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料理酒に飲む用のお酒を使っていい?清酒との違いも解説!

料理酒に飲む用のお酒を使っていい?清酒との違いも解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:東京農業大学 醸造科学科 教授 前橋健二(まえはしけんじ)

鉛筆アイコン 2020年12月 3日

レシピに「酒」と記載されているとき、料理酒を使うべきか、清酒を使うべきか迷った事はないだろうか。 そもそも、酒は料理においてどんな効果があるのか、料理酒と清酒はどのように違うのか、酒がないときにほかに代用できるものはあるのか、など、素朴な疑問に答える。

  

1. 料理に入れる酒の効果や役割

料理に酒を入れる効果や役割は以下のようなものだ。
① 食材肉や魚などの臭いを消す
特に魚介類に多い揮発性トリメチルアミンは, 酒に含まれる揮発性カルボニル化合物と反応することで臭みが消え、さらに酒のもつ特有な芳香がプラスされることによってマスキング効果が得られると考えられる。
② 食材を柔らかくする
肉や魚は、加熱により筋肉収縮が起こることで水分が出て固くなりやすいが、酒のアルコールがたんぱく質を変性させて、水分の流出を抑え、柔らかく仕上げることができる。
③ 素材のうまみを引き出す・うまみを加える
うまみ成分のグルタミン酸を多く含み、素材のもつうまみ成分と相乗効果をもたらすことで、うまみを強く感じるようになる。
④ 料理の仕上がりが早くなる
調味料の浸透性が高まり、味がつきやすくなることから、料理の仕上がりが早くなるといわれている。
⑤ 日持ちが良くなる
アルコールによる防腐効果で日持ちを良くすることができる。
⑥ 煮崩れを防ぐ
アルコールが細胞壁の崩壊を防ぎ、細胞の中からでんぷんやたんぱく質などの成分の溶出を防いで煮崩れを防止する。
⑦ 焼き色をつける
酒には糖分やアミノ酸が含まれており、加熱するとアミノカルボニル反応を起こして、美しい焼き色をつける。

2. 料理酒と清酒の違いと使うときのコツ

料理酒は、料理に利用することを目的として、前述したような酒の効果を残しつつ、酒に食塩や酢などを添加していることが多い。酒や酢を添加することで飲用できないよう不可飲処置を施し、課税対象から外しているため、安価になるとともに、酒類販売免許を持たない商店での購入も可能となっている。
一般的に、酒に対しておおよそ2~3%の塩が添加されており、これは海水(約3%)と同様の塩辛さとなる。
さらに、料理酒は料理にコクやうまみを加えるため、製造時に生まれる酸味や雑味を残していたり、うまみ成分を添加していたりもする。
レシピに「酒」としか記載がない場合は、一般的には「清酒」を使うのが正解だ。料理酒を使う場合には、塩分を減らして調整しよう。計算上、大さじ2の料理酒を加える場合は、1g程度の食塩(ひとつまみ程度)の食塩を減らして調整することになる。
料理酒は料理にコクや旨味を加えるため、酸味や雑味がそのまま残っていることも多く、余分な酸味・雑味をおさえて作られている清酒に比べると、料理酒の方がコクやうまみが強い場合もある。
逆に、料理酒のかわりに清酒を使う場合は、出汁を強めに効かせることよい。そして、清酒の方が料理酒を使うときよりもアルコールを強く感じることが多いため、蓋をあけて沸騰させアルコール分を飛ばす(煮切る)のがコツである。

3. 酒がないときの代用品

料理酒や清酒が切れているときでも、肉や魚の臭みが残ったままになっていたり、仕上がりがかたくなったりするのは避けたいものだ。酒の代用品となるものを紹介しよう。
① 本みりん
「本みりん」にもアルコールが含まれているため、アルコールによる効果は得られると考えられる。ここで必要なのが、「本みりん」か「みりん風調味料」かの確認だ。似ているようだが、みりん風調味料にはほとんどアルコール分が含まれていないため、酒のような効果は期待できない。(アルコールは本みりんで13%以上、みりん風調味料では1%未満)
代用するときは、の本みりんを使い、味をみながら砂糖の量を調節するようにすることが大切だ。おおよそ本みりん大さじ1に対し砂糖大さじ2/3が相当する。
② 白ワイン
白ワインは洋風料理には向いているが、酒に比べて酸味が強いものが多いため、仕上がりが異なってしまうこともある。酸味が強くなるかもしれないことを念頭に入れて少なめに使うようにし、アルコール分をしっかりと飛ばすようにしよう。
③ ビール
ビールに含まれるアルコールだけでなく、炭酸成分も肉をやわらかくする働きがある。風味はもちろんコクも増すため、ビール煮やフリッターにもビールは使われる。加えるべき酒と同量のビールでOKだ。

結論

清酒と料理酒は目的が違うため、料理の仕上がりに違いは出るが、うまみや塩分、アルコール分をコントロールすれば、清酒も料理に使う事ができる。ちなみに、吟醸酒や大吟醸酒のように、生産の過程で米を削った高級酒は、料理用としては旨味が少ないともいわれ、料理に使うなら普通酒が向くとされている。
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  • 公開日:

    2018年2月28日

  • 更新日:

    2020年12月 3日

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