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濃口醤油、淡口醤油、溜醤油...意外と知らない醤油の違いと使い分けとは

濃口醤油、淡口醤油、溜醤油...意外と知らない醤油の違いと使い分けとは

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2020年4月14日

基本調味料のひとつであり、煮物や炒め物など料理の味付けにも欠かせない「醤油」。スーパーなどの売り場に行くと、いろいろな種類が並んでいてどれを購入すればいいのか迷ってしまうという方も少なくないだろう。料理の美味しさは調味料の選び方ひとつで、大きく変わると言っても過言ではない。今回は、醤油の種類と使い分けの方法について説明しよう。

  

1. 濃口醤油

そもそも、醤油は基本的に大きく5種類ある。それは、濃口(こいくち)醤油、淡口(うすくち)醤油、溜(たまり)醤油、再仕込み醤油、白醤油だ。そのなかでも、濃口醤油の生産量は全体の8割以上を占めている。濃口醤油を常備している家庭も多いことだろう。

濃口醤油の原料は、大豆もしくは脱脂加工大豆を蒸したもの、炒った小麦、塩だ。塩分は約16%ある。江戸時代から関東地方を中心に広まり、香り、色、味が濃く、バランスが良いのが特徴だ。使い方は、卓上調味料として冷奴や焼き魚などにかけたり、煮物やだし、たれなどに使ったりすることができる。オールマイティに使える醤油だが、特に生臭みのある魚や肉などに使うと、臭みが飛んで料理にコクが出るのでおすすめだ。

2. 淡口醤油

淡口醤油は、濃口醤油に比べて色が薄いのが特徴だ。濃口醤油と同じ大豆、小麦、塩のほかに、甘酒を加えることが特徴だ。甘酒を加えることにより、甘さや旨味が強くなり、より風味が豊かになる。

淡口醤油の生産量は、醤油全体の約13%を占める。使い方は、炊き込みごはんや炊き合わせなどの素材本来の味や色を活かしたい料理や、スープ、吸い物、茶碗蒸しなどの出汁を効かせたい料理に向いている。色は薄いが塩分は18~19%程度あり、濃口醤油よりも塩分の濃度が高いので、使う量には注意したい。

3. その他の醤油

  • 溜醤油
    中部地方で作られ、中部地方でよく使われている醤油である。濃口醤油は大豆と小麦をほぼ同量ずつ使うのに対して、この醤油の原料はほとんどが大豆。濃厚な色と香りで、とろみがあるのが特徴だ。昔から「刺身たまり」という言葉もあるように、刺身や寿司を食べる時によく使われる。また、加熱することで色がきれいな赤色に変わることから、魚の照り焼きやせんべいなどにも使われている。塩分は濃口醤油と同じく約16%、溜醤油の生産量は醤油全体の2%程度である。
  • 再仕込み醤油
    山陰地方や九州地方の特産となっているが、全国各地で作られている。濃口醤油や淡口醤油は麹を食塩水で仕込むが、こちらは醤油で仕込む。醤油を2度醸造するような作り方をするため、「再仕込み」と呼ばれる。これにより色、味、香りが濃厚になるのが大きな特徴だ。豆腐、刺身、寿司などに使われることが多い。塩分は約16%、再仕込み醤油の生産量は醤油全体の1%程度である。
  • 白醤油
    愛知県碧南市で生まれた琥珀色の醤油である。色は薄いが、糖分が12~16%程度あるため甘みが強く、独特の風味がある。蒸した小麦粉を主として、炒った大豆を少量加えて作られる。使い方は淡口醤油と似ていて、うどんの汁、茶碗蒸し、吸い物など素材の色や香りを生かしたい料理に使われる。塩分は約18%であり、白醤油の生産量は醤油全体の1%程度である。

結論

普段よく使っている濃口醤油をはじめとして、淡口醤油、溜醤油、再仕込み醤油、白醤油などの成分や使い方などについてお分かりいただけただろうか。材料や製法がそれぞれ異なり、それによって色、香り、味も大きく変わってくる。例えば、何かの記念日に出汁を効かせた吸い物を作ろうと思ったら、ぜひ淡口醤油や白醤油を使ってみよう。おめでたい日に相応しい、素材の味や色、出汁の風味を活かしたとびきりの一品ができるはずだ。
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  • 公開日:

    2017年10月 7日

  • 更新日:

    2020年4月14日

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