知っておくと役立つ！安いお肉を美味しく食べる方法まとめ

基本的に、安くて固くなりやすいお肉は「筋繊維がしっかりしている」ことが多い。例えば、国産の高級な牛肉と外国産の安い牛肉を比べると分かりやすいが、国産品は「霜降り」に代表されるような脂肪分が多いものが好まれる傾向があるが、外国産のほうは脂肪分が少なくて筋肉質である。

そこで外国産のお肉を柔らかくする一番シンプルな方法は、「肉をたたく」ことで筋繊維を柔らかくするというものだ。「ミートハンマー」という肉をたたくための専用の道具も売られているが、もし無ければ包丁の背でも代用できる。

やり方は、まず始めに肉の合間の筋の部分に包丁で数ヵ所切れ込みを入れて、軽く数回たたく。この時に力を入れすぎると、肉を焼いた時に肉汁とともに旨味が流れ出てしまう。優しくたたくのがポイントだ。

肉をたたくことで、肉質が柔らかくなるだけでなく、火の通りが早く、焼いても縮みにくくなるというメリットもある。包丁の背を使えばすぐに実践できる方法なので、ぜひ試してみてほしい。

「たんぱく質分解酵素」という言葉を聞いたことがあるだろうか。肉などのタンパク質を分解して柔らかくする酵素のことだ。

例えば、「酢豚」という中国料理では「豚肉+パイナップル」、ハワイアンステーキでは「ステーキ肉+パイナップル」という組み合わせが定番だが、これはパイナップルにたんぱく質分解酵素が含まれており、お肉を柔らかくする役割を持っていることによる。

パイナップルの他にも、たんぱく質分解酵素を含む食材はたくさんある。肉に下味を付ける時に、刻んだりすりおろしたりして一緒に漬け込めば、固いお肉も驚くほど柔らかくなる。

「お肉をビールやコーラで煮込むと柔らかくなる」という話を聞いたことのある方も多いことだろう。これには「PH」が大きく関わっている。

PHというのは、酸性の度合いを表す指標のことで、「1」が強酸性、「7」が中性、「14」が強アルカリ性だ。お肉が最も固いと言われるPHは「5」であり、柔らかいお肉はこれよりも低い値である。

つまり、酸性に近づけることがお肉を柔らかくするためのポイントであり、ビールやコーラなどの炭酸飲料が役立つということだ。お肉を焼く前に、10～30分程度漬けておくようにしよう。

安いお肉を美味しく食べる方法は、実はたくさんあることが分かった。上手く料理に取り入れれば、お財布にも胃袋にも嬉しいことは確かだ。身近に手に入るものも多いから、ぜひ試してみたい。