなゴミ捨てや手入れでパワーが維持できるサイクロン式の場合は、200~400Wくらいとやや低い。

カーペットの奥に入り込んだハウスダストまで掃除をしたいなら、300W前後の吸引仕事率を目安にする。高級な掃除機ほど吸引仕事率が高くなるので、費用と機能のバランスで比較しよう。

掃除機の吸込仕事率の目安|スティックタイプの場合

スティッククリーナーの吸込仕事率は、20~100Wくらいが目安だ。紙パック式やサイクロン式と比較して吸引力が弱いイメージがあるが、現在ではパワーが強い商品も多く登場している。50~100Wくらいあれば、十分な吸引力を実感できるだろう。

3. 吸込仕事率と実際にゴミを吸引する能力はイコールではない

吸込仕事率が高い掃除機は確かに吸引力も高いが、実際にゴミを吸い込む能力が高いというわけではない。吸込仕事率とゴミを吸引する能力はイコールではないのだ。

吸込仕事率は「空気を吸い込む力」を示すもの

上述のとおり、吸込仕事率とは掃除機のヘッドを取り付けないまま、空気を吸い込む力を表した数値。実際にゴミを吸い込んで測定しているわけではなく、単純に空気を吸い込む力を算出したものだ。

ゴミの吸引能力は「ヘッドの性能」などにも左右される

吸込仕事率は掃除機のヘッドを外した状態で測るため、同じ掃除機でもヘッドの性能次第でゴミを集める能力は異なる。ヘッドの種類はモーターブラシ、タービンブラシ、床ブラシの3つに分けることが可能だ。

集じん力が最も優れているのは、モーターでヘッドが回転するモーターブラシだ。空気で回転するタービンブラシは効果がやや劣る。床ブラシは軽量だが回転しないので集じん力は最も弱く、ゴミが入り込みやすいカーペットや畳の掃除には向かない。

掃除機を選ぶうえでは、吸引力の持続力が重要なポイントだ。吸引仕事率が高くても、パワーが持続しなければ掃除の効果は実感しにくい。

サイクロン式の場合は、ゴミと空気を遠心分離することで吸引力が持続できる。2段階遠心分離など、より機能性に優れた掃除機もあるのでチェックしてみよう。

4. 掃除機の「ダストピックアップ率」とは?

ところで、海外製の掃除機は吸込仕事率ではなく「ダストピックアップ率」を用いているのをご存知だろうか。

実際にゴミを吸引した結果を数値化したもの

ダストピックアップ率とは、吸い取れるゴミの量をパーセンテージで表した数値。国際電気標準会議で定められた国際規格であるため、海外のブランドでは、吸込仕事率ではなくダストピックアップ率で表すのが一般的だ。

ダストピックアップ率は、ゴミを集める「集じん力」の目安になる。ヨーロッパの基準では95%以上が一般的だ。高ければ高いほど一度に多くのゴミを吸い込めるので、選ぶときの参考になるだろう。

ダストピックアップ率の計測方法

ダストピックアップ率は、床に特定量のゴミを置き、特定の条件下で吸い込んだときにどれだけのゴミを吸い取れたのかで計測する。

掃除機のゴミ吸引能力はダストピックアップ率のほうが参考になる?

以上のことから、ゴミの吸引力に関してはダストピックアップ率の方が、吸込仕事率よりも参考になると考えられている。

5. 吸込仕事率以外にもチェックしたいポイント|掃除機のタイプ

吸込仕事率以外にも、掃除機選びの際にチェックしておきたいポイントがある。まずは代表的な掃除機のタイプと特徴を見ていこう。

スティックタイプ

スティックタイプの掃除機はスリムでコンパクトな形状のため、キャニスタータイプのように本体の場所を気にする必要がない。さらにバッテリー搭載の機種も多く、コンセントの位置やコードの長さを気にせずに掃除機をかけられるのが特徴だ。
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キャニスタータイプ

キャニスタータイプの掃除機は吸引力が高いものが多い。電源につないで使用するものがほとんどのため、途中でバッテリーが切れる心配がなく、バッテリー残量に吸込仕事率が左右されることもない。さらに重たい本体は車輪で転がすため、手元は軽いのが特徴だ。加えて、キャニスタータイプの掃除機は、ゴミをためておく容量が多い傾向にある。ゴミ捨ての回数を減らせるだろう。
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ハンディタイプ

ハンディタイプの掃除機は、その名のとおり片手で持てるコンパクトな掃除機。テーブルの上や家具の隙間、車内などを掃除するときに役立つタイプだ。スティックタイプと2WAYの製品も多い。小型だが、吸込仕事率などの機能性は一般的な掃除機とほとんど同等である。

ロボット掃除機

家具や壁を避け、ゴミを自動で検知して床掃除をしてくれるロボット掃除機。充電が減ると自動で充電台へ戻り、充電されるとまた掃除を再開する機種も増えている。
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6. 吸込仕事率以外にもチェックしたいポイント|集じん方式

続いてのチェックポイントは、「サイクロン方式」と「紙パック方式」の2つの集じん方式。集じん方式も、吸込仕事率を左右するためチェックしておこう。

サイクロン方式の特徴とメリット・デメリット

ゴミをダスト容器に集めるのがサイクロン方式の掃除機だ。たまったら捨てて何度も使えるため、ランニングコストは電気代のみ。加えて吸込仕事率が落ちにくい点もメリットだが、掃除機そのものが高価であることが多い。

紙パック方式の特徴とメリット・デメリット

紙パック方式の掃除機はパックにゴミをためていく。たまったらそのまま捨てて新しいパックをセットするだけなので、ゴミに触れることもなく手軽だが、ランニングコストがかかる。また、紙パックがゴミでいっぱいになると、吸込仕事率が低下してしまう。
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7. 吸込仕事率以外にもチェックしたいポイント|ブラシタイプ

続いては、ブラシタイプについて解説する。上述のとおり、吸込仕事率はヘッドをつけずに測定するため、実際にゴミを吸い取る能力とイコールではない。ヘッドのブラシは、吸込仕事率と同様に掃除機の性能に大きく関わるため重要だ。掃除機選びの際は、吸込仕事率と併せてチェックしておこう。

パワーブラシ

パワーブラシは、ブラシがモーターによって回るタイプ。ゴミをかき出す力が強いため、毛足の長いカーペットや畳でもしっかりとゴミを吸い取ることができる。モーターがヘッドに内蔵されているため、重くなりやすいタイプだが、強力なモーターによる回転で前に進む「自走式ヘッド」も増えてきた。自走式ヘッドは軽く押すだけで前に進むため、操作が楽になるのが特徴だ。

タービンブラシ

タービンブラシは、吸い込んだ空気の力によってブラシが回転するタイプ。ヘッドにモーターが内蔵されているパワーブラシと比べると軽く、比較的安い。ただしゴミをかき出す力がやや劣るため、毛足の長いカーペットなどには不向きである。

床ブラシ

床ブラシとは、ブラシがない、または回転しないタイプで、空気の力でゴミを吸い取る。ゴミをかき出す力が弱いため、カーペットや重たいゴミを吸い取るのは難しい。ただしリーズナブルな製品が多い。

8. 吸込仕事率以外にもチェックしたいポイント|コードの有無

コードの有無についても、吸込仕事率とともにチェックしておきたい。それぞれにメリット・デメリットがあるため、使用環境やこだわりと照らし合わせてみよう。

有線のメリット・デメリット

有線タイプのメリットは、充電が不要で、使用中に充電切れが起こる心配がない点にある。吸込仕事率の高い掃除機も多く、大きなゴミでもしっかりと吸い取れるだろう。ただし、コードが届く範囲でしか使用できないのがデメリットだ。コンセントの位置を気にする必要があるほか、場所によってコードを差し替える手間がかかる。

コードレスのメリット・デメリット

コードレスのメリットは、その手軽さにある。コンセントが不要なため、使いたいときにすぐに使用できるのだ。家具にコードが引っかかるストレスもない。ただし充電が切れると使用できず、稼働時間が制限されるというデメリットがある。また、有線タイプと比べると吸込仕事率がやや劣ることが多い点を把握しておきたい。
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9. 吸込仕事率以外にも着目!おすすめの掃除機5選

吸込仕事率に加えてチェックしておきたいポイントを把握したところで、おすすめの掃除機5選を紹介していく。吸込仕事率以外にも着目し、それぞれの特徴をまとめた。

マキタ「充電式クリーナ CL282FDRFW」

マキタの充電式クリーナは、コードレス掃除機。ワンタッチでパワフルモードと標準モードを切り替えることができる。パワフルモードは、吸込仕事率60Wというハイパワーで吸引が可能だ。

ダイソン「Dyson Omni-glide Complete(SV19 OF)」

ダイソンのフローリング専用コードレス掃除機。家具の隙間や狭い場所も、抜群の操作性で快適に掃除ができる。最長で20分間運転が可能なため、広い範囲もしっかりと掃除機をかけられるだろう。

アイリスオーヤマ「キャニスティッククリーナー IC-CSP5」

アイリスオーヤマのキャニスティッククリーナーは、充電切れの心配不要のACコード式。吸込仕事率や集じん容量は従来の掃除機のまま、スティックタイプにした掃除機だ。

パナソニック「紙パック式掃除機 MC-PK21G」

軽さとハイパワーを両立した、コンパクトなキャニスタータイプの掃除機。モーター内蔵のパワーノズルは小型で軽量のため、家具の多い部屋でも快適に掃除機がかけられるだろう。

日立「紙パック式クリーナー CV-PD8」

吸込仕事率640Wの強力な吸引力が特徴。「クルッとヘッド」が採用されているため、手元の操作でヘッドが左右90度回転し、家具の隙間などもスムーズに掃除機をかけられる。

10. 掃除機は吸込仕事率よりも「用途」や「ライフスタイル」に合うかが重要

確かに吸込仕事率は掃除機を選ぶ際の基準のひとつである。しかし、吸込仕事率だけで掃除機を選ぶのは望ましくない。集合住宅なら静音設計、戸建てなら軽量&コードレス(2階などに行くことも想定し)、仕事で忙しい方はロボット掃除機など、吸込仕事率だけでなく、用途やライフスタイルで絞り込むことも重要だ。

結論

掃除機の吸込仕事率とは、掃除機のヘッドをつけずに空気を吸い込む力を測定したもの。実際にゴミを吸い込む力とは異なり、さらにブラシや集じん方式などによっても、掃除機の性能は左右される。掃除機選びの際は、吸込仕事率をひとつの基準としてチェックしておくとよいだろう。そのほかのチェックポイントやおすすめ掃除機を知りたいときは、ぜひ当記事を役立ててほしい。
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  • 公開日:

    2020年12月20日

  • 更新日:

    2021年7月 2日

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