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キャベツの栄養素とカロリーや糖質量【管理栄養士監修】

キャベツの栄養素とカロリーや糖質量【管理栄養士監修】

投稿者:ライター 佐々木美紀(ささきみき)

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

鉛筆アイコン 2021年6月30日

キャベツというと、トンカツの脇に添えられていたり、お好み焼きに入っていたり、野菜炒めに使われたりと、日々の食卓で役立つ定番だ。葉物野菜だが食べごたえがあり、メニューによってはお腹いっぱいになれるキャベツ、そのカロリーと糖質量、栄養価をみていこう。

  

1. キャベツはどんな食べ物?

キャベツのカロリーや栄養価を語る前に、まずはキャベツのルーツを紹介しよう。キャベツの原産はヨーロッパの地中海沿岸や大西洋沿岸地帯といわれ、数千年も前から栽培されていたそうだ。そのキャベツが日本に輸入されたのは800年くらい前。とても長い歴史をもつ野菜である。ちなみに当時は、観賞用の葉ボタンのことをキャベツと呼んでいたという。現在のような形のキャベツが入ってきたのは江戸時代末期で、明治時代になってから本格的に導入され、以降広く家庭で食べられるようになった。

キャベツの種類

キャベツはアブラナ科の野菜で、同じ科にはブロッコリーや大根などが挙げられる。一年中スーパーなどで目にすることができるが、その種類は実は季節によって異なる。春から夏の始めに収穫され売られているものを春キャベツといい、水分を多く含んでおり柔らかい。冬に売られているものは冬キャベツといい、寒気から内部を守るために葉は硬めになっている。また、夏に出回るグリーンボールという種類もある。こちらは丸くて柔らか、葉の色が濃く、漬け物などにも向いている。葉の色が紫色の紫キャベツ(レッドキャベツ)もよく知られているだろう。キャベツのカロリーや栄養価は種類により異なる。次の項ではカロリーと糖質量について詳しく説明していこう。

2. キャベツのカロリーと糖質量

一般的なキャベツとグリーンボール、レッドキャベツ(紫キャベツ)では、カロリーと糖質量にどれほど違いがあるのか、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1)を参考にみていこう。(以下[ ]の中はすべてカロリー、糖質量の順)

キャベツのカロリーと糖質

まずは一般的な生キャベツのカロリーと糖質をみていこう。キャベツ1玉あたり1,200g、廃棄率15%、可食部1,020gとして計算するとこのようになる。
◎キャベツ(生)100gあたり[21kcal、3.4g]
◎キャベツ(生)1玉あたり[214.2kcal、34.68g]

レッドボール(紫キャベツ)のカロリーと糖質

レッドボールと呼ばれる紫キャベツのカロリーと糖質は下記の通りだ。
◎レッドキャベツ(生)100gあたり[30kcal、3.9g]
◎レッドキャベツ(生)1玉あたり[306kcal、39.78g]

グリーンボールのカロリーと糖質

グリーンボールのカロリーと糖質はこのようになっている。
◎グリーンボール(生)100gあたり[20kcal、2.7g]
◎グリーンボール(生)1玉あたり[204kcal、27.54g]
キャベツを種類別にみてみると、カロリーと糖質量はレッドボールがやや高めだが、ほとんど差はない。キャベツを選ぶ時は糖質量やカロリーを基準にせずに、加熱するのか、生で利用するのかなど、メニューによって選ぶほうがいいだろう。キャベツのカロリーは1玉まるごと食べても200~300kcalほど。キャベツは半玉でも腹持ちがよいことを考えると、カロリーはさほど気にならず、カロリー制限中にも向いている野菜といえるのではないだろうか。キャベツを食べる際に少しでも糖質を制限したい人は、グリーンボールを選ぼう。

ほかの葉物野菜とカロリーや糖質量を比較!

キャベツとほかの代表的な葉物野菜のカロリーや糖質を比べてみよう。
◎ほうれんそう(生)100gあたり[18kcal、0.3g]
◎こまつな(生)100gあたり[13kcal、0.5g]
◎春菊(生)100gあたり[20kcal、0.7g]
◎レタス(生)100gあたり[11kcal、1.7g]
上記から、レタスや小松菜のカロリーが葉物野菜の中でも低めであることが分かる。キャベツのカロリーは春菊と同程度と覚えておくとよいだろう。葉物野菜の糖質量は、ほうれん草が0.3gと小松菜が0.5g、春菊が0.7g、レタスが1.7gと、カロリーと比例するわけではないことがみてとれる。同じ葉物野菜でもキャベツは3.0gを超えていて、糖質量はやや高めだ。最近は果物並みに糖度が高いことを売り物にしているキャベツも多く、「糖度が高い=美味しい」という傾向は毎年加熱している。キャベツの糖質量は気になるところだが、多くても3.0g台。それほど神経質になる必要はないだろう。
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3. キャベツの栄養と効能

キャベツのカロリー以外に注目したいのが、栄養素だ。キャベツには、キャベツ特有の栄養素であるビタミンUのほか、さまざまな栄養素が含まれている。とくに胃腸を守り、免疫力を高める効果をもつといえる。

ビタミンU(キャベジン)

ビタミンUは、キャベツから発見されたことからキャベジンとも呼ばれている。胃粘膜の修復に作用するといわれており、荒れた胃の粘膜を正常に整える働きがある(※2)。胃腸が弱い人はもちろん、脂っぽいものを食べる時にもあわせて摂取したい栄養素である。

ビタミンC

日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)によると、キャベツには100g中40mgほどという多くのビタミンCが含まれている。ビタミンCは抗酸化作用をもち、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から身体を守る働きがあり病気など、いろいろなストレスへの抵抗力を強め、鉄の吸収をよくするといわれている(※3)。また、意外にも皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須なビタミンでもあるのだ。

β-カロテン

キャベツにはβ-カロテンも含まれている。日本食品標準成分表2020年版(八訂)(※1)によると、通常のキャベツで100gあたり50μgのβ-カロテンが含まれているのに対し、グリーンボールは110μgととくに多く含まれるのが特徴だ。β-カロテンは抗酸化作用があるといわれている。また、身体の中でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ(※3)。

アントシアニン

アントシアニンはとくに紫キャベツに含まれる成分だ。アントシアニンは植物色素の一種。紫キャベツの鮮やかな色はこの色素に由来する。近年では視機能改善作用や抗酸化作用、がん予防効果などが注目を集めている(※4)。

イソチオシアネート

イソチオシアネートは硫黄化合物の一種。強い抗酸化作用とともに、消化液の分泌を促すことで知られている(※5)。有害な菌から身体を守るともいわれ、キャベツの場合では消化の過程で生成される。キャベツのほかには大根のすりおろしに含まれることでも有名だ。
キャベツはカロリーや糖質だけでなく、含まれる栄養素を考慮して選ぶのもおすすめ。アントシアニンを積極的に摂りたいときは紫キャベツ、β-カロテンを多く摂り入れたいときはグリーンボール、などカロリー以外の部分に注目して選ぶのもよいだろう。
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4. 加熱によって栄養は変わる?

キャベツは生だけではなく、炒め物やスープにもピッタリな食材だ。では、調理した場合にカロリーと糖質量、栄養成分はどう変化するのだろう?

調理によるキャベツのカロリーと糖質量の変化

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1)によると、キャベツの調理方法によりカロリーと糖質は異なる。(以下[ ]の中はすべてカロリー、糖質量の順)
◎キャベツ(生)100gあたり[21kcal、3.4g]
◎キャベツ(ゆで)100gあたり[19kcal、2.6g]
◎キャベツ(油いため)100gあたり[78kcal、3.7g]
キャベツは茹でキャベツにすると、わずかであるがカロリーと糖質が減る。反対に、油などで炒めて焼き野菜にすると、油の分だけ当然カロリーが増す。とはいえ、油で炒めてもカロリーは80kcalほど。キャベツは茹でたり炒めたりすると水分が抜けてカサが減り、食べやすくなる。もりもり豪快に食べても問題なさそうだ。
栄養成分に注目すると、ビタミンCはキャベツの生には41mg含まれており、茹ででは17mg、炒めでは47mgとなる。ビタミンCは水溶性ビタミンであることから、調理の段階で茹でると流出してしまう。ビタミンCを積極的に摂りたい場合は茹でる以外の調理方法か、煮汁ごと食べられるスープを選択するのがよさそうだ。β-カロテンはキャベツの生で50μg、茹ででは58μg、炒めると78μgとなり、調理しても減少しない。

5. キャベツを使ったサラダのカロリー

次に、キャベツがメインのサラダについてみてみよう。

無限キャベツ

まずは近年話題の無限キャベツのカロリーについて考えていこう。無限キャベツは千切りしたキャベツを電子レンジで加熱して、ツナ缶やめんつゆ、マヨネーズ、鶏ガラスープの素などで調味した料理だ。キャベツそのもののカロリーは低いが、マヨネーズやごま油、ツナ缶などのカロリーが加わるので注意が必要だ。
調味料のカロリーを以下として無限キャベツのカロリーを試算してみよう(※1)。
  • マヨネーズ:大さじ1杯100kcal前後
  • ごま油:大さじ1杯120kcal前後
  • めんつゆ:大さじ1杯20kcal前後
キャベツ1/4(255g・約54kcal)とツナ缶(1缶・200kcal前後)をこれらで調味したとすると、500kcalほどとなる。ほかのおかずやごはんも一緒に食べることを考えると、無限キャベツとはいえ食べすぎには気をつけたほうがよさそうだ。
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コールスロー

次にコールスローサラダのカロリーに注目してみよう。コールスローはキャベツやハムなどの具材をマヨネーズや酢などで味付けしたものだ。
調味料のカロリーを以下としてコールスローのカロリーを試算してみよう(※1)。
  • マヨネーズ:大さじ2杯200kcal前後
  • 酢:小さじ1杯2kcal
  • 塩・こしょう少々
キャベツ1/4(255g・約54kcal)と具材のロースハム(40g・約84kcal)をこれらで調味したとすると、340 kcalほどとなる。サラダとはいえマヨネーズを使っているのでカロリーは高めだ。低カロリーに仕上げたい場合はカロリーオフタイプのマヨネーズを選ぶとよいだろう。
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結論

キャベツは葉物野菜の中でも、お浸しのようにチマチマ食べるというよりも、肉類と一緒に炒めたり煮込んだりして、モリモリと豪快に食べるのが似合う野菜だ。量もたくさん食すことができるので、低カロリーでもお腹が満足する、メタボ世代にとっては極めて嬉しい食材だ。調理方法や組み合わせる調味料によっては高カロリーになるケースもあるので、カロリー制限中の人は調理方法を工夫しよう。
(参考文献)
※1日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※2国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
※3厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)
※4厚生労働省 抗酸化物質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※5サンスター株式会社 サンスター健康道場
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  • 公開日:

    2017年12月 4日

  • 更新日:

    2021年6月30日

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