1. みりんの役割
煮物や煮魚、照り焼きなど、みりんはさまざまな料理で活躍する。和食中心の食生活を送る家庭では、ほぼ毎日みりんの出番があるのではないだろうか。みりんの役割は料理に甘みをプラスすることと考えられがちだが、実はそれだけではない。みりんのいろいろな役割を見てみよう。
1.甘みを出す
言わずと知れたみりんの役割は、料理に甘みを出すことである。みりんの糖分は40~50%ほどで、料理に自然な甘さをプラスする。砂糖もまた甘みを出す調味料だが、砂糖とみりんでは甘みの種類が異なる。強い甘みが特徴の砂糖に対し、みりんの甘みはまろやかで自然。上品な甘みを必要とする日本料理には、やはりみりんが合うのだ。
2.臭みを消す
みりんの原料は米と麹と酒。みりんは、アルコール分14%ほどのれっきとした酒類なのだ。みりんに含まれるアルコールによって
食材の臭みを消すことができる。魚や肉を調理するときにみりんを使えば、自然と臭みが気にならなくなる。
食材の臭みを消すことができる。魚や肉を調理するときにみりんを使えば、自然と臭みが気にならなくなる。
3.味を染み込ませる
アルコールは材料に素早く染み込むため、みりんには味を食材にしっかりと染み込ませる効果もある。
4.照りを出す
みりんに含まれる糖分は食材の表面に膜を作り、料理に照りを出す。チキンやブリの照り焼きの表面にある美味しそうなツヤは、
みりんによって作られたものだ。
みりんによって作られたものだ。
5.煮崩れを防ぐ
みりんには煮崩れを防ぐ役割もある。長時間じっくり煮込んでも、材料が崩れにくくキレイに仕上がる。
2. みりんの使い方
みりんは大きく「本みりん」と「みりん風調味料」「発酵調味料(みりんタイプ)」の3種類に分けられ、それぞれ使い方が少し異なる。ここからは、タイプごとのみりんの使い方を解説する。
本みりん
本みりんの原料は、もち米・米麹・米焼酎。米と麹を混ぜて焼酎などのアルコールを加え、糖化・熟成させる。酵母による発酵過程がないのが日本酒と大きく異なるところだ。アルコール分は14%ほどで酒類に分類され、酒税の対象となる。熟成に6ヶ月から2年ほどかかるため製造コストが高く、さらに酒税もかかるため、本みりんの価格は高い。本みりんの中には、醸造用アルコールを使用したものや糖類を加えたものもある。本来の本みりんとはまろやかさなどが少し異なるが、アルコール分は同等で使い方も同じである。
本みりんを料理に使う場合には、風味や旨みをアップさせるためにアルコール分を飛ばす。加熱料理の場合は気にする必要はないが、非加熱料理の場合には、先にみりんを火にかけてアルコール分を飛ばしてから使おう。
本みりんを料理に使う場合には、風味や旨みをアップさせるためにアルコール分を飛ばす。加熱料理の場合は気にする必要はないが、非加熱料理の場合には、先にみりんを火にかけてアルコール分を飛ばしてから使おう。
みりん風調味料
先に説明した通り、製造コストが高く酒税もかかるため本みりんの値段は高い。そのため、より手軽にみりんを使ってもらうために作られたのがみりん風調味料である。みりん風調味料は、水飴やブドウ糖、または米と米麹を糖化させたものなどに、旨み調味料などを加えて味を調整したもの。アルコール分は1%未満で酒類ではなく甘味調味料に該当し、酒税も対象外である。材料を混ぜるだけのシンプルな工程で製造コストが低く、酒税もないため低価格で出回っている。アルコール分をほとんど含まないためアルコールを飛ばす必要がなく、非加熱料理でもそのまま使うことができる。
発酵調味料(みりんタイプ)
本みりんと同様に醸造を行った後に、塩を添加したもの。醸造調味料、みりんタイプ調味料などとも呼ばれる。アルコール度数は本みりんと同等にあるが、塩分濃度が高く飲用できないため、酒税法の対象となっておらず、価格が抑えられている。ただし、調理の際にはそのぶん塩分を調整しなければならないので注意が必要だ。
3. みりんの隠れた使い道とは?
みりんの役割や使い方が理解できたところで、最後にみりんの隠れた使い道について解説する。あまり知られていないみりんの使い道をチェックしよう!
ごはんを炊くときに入れる
ごはんを炊くときにみりんを入れると、艶やかで美味しく炊き上がる。米を研ぎ、炊飯釜に入れて水加減を調節したあと、みりんを
少し垂らす。あとはいつも通りにスイッチを入れて炊飯するだけだ。白米のほか、炊き込みごはんでもOK。料亭のようなつやっとしたごはんが食べたいとき、特別なおかずに合わせて特別なごはんを食べたいときにおすすめだ。
少し垂らす。あとはいつも通りにスイッチを入れて炊飯するだけだ。白米のほか、炊き込みごはんでもOK。料亭のようなつやっとしたごはんが食べたいとき、特別なおかずに合わせて特別なごはんを食べたいときにおすすめだ。
フルーツを煮る
フルーツをみりんで煮るなんて驚きかもしれないが、その美味しさにはさらに驚きことだろう。みりんの糖度とフルーツの甘みや酸味が混じり合って絶妙な味わいに。鍋にフルーツを入れ、フルーツを覆う量のみりんを入れて5分前後煮込む。あとは冷ませば完成だ。いちごなどのベリー類、またミニトマトもおすすめだが、好みのフルーツで試してみよう。
スイーツ作り
みりんと言えば日本料理に欠かせない調味料だが、スイーツにも使うことができる。ほんのりとした甘みを持つプリン、しっとり崩れないスポンジケーキ、上品な甘さのクッキー、ほかにも杏仁豆腐やゼリーにもみりんは活躍する。
結論
日本料理を支えるみりんは、酒税法により大きく3種にわけられる。種類によって使い方が異なるので、正しく使ってもっと美味しい料理を作ろう!