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牛肉の栄養と効果・効能を詳しく解説!効率よく栄養を摂取するには?

牛肉の栄養と効果・効能を詳しく解説!効率よく栄養を摂取するには?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2020年12月16日

牛肉は高カロリーなイメージが強く敬遠してしまう、という方はぜひ本稿を読んでいただきたい。牛肉に含まれる豊富な栄養と期待できる効果・効能について詳しく解説するとともに、おすすめの食べ方や「A5」などランクの意味も説明する。

  

1. 牛肉の栄養と効能

牛肉にはさまざまな栄養が詰まっている。さっそく、その代表的なものと期待できる効果・効能を見ていこう。

たんぱく質

炭水化物や脂質とあわせて、エネルギー産生栄養素(三大栄養素)に数えられる成分だ。筋肉や臓器、毛髪や皮膚の成分であるほか、ホルモンや抗体、酵素など体調節機能の主成分でもある。たんぱく質は20種類のアミノ酸が約50~1,000結合して作られているのだが、そのうち「必須アミノ酸」がバランスよく含まれているたんぱく質を「良質なたんぱく質」といい、牛肉はまさにこれに当たる(※1・※2)。

必須アミノ酸

たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類あり、どれか1つでも欠けるとたんぱく質を作ることができない。20種類のアミノ酸のうち9種類(イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン・トリプトファン・バリン・ヒスチジン)を必須アミノ酸といい、体内では作れないため食べ物から摂取する必要がある(※3)。

このうちトリプトファンは、牛肉の赤身に多く含まれている。神経伝達物質セロトニンを作るアミノ酸でもあり、不足すると依存症やうつ症状を招くことがある。また牛肉にはリジンとメチオニンによって作られるカルニチンも豊富に含まれている。これらは脂肪の燃焼を促す作用があることから、ダイエットに適しているとされている。

ヘム鉄

鉄分のうち、牛肉の赤身やレバーなどに含まれるものを「ヘム鉄」、野菜などに含まれるものを「非ヘム鉄」という。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収されやすいだけでなく、ヘム鉄が非ヘム鉄を吸収しやすくするといった効果もある(※4)。貧血予防にピッタリなうえ、全身の酸素供給率も向上することから体が疲れにくくなるといわれている。

ビタミンB2

牛肉にはビタミンB群(※5)も豊富に含まれている。そのうちのひとつ、ビタミンB2は「美容ビタミン」と呼ばれることもあるなど、スキンケアやダイエットに欠かせない栄養素だ。さまざまな代謝にも関わっており、食べ物をエネルギーに変えて脂肪をため込みにくい体質にするといった効果が期待できるほか、成長を促進し、皮膚や髪の細胞を再生するといった効果もある。

ビタミンB6

アミノ酸の代謝に関わる栄養素で、免疫機能を維持するためにも重要な役割を担っている。不足した場合、皮膚炎や舌炎のほか成人ではうつ症状を招くこともあるという。水溶性ビタミンのため、余分なものは尿となって排出されることから過剰摂取に陥ることは少ないと考えられているが、摂り過ぎは感覚神経障害を招くことがある。とはいえ牛肉の場合、適正量を食べている限りでは過剰摂取になることはまずないだろう。

ビタミンB12

アミノ酸および脂質の代謝などをサポートするのがビタミンB12だ。不足した場合、悪性の貧血や神経障害を招くことがある。厚生労働省「」によれば、1日の摂取基準は30~49歳の男性・女性ともに2.0(推奨2.4)μgとなっている(※5)。これは牛肉の肩ロース(赤肉・生)200gで補える量だ。

カリウム

無機質(ミネラル)の一種で、カルシウムやナトリウム、リンなどと並び多量ミネラルに分類されるのがカリウムだ。ナトリウムの排出を促す作用があることから、塩分の摂り過ぎを調節するために欠かせない栄養素である。また細胞内液の浸透圧を調節する働きもあり、不足すると脱力感や食欲不振、精神障害などを招くことがある(※6・※7)。

2. 牛肉は部位によって栄養が異なる

高カロリーなイメージがある牛肉だが、ご覧のように実は体にとって嬉しい栄養素が豊富に含まれている。ただし覚えておきたいのは、牛肉は部位によって栄養が異なるという点だ。

牛肉の部位と多く含まれる栄養

レバーには鉄分(ヘム鉄)が多く含まれているとお伝えしたが、そのほかにもハツはビタミンB1・B2が多く含まれている。またタンにはコレステロールの吸収を抑える働きや、心臓・肝臓の機能を高めるとされるタウリン(※8)が豊富に含まれている。そのほか、カリウムはヒレに、脂質はばら(カルビ)に、たんぱく質はヒレやももに多く含まれている。

部位によってカロリーも異なる

たとえば和牛肉の脂身つき100gあたりで見てみると、ばら517kcal、ヒレ223kcalと200kcal近い差がある。一方脂身なしではサーロインが456kcal、ももが220kcalとこちらも200kcal以上差がある。なお輸入牛肉は全般的にカロリーが低い。同じように脂身つきで見てみるとばら371kcal、ヒレ133kcalである。また脂身なしを見ても、サーロイン238kcal、もも165kcalとこちらも低カロリーだ。

3. 牛肉の栄養を効率よく摂取するには?

牛肉の豊富な栄養をしっかりいただくための食べ方や、牛肉そのものの旨みを引き出すおすすめの食べ方、調理のコツなどを紹介しよう。

牛肉の栄養を効率よく摂取する食べ方

脂身の多い部位なら、グリルなどにすれば余分な脂が流れ落ちるため、カロリーカットにつながる。そもそも輸入牛肉を選ぶことも重要だ。また、煮物や鍋などにした場合は鉄が流れ出してしまうため、汁も一緒にいただくとよい。

部位別おすすめの美味しい調理方法

  • サーロイン:柔らかく上質な旨味のある最高級部位のひとつ。ステーキに最適
  • ヒレ:もっとも柔らかく脂肪や筋がほとんどない。ステーキがおすすめ
  • 肩ロース:薄切りで食べると美味しさを感じられる。しゃぶしゃぶやすき焼きがよい
  • ばら:赤みと脂肪が層になっている。煮込みや焼き肉などにすると美味しい
  • すね:長時間煮込むとコラーゲンが出る。シチューなどにうってつけ
牛肉は部位によって脂ののり方や旨味の強さがまったく変わる。ステーキでは美味しくない部分でも、煮込めば強い旨味が引き出されるなど、それぞれの部位にあった調理が求められる。

牛肉を調理するときのコツ

  • ステーキ:焼く前に常温に戻し、ひっくり返すのは一度までとする
  • すき焼き:鍋を熱しておき、まず牛肉の表面を一気に焼きあげる
  • しゃぶしゃぶ:湯に通すのは2〜3回。赤みがなくなる程度がよい
  • ハンバーグ:牛脂を混ぜ込み、粘りが出るまで肉をこねる
せっかく新鮮で品質のよい牛肉を手に入れても、調理に失敗してはもったいない。事前にコツを確認し、おさえるべき点は外さないようにしよう。難しいテクニックは必要ないが、これらをやるのとやらないのとでは食べたときの差が大きくなる。

4. 牛肉のランクについて

牛肉の品質で「A5ランク」などと聞くが、それがどんな定義に基づいているかご存知だろうか?最後に、ちょっとした豆知識として牛肉のランクについて解説しよう。

アルファベットが表す牛肉のランク

  • A:部分肉歩留が標準よりよい
  • B:部分肉歩留が標準
  • C:部分肉歩留が標準より劣る
アルファベットは「歩留等級」を表す。1頭あたりどのくらいの肉が取れるかという意味で、たくさんとれるほどランクが上がる。

1〜5の数字が指すもの

  • 脂肪交雑:霜降りの度合い
  • 肉の光沢:肉の色合いや光沢
  • 肉の締まり及びきめ:肉のしまりの具合、きめの細かさ
  • 脂肪の色沢と質:脂肪の色合いと、その質
数字は「肉質等級」といい、上記4つの基準から算出される。それぞれ「1:劣る」「2:標準に準ずる」「3:標準」「4:ややよい」「5:かなりよい」といった5段階で判断される。総合的な等級は4つのうちのもっとも低い数字が当てられる。つまり、3つの項目で5の評価を得ても、1つでも3があればその肉のランクは3となるのだ。逆をいえば5の牛肉はすべての項目が満点ということになる。

結論

牛肉は部位を選べばカロリーを抑えられるし、なにより良質なたんぱく質や脂質、ビタミンB群やミネラル(鉄・カリウムなど)といった栄養価が高い。焼いてもよし、煮てもよしという使い勝手のよさも改めて見直すべきだろう。偏るのはよくないが、これだけの栄養があり効能が期待できる牛肉は、ぜひ積極的に食べたい食材のひとつだ。

(参考文献)

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  • 公開日:

    2017年2月17日

  • 更新日:

    2020年12月16日

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