- 1. ホワイトリカーとは?
- 2. ホワイトリカーが果実酒造りに多用される理由
- 3. ホワイトリカーで梅酒を造る方法と注意点
- 4. ホワイトリカーの梅酒以外の活用方法や楽しみ方
- 5. ホワイトリカーは消毒にも使えるのか?
- 6. ホワイトリカーはどこで手に入る?
- 青梅:1kg
- 氷砂糖(ほかの砂糖でも可):500〜800g
- ホワイトリカー:1.8L
- 5Lの蓋が密封できる広口瓶
- 広口瓶を煮沸消毒し、水気を切って乾かしておく
- 青梅を水洗いし、水気を拭いてヘタをとる
- 青梅と氷砂糖を交互に敷き詰める
- ホワイトリカーを全て注ぎ冷暗所で保管する
- 1カ月〜1年ほど漬け込めば完成
- ※1:【自家醸造】|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm
1. ホワイトリカーとは?
ホワイトリカーというお酒について基本的なところを解説する。
ホワイトリカーとは一般的に「焼酎甲類」のことを指す
無味無臭のクリアなお酒全般を「ホワイトリカー」と呼ぶ。海外ではウォッカなども含まれるが、日本では主に果実酒用などに使う食用アルコールを指す。具体的には、穀類や糖類などを発酵させ、絞った原酒をさらに連続式蒸留器で蒸溜した「連続式蒸留焼酎」、すなわち「焼酎甲類」がホワイトリカーだ。ちなみに「単式蒸留焼酎」があるが、こちらは芋焼酎などが該当する「焼酎乙類」である。
ホワイトリカー「1」と「2」の違いは?
ホワイトリカーには「1」と「2」がある。1は焼酎甲類、2は焼酎乙類である。ラベルを見たときに「ホワイトリカー(1)」などと書かれていたら焼酎甲類だ。とはいえ焼酎乙類は「本格焼酎」などと表記されることが多いため、現在流通しているホワイトリカー表記のお酒はほぼ焼酎甲類と思ってよい。本稿でもこれ以降、ホワイトリカー=焼酎甲類として解説を進めさせていただく。
ホワイトリカーのアルコール度数
ホワイトリカーのアルコール度数は36度未満と定められている(焼酎乙類は45度以下)。20度、25度といった商品が多いが、果実酒造りに用いられるホワイトリカーは35度などアルコール度数が高いものが多い(その理由については後述する)。なお浸漬酒用に47度といったお酒が販売されていることもある。マムシや蜂などを漬ける用で、分類上は「スピリッツ」になるためホワイトリカーとは異なることも覚えておこう。
2. ホワイトリカーが果実酒造りに多用される理由
ホワイトリカーは、梅酒などの果実酒造りによく使われる。これには次のような理由がある。
クセがなく果実の風味を損なわない
ホワイトリカーには「無味無臭」「クセがない」といった特徴がある。そのホワイトリカーに漬け込めば、果実の香りや味を損なわずに果実酒が造れるというわけだ。芋焼酎などの焼酎乙類は、原料の風味が立ちすぎてしまうため不向きである。
果実が腐敗するのを防ぐ効果がある
果実酒造りに使用するホワイトリカーはアルコール度数35度のものが多い。これはアルコールが持つ殺菌効果を利用するためだ。漬け込んでいる間に果実が腐敗するのを防ぐ役割を果たしている。単にアルコール度数が高いだけならウイスキーやウォッカなどのリキュールもあるが、これらは風味が強いため果実酒造りには不向きである。
3. ホワイトリカーで梅酒を造る方法と注意点
実際にホワイトリカーを使って自家製梅酒を造る流れと、その際の注意点を解説する。
自家製梅酒の造り方
【材料】
【作り方】
漬け込む期間は1カ月から、長くても1年以内に留めること、また青梅はその間に取り出すことがポイントだ。濁る場合は濾してから保管するようにしよう。冷凍梅を使っても美味しい。
自家製梅酒を造る際の注意点
20度以上のお酒(ホワイトリカー)を使うこと、漬け込む材料に米などの穀物、あるいはぶどうや山ぶどうなどを使用してはいけないことなど、自家醸造に関しては酒税法で細かくルールが定められている。うっかり法令違反とならないよう、必ず守るようにしてほしい。(※1)
4. ホワイトリカーの梅酒以外の活用方法や楽しみ方
ホワイトリカーといえば梅酒を造る際によく用いられるお酒だが、用途は梅酒造りだけではない。
梅酒造り以外の楽しみ方
梅酒などの果実酒造り以外にも、ホワイトリカーに香辛料や昆布、鰹を漬け込んでおけば自家製調味料が造れるし、簡単に出汁を作ることも可能だ。大根やきゅうりといった野菜を漬け込んだり、にんにくや唐辛子を漬け込んだりすることもある。もちろん、好きな飲み物で割ってチューハイとして楽しんでも美味しいし、ホッピーを作って飲んでも美味しい。無味無臭でクセもないホワイトリカーは、思っているよりも用途が広いお酒なのである。
5. ホワイトリカーは消毒にも使えるのか?
しばしばホワイトリカーを消毒に使うことがあるが、これは日常的な手や指などの消毒にも活用できるという意味ではないため、きちんと覚えておこう。
日常的な手指消毒には不向き
ホワイトリカーで消毒するケースといえば、主に果実酒を造る前の瓶の消毒である。日常的に使用する、一般的な「アルコール除菌スプレー」の代わりとするにはアルコール度数が低すぎる。そのため手指の消毒には、アルコール度数70度などのアルコール除菌スプレーを使おう。
【スピリタスなら消毒に使える?】
スピリタスといえばアルコール度数96度のお酒だ。ホワイトリカーよりも遥かにアルコール度数が高いため、一見すると消毒できそうな気がする。だがむしろアルコール度数が高すぎて、雑菌やウイルスに作用する前に蒸発してしまうため、やはり消毒には不向きである。
6. ホワイトリカーはどこで手に入る?
汎用性が高いホワイトリカーは、どこで入手できるのだろうか?最後に入手方法も紹介しておこう。
スーパーやコンビニ、酒店や量販店など
ホワイトリカーは至るところで手に入る。たとえば梅が旬の時期になると、瓶や氷砂糖と一緒に販売されることがある。
ホームセンターで手に入ることも
ホワイトリカーや梅酒造りの道具を販売しているホームセンターも多い。店頭受取のオンラインショップを利用すれば、スーパーよりも安く手に入ることもある。
大量のホワイトリカーを買うならネット通販が便利
送料はかかるが、大量のホワイトリカー、重いホワイトリカーをほかの荷物と一緒に持ち運ぶのが大変ならネット通販が便利だ。材料や道具もまとめて購入できる。
結論
ホワイトリカーは「焼酎甲類」を指すのが一般的だ。主に梅酒造りに用いられるが、チューハイなどさまざまな用途がある汎用性に優れたお酒でもある。梅が美味しい季節になったらぜひ、ホワイトリカーを手に入れて自家製梅酒造りにチャレンジしてみてはいかがだろうか?
(参考文献)
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