1. じゃがいもは炭水化物や糖質量は多い?
糖質が注目されている昨今、食べる頻度の高いじゃがいもの炭水化物量や糖質量は気になるところだ。じゃがいもの炭水化物量と食物繊維量は以下のようになっており(※1)、炭水化物量から食物繊維量を引けば、糖質量を求めることができる。
じゃがいも(100g当たり)
- 炭水化物 17.3g
- 食物繊維(総量) 8.9g
- 糖質 8.4g
100g当たりだとピンとこないので、じゃがいも1個当たり(150gと仮定)で計算すると以下のようになる。
じゃがいも(150g当たり)
- 炭水化物 26.0g
- 食物繊維(総量) 13.4g
- 糖質量 12.6g
ほかの根菜類と比較すると?
じゃがいも100g当たりの糖質量が分かっても、多いのか少ないのか分かりにくい。まずは、根菜類と比較してみよう。さといも、人参、さつまいもの糖質量はそれぞれ以下のようになっている(※1)。
- さといも(100g当たり) 10.8g
- 人参(100g当たり) 6.3g
- さつまいも(100g当たり)29.7g
同じいも類の中でも、じゃがいもは糖質量が少ないことが分かる。一方で、野菜類である人参より糖質量が多く含まれていることが分かる。
主食と比較すると?
海外ではじゃがいもが主食となっている国もある。ここでは、ごはんやパンといった主食類とじゃがいもの糖質量を比較してみよう(※1)。
- ごはん(100g当たり)35.6g
- 食パン(100g当たり)42.2g
ごはん、パンともに糖質量が30g以上であるのに対し、じゃがいもの糖質量は10g以下であるため、主食類と比較すると含まれる糖質量は少ないことが分かる。
2. じゃがいものカロリー
同じいも類や、主食類の中では含まれる糖質量が少ないじゃがいもだが、カロリーはどうだろうか。じゃがいもとごはん、パンに含まれるカロリーを比較してみよう(※1)。
じゃがいも(100g当たり) 59kcal
じゃがいも(1個/150g当たり)89kcal
ごはん(100g当たり) 156kcal
食パン(100g当たり) 248kcal
じゃがいも(1個/150g当たり)89kcal
ごはん(100g当たり) 156kcal
食パン(100g当たり) 248kcal
意外にも、じゃがいもはごはんや食パンと比べると低カロリーだ。ごはんと同じくらいのカロリーを摂るためにはじゃがいもを2個食べなくてはならない計算となる。
3. じゃがいもの栄養素
いも類であるじゃがいもは炭水化物を多く含んでいるが、一方でビタミンCやビタミンB群なども豊富に含んでいる。そのため、フランスでは「大地のリンゴ」と呼ばれているそうだ(※2)。ここでは、気になるじゃがいもの栄養素について紹介する。
食物繊維
じゃがいもが低カロリーであることと、食物繊維量が多いことには関係がある。食物繊維が多く含まれているということは、糖質量が少ないという結果に繋がるからだ。じゃがいもとさつまいもを比較してみよう。じゃがいも100g当たりに含まれる食物繊維量は8.9g、一方さつまいも100g当たりに含まれる食物繊維量は2.2gだ(※1)。さつまいもと比べると4倍以上も含まれていることが分かる。食物繊維は現代人に不足気味といわれているため(※3)、積極的に食べたい。
ビタミン類
じゃがいもには、ビタミンC、ビタミンB6、ナイアシンなどの水溶性ビタミンが多く含まれている。とくにビタミンCはじゃがいも100g当たり28mgも含まれている(※1)。ビタミンCには皮膚や細胞のコラーゲンの合成をサポートしたり、抗酸化ビタミンとして活性酸素の働きを抑えたりする役割などがある(※4)。ビタミンCは加熱に弱いため壊れやすい栄養素として知られているが、じゃがいもに含まれるビタミンCはでん粉によって守られているため、壊れにくいという特徴がある。そのため、じゃがいもはビタミンCを効率よく摂るのに最適な食材だといえる。
カリウム
じゃがいも100g当たりに含まれる量は410mgと、カリウムの含有量の多さも際立つ。カリウムはナトリウムの排出などに関わっているミネラルで、成人男性(18~64歳)の1日の摂取目標量は3000mgとなっている(※4)。じゃがいもを1個食べれば約615mg、1日の約1/5量を摂ることができるため、効率よくカリウムを摂るのに向いている。
4. じゃがいもはダイエットに効果的?
じゃがいもはいも類だが、主食として食べている国があることからも分かる通り、穀類に準ずるいも類となっている。ここで気になるのが、主食となり得るならば、ごはんやパンの代わりに食べてもよいかという点だ。結論からいってしまうと、じゃがいもはごはんやパンに比べるとカロリーが低いこと、またカロリーに対して糖質量が多く含まれることから主食の代わりに食べる、いわゆる置き換えダイエットには最適な食材だ。ごはんやパンだと食べ過ぎてしまうという人は、じゃがいもを上手に活用してみよう。
5. じゃがいもを食べる際の注意点
ビタミンが多く含まれ、主食の置き換えダイエットにも活用できるじゃがいもだが、食べるときの注意点もある。ここでは3つの注意点を紹介する。
食べ過ぎには注意
じゃがいもは低カロリーだが、食べる際はGI値にも気をつけたい。GI値とは、食後血糖の上昇度を表す数値だ。つまり、GI値が高い食材は血糖値を上げやすい(血糖値が上がるスピードが速い)食材というわけだ。血糖値が急激に高くなると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌される。インスリンは血糖値を下げてくれる一方で、血中の糖分を脂肪に換える働きもある。そのため、じゃがいもを食べ過ぎると脂肪がつきやすくなるおそれがある。
調理法次第では高カロリーに
じゃがいもは蒸したり、焼いたり、揚げたりとさまざまな調理法ができる食材だ。そのため、調理法によってカロリーが大きく変化する。たとえば、人気の高いフライドポテトは油で揚げているため、カロリーが高くなりがちだ。また、じゃがいものマヨネーズ炒めやじゃがバターなども人気が高いが、マヨネーズもバターもカロリーが高く、脂質も多く含まれるため、じゃがいもと組み合わせると高カロリーになってしまう。日本では、肉じゃがなどじゃがいもを使った料理をおかずにすることが多いため、ごはんとじゃがいもを一緒に食べる機会が多い。この組み合わせもカロリーが高くなってしまうので注意が必要だ。
芽や緑色の部分を取り除く
じゃがいもは皮つきで食べられることもあるが、芽や緑色の部分は絶対に食べてはいけない。じゃがいもの芽や緑色になった部分には天然毒素である「ソラニン(ポテトグリコアルカロイド)」や「チャコニン(カコニン)」が多く含まれているからだ。とくに芽に多いといわれているため、皮をむくときに必ず芽も一緒に取り除こう。ソラニンの毒性がどのくらい強いかというと、体重50kgの人が50mg程度のソラニンやチャコニンを摂取するだけで、腹痛・吐き気・下痢・頭痛・めまいなどの食中毒症状が現れるという。また、一度に大量に摂りすぎると命の危険もあるとされている(※6)ため、じゃがいもをたっぷりと使う料理ではとくに注意したい。
結論
肉じゃが、コロッケ、ポテトサラダ、フライドポテト...。思い浮かべるだけでも、口いっぱいに唾がたまってくる、愛すべきじゃがいも料理たち。とくに新じゃがは、皮ごと香ばしく揚げると、いくつでも食べて続けてしまうほどの美味しさ。カロリーが高い、糖質量が多いと分かってはいても、やっぱりじゃがいもは旨い。飯を選ぶべきか、じゃがいもを選ぶべきか。メタボ世代の胸中で、果てしない葛藤がせめぎあう。
(参考文献)
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
いも及びでん粉類/じゃがいも/塊茎/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02017_7
いも及びでん粉類/(さといも類)/さといも/球茎/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02010_7
野菜類/にんじん/根/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06214_7
いも及びでん粉類/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02006_7
穀類/こめ/[水稲めし]精白米/うるち米
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01088_7
穀類/こむぎ/[パン類]/角型食パン/食パン
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01026_7
※2 農畜産業振興機構「ばれいしょ」
https://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000313.html
※3 厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※4 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※5 厚生労働量「e-ヘルスネット インスリン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html
※6 農林水産省「ジャガイモによる食中毒を予防するために」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/potato.html
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
いも及びでん粉類/じゃがいも/塊茎/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02017_7
いも及びでん粉類/(さといも類)/さといも/球茎/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02010_7
野菜類/にんじん/根/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06214_7
いも及びでん粉類/(さつまいも類)/さつまいも/塊根/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02006_7
穀類/こめ/[水稲めし]精白米/うるち米
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01088_7
穀類/こむぎ/[パン類]/角型食パン/食パン
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01026_7
※2 農畜産業振興機構「ばれいしょ」
https://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000313.html
※3 厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※4 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
※5 厚生労働量「e-ヘルスネット インスリン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html
※6 農林水産省「ジャガイモによる食中毒を予防するために」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/potato.html